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高橋里美(たかはし・さとみ)
産業社会学部2回生
フェンシング部
高橋里美
11月12日(月)〜16日(金)に東京で開催された第60回全日本学生フェンシング選手権大会女子サーブル個人種目において、
フェンシング部の高橋里美選手(産業社会学部2回生)が見事優勝を果たした。
フェンシング部創部以来、女子のインカレ優勝者は初!
まだ2回生でありながら学生日本一に輝いた高橋さんにお話を伺った。
Q

全日本学生フェンシング選手権大会女子サーブル個人種目での優勝おめでとうございます。フェンシングは、まだまだ一般的に馴染みの薄いスポーツだと思いますが、どのようなスポーツなのですか?また、当日の試合展開について教えて下さい。

高橋

まずフェンシングには、フルーレ、エペ、そして私がやっているサーブルという3種目があります。サーブルは3種目の中で一番試合展開が早く、スピードや頭の回転の速さが求められる競技。そのため、試合中も自分のミスに落ち込んでいる暇はなく、次の展開に向けて頭を働かせないといけません。そこがサーブルの難しいところですね。今回タイトルを獲った全日本学生フェンシング選手権大会は、関東・関西など全国で行われる予選で勝ち残ってきた選手が出られる学生フェンシング個人戦の最高峰の試合です。

振り返ってみると、準々決勝で対戦した山田喜美選手(東京女子体育大学3回生)と決勝で対戦した熊谷美香選手(日本体育大学4回生)との試合は、私にとって練習の成果がもっとも表われた試合でした。特に準々決勝の山田選手との試合は、一番苦しい試合でした。終始、山田選手にリードされていましたが、最終的に並び、逆転勝ちすることができました。試合中、リードされていたもののペースを崩さず、自分のスタイルで戦い続けたことが勝因だったと思います。この試合に勝ったことで、一気に勢いに乗れました。決勝で戦った熊谷選手は、去年の全日本フェンシング選手権大会で負けていたので、リベンジを狙っていました。今回の予選でも、熊谷選手と対戦し勝っていたので、積極的に私から攻撃を仕掛けていきました。いつも前半の試合展開は良くても、後半に自分の良いペースを崩してしまうのですが、今回の大会では気持ちがとても落ち着いていて、一本ずつ丁寧に試合に向かうことが出来ました。優勝してすぐは信じられませんでした。しかし周囲の人に祝福してもらい、徐々に実感が湧いてきました。

Q

リベンジも果たし、苦手だった試合後半の展開の崩れも克服出来たからこそ得ることのできた、意味ある優勝なのですね。ここまで成長するきっかけは何かあったのですか?

高橋

今年の1月にジュニアの日本代表に選ばれたんです。ジュニア日本代表になるには20歳までという年齢制限があり、今年20歳になった私にとって今回がラストチャンスでした。試合の結果、無事代表に選ばれジュニアの日本代表として2つの国際大会に出場することができました。

まず代表に選ばれてすぐ、1月末にスペインで開催されたジュニアワールドカップに参加しました。ジュニアワールドカップは私にとって初めての国際大会で、フェンシングが強いヨーロッパの選手相手に私の力は通用するのか不安もありました。しかし、当日はのびのび試合を行うことができ、世界でも私のフェンシングは通用すると確信しました。また、4月にはトルコで開催された世界ジュニアフェンシング選手権にも参加しました。この大会は、世界ジュニアクラスの最も大きい大会で、シニアの大会で活躍する選手も多く参加していました。それらの選手と実際に剣を交え戦ったことが、私には大きな刺激でした。

そこでは、特にアメリカの選手の動きに釘付けになりました。彼女たちは、サーブルで重要とされる足の運びが細かく、とても速いのです。私も世界で通用する選手になるため、彼女たちのようなスタイルに変えなくてはいけないと思いました。「もっと色々な技を習得したい!フェンシングをもっと知りたい!」その一心で、ビデオやDVD、インターネットで世界中のフェンシングの映像を見て研究を始めました。今までビデオなどでフェンシングを分析したことはなかったのですがその結果、自分の動きの弱点も改めて確認することができました。世界に出て刺激を受け、良いものを取り込んだ結果の成長だったといえますね。

Q

日本代表として、世界大会に参加したことで高橋さんのフェンシングを改めて分析し、改善したことも、今回の優勝に繋がったのですね。では、今後の目標を教えて下さい。

高橋

今後の目標は、日本代表のトップクラスであるナショナルチームに入り、色々な国際大会に出場することです。ナショナルチームに選抜されるためには、12月中旬に行われる全日本フェンシング選手権大会と3月に行われる予定のナショナルチーム最終選考会で優秀な成績を修めることが必要です。

そのために今は、遠距離からも攻撃出来るように特訓をしています。また、サーブルは試合展開が速いので、終始落ち着いて試合展開が行えるように精神面をもっと強化していきたいです。アメリカの選手のようなフットワークや攻めが出来るよう研究を重ね、日本代表として世界で活躍していきたいです。

取材・文安藤賀菜子(文学部1回生)
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