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可知健太郎(かち・けんたろう)
政策科学部3回生
立命館大学国際部国際協力学生実行委員会 旧代表

高山千晴(たかやま・ちはる)
国際関係学部2回生 
立命館大学国際部国際協力学生実行委員会 新代表
可知健太郎
高山千晴
「ぼうさい甲子園」という防災活動に取り組む学生や生徒たちを表彰するコンテストがある。
立命館大学国際部国際協力学生実行委員会(以下、国際協力学生実行委員会)は
スマトラ沖大地震・被災地支援の活動をきっかけとして、防災に関する取り組みをはじめ、今回、同コンテストにて奨励賞を受賞した。
どのような取り組みが受賞につながったのだろうか?
今回は、国際協力学生実行委員会の旧代表である可知健太郎さん(政策科学部3回生)と
新代表の高山千晴さん(国際関係学部2回生)にお話を伺った。
Q

この度は、「ぼうさい甲子園」奨励賞受賞おめでとうございます。今回、国際協力学生実行委員会のどのような活動が受賞につながったのですか?

可知

今回受賞した内容は、06年5月に起きたインドネシア・ジャワ島中部地震で被災した、インドネシアジョグジャカルタ特別州カラキジョ地区での防災教育です。この支援は、受講者向けの教材を作るところから始めたのですが、地震のメカニズムや地震が起きたらどの様に対応すべきなのかを地域のリーダー層に知ってもらい話し合って、実行してもらおうと考えたのです。そこで、カラキジョ地区の婦人会や自治会、宗教指導者、学校の先生などに対して、防災に関する企画を行いました。インドネシアでは、「防災」という概念自体がなく、なかなか受け入れにくいものがありました。私たち自身も、防災についての専門家ではないので、防災について正確に理解し、伝えていく必要がありました。またインドネシアと日本では、文化や宗教、習慣が全く違う点には苦労しましたね。例えば、宗教指導者の方は「災害は神からの試練である」という考え方を持っておられたので、私たちも伝え方や内容については何度も検討し工夫を凝らしました。

高山

最初は苦労しましたが、こちらが親身になって伝えていくうちに「防災」というものを受け入れていく人も出てきたんですよ。例えば、学校の先生は「自分の生徒を災害から守りたい」という気持ちが自然に出てくるようになったり、婦人会の方々は家庭の身近なところでの防災に意欲を見せてくれました。また、自治会のメンバーは自分たちが地域のリーダーであるという自覚が強く、自分たちが地域住民たちに防災というものを伝える大切さを理解してくれました。また現地で活動をサポートしてくれた国立ガジャマダ大学の教員や学生の存在もとても大きかったです。2008年の春にもカラキジョ地区を訪問しますので、その時は地域の人々にもっと主体的になって活動してもらうことが目標ですね。

Q

今後も継続してインドネシアで防災教育をされるのですね。次に国際協力学生実行委員会の誕生のきっかけや、今後の目標などを教えてください。

高山

もともとこの団体は、2004年12月のインド洋大津波で被害を受けたアジアの国々を立命館学園として支援しようということで立ち上げられた団体です[当時の活動の内容はこちら→リンク]。スリランカとインドネシアで、「学校再建プロジェクト」を行う立命館学園と協力しながら、子ども達との交流を通じた被災地支援を行ってきました。2007年3月に校舎の再建が完了し、学校再建事業は一段落しましたが、私たちは現在の名称に変更し気持ちを新に活動しています。現在は、子どもたちへの教育支援と地域コミュニティの開発を基本的な活動方針としています。ちなみに、今回の受賞は、「地域コミュニティを対象にした防災教育」を評価していただきました。

可知

また、週に2回勉強会と定例会議も行なっています。防災の教材もこの勉強会をもとに作られたものです。私たちは、子どもたちへの支援を積極的に行っており、日本の小学生と現地の小学生が繋がりを持てる活動も展開しています。また、APUに「愛の波」という団体があり、そちらとも連携しながら活動を行っています。

私たちは学生団体ですので、知識や経験などを人の移り変わりのなかで、積み上げていかねばなりません。「学生である私たちには何ができるのか?」ということを常に考えて、前に進み続ける団体でありたいですね。

[リンク→]立命館大学国際部国際協力学生実行委員会ホームページ

取材・文李 亘(法学部2回生)
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