「今までのCMとは違うものを作ろう」という思いが強くありました。既存のものを踏襲しただけでは面白くないと思ったんです。また、学生らしさ・学生の視点を大切にして、自分達の作りたいCMを作れる絶好のチャンスでもありました。ただ、「学生レベルを超えたものを作ろう」という思いは全員が共通して持っていました。
今回私達が焦点をおいたのは、「馬本来の美しさ・内面の美しさ」です。それまでのJRAのCMを見ると、競争馬の力強さに焦点がおかれていると感じました。同志社大学の映像作品もそれに近いものでした。しかし、プロジェクトメンバーの林祐太君、三牧航君、矢部祥平君、中村優一郎君(4人とも「NORIJI STUDIO」の3回生)のマーケティング調査から、「本物の馬の美しさ」を表現する必要性がわかりました。他の作品とは別の切り口を持つためにも、私達は馬と人の交流を描き、そこから人の心を動かす馬そのものの美しさを表現したかったんです。そのような思いをカタチにしようとし、行き着いた作品タイトルは「だから、馬は美しい。」でした。
PR映像の撮影舞台である隠岐ノ島(島根県隠岐郡西ノ島町)は、プロジェクトメンバーの一人、森山勝心さん(佐藤ゼミOB)の提案でした。現地を訪れてみると、豊かな自然が残っていて、放牧されている馬たちの美しさが印象的でした。隠岐ノ島を題材にした映像はこれまであまりなかった点も良かったと思いました。ビジュアル面でも、新鮮味の面でも「ピッタリだ!」と感じました。森山さんには制作の全てにおいてお世話になりました。私より2つ年上なのですが、「自分も2年後にはこれぐらい仕事ができる人でありたい」と思いましたね。 |