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長谷 翠(はせ・みどり)
国際関係学部1回生
ヘラルド朝日 第2回論文コンテストで優秀賞受賞
長谷 翠
7月9日、朝日新聞社発行の英字紙「ヘラルド朝日」主催の第2回英語論文コンテストの表彰式が朝日新聞東京本社で行なわれ
「20年後の私(What I hope to be in 20 years)」をテーマにした論文で長谷翠さん(国際関係学部1回生)が優秀賞を獲得した。
帰国子女である長谷さんは、文化や言葉の違いに悩む子どもたちを助けるカウンセラーになりたいという夢を持っており、
そのことをまとめた論文が評価され、受賞につながった。
今回は長谷さんに論文コンテストのエピソードや将来の夢などについてお話を伺った。
Q

ヘラルド朝日 第2回論文コンテストでの優秀賞受賞、おめでとうございます。このコンテストの概要と、なぜ応募するに至ったのか、そのきっかけを教えてください。

長谷

これは英字紙「ヘラルド朝日」が主催する学生向けの論文コンテストです。対象は大学生・大学院生・短大生で、国籍や海外居住歴は問われません。「(1)20年後の私、(2)地球温暖化対策、(3)メディアの活動の課題」というテーマの中から1つを選び、800単語以内でまとめるというものでした。国内外から約670通もの応募があり、中には海外の大学や留学生、学校単位で応募している大学もあったと後から聞き、驚きました。

私はこのコンテストを大学の国際センターで見つけました。自分の英語力を試す絶好の機会と考え、すぐに挑戦を決め、課題テーマの中から「(1)20年後の私」を選びました。このテーマは今まで20年後の自分など考えたことがなかったので、自分のことを見つめなおす良い機会になると思い、選びました。募集を見つけたのが締め切り間近だったので、早速論文作成に取りかかり、数日で書き上げ、誰にも言わずに応募しました。

Q 長谷さんはどのような「20年後の私」をイメージして論文を書かれたのでしょうか?今回の論文の内容を簡単に教えてください。

長谷

この論文は自分自身の経験に基づいて作成しました。私は3歳から12歳までイギリスに住んでいたのですが、中学校に入るときに日本に帰国しました。日本に帰国するまでずっと「自分はイギリス人だ」と思っていたので、帰国した時は大きなカルチャーショックを受け、日本の生活に馴染めず辛い思いをしました。

「自分のアイデンティティーは何なのか?」という壁に、帰国子女は多かれ少なかれぶつかる時があると思います。2つの文化を持つことを多くの人は羨やみますが、当事者にとってはそのバランスを保つことが難しかったり、どちらかの文化を嫌いになってしまうこともしばしばあります。私自身、「日本とイギリスの2つの文化を持つことが自分のアイデンティティーだ」ということに気づくのには時間がかかりました。子どもがすごく好きということもあり、将来の夢は「帰国子女の子どもたちに、2つの文化を持つことに自信と誇りを持ってもらえるよう手助けをするカウンセラー」になることです。その想いをこの論文につづりました。

20年後の自分を考えるにあたって、自分の過去の経験を振り返ったことで将来の夢を明確にすることができました。その点でこの論文コンテストは将来を考える良いきっかけになりました。また、日本に帰国して数年経っているので、自分の英語力が低下していないかも不安だったのですが、独力で書いた論文が認められ自信がつきましたね。そして授賞式の場で審査員から「イントロダクションで非常に引き込まれた」との評価をいただけたのも嬉しかったです。

Q

「帰国子女の手助けをするカウンセラー」という夢を実現するため、今後はどのようなことに取り組まれるのでしょうか?

長谷

大学生の視点で「ふるさと」であるイギリスを見つめ直すため、もう一度イギリスに戻り学びたいと思っています。大学では国際関係学部で異文化について、「なぜ文化がぶつかり合うのか」を積極的に学んでいます。また現在は、来年のイギリス留学に向けての準備も進めています。留学先のイギリスでは、カウンセリングの知識を身に付けるために心理学を学びたいと思っています。立命館で国際関係学を学び、イギリスで心理学を身につけることで自分の目指す進路に一歩近づけると思います。

取材・文大西 藍(産業社会学部4回生)
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