地域と深く関わりをもつ立命館大学。これまで蓄積されてきた研究の成果を、幅広く地域の皆さんにも知ってもらおうと、各キャンパスで公開講座が開かれています。
その中で講義回数が2878回(12月6日の取材当時)と圧倒的に多く、62年たっても、なお続けられている公開講座「立命館土曜講座」があります。

この講座では多くの市民の方々や学生のみなさんに、大学の幅広い研究の成果を知ってもらうのと、生涯学習の場として「大学の研究成果を広く社会に還元する」ことを目的に開催されているものなんです。今回は、その様々な魅力について、人文社会リサーチオフィス 斉藤さんにお話を伺いました。

『土曜講座は、1番最初に講義を担当された故末川博名誉総長以後、様々な先生方が講義を行い、幅広い知識を紹介しています。毎月のテーマは「土曜講座運営委員会」という委員会と、衣笠総合研究機構に属する人文科学研究所や各研究所の先生方とで「現代社会に即したテーマ」を設定していただき、コーディネーターの先生より該当の学問分野の識者の方々を紹介していただいています。またコーディネーターの先生自身が講座を担当される事もあります。

聴講者の方々は、毎週大体80~90人、多いときで120~130人にもなります。
在学生のみなさんの他にも、毎週講座を楽しみにしておられる地域住民の方々など、数多くの方がいらっしゃいますね。また他大学の公開講座と比べ、「現代社会に即したタイムリーなテーマ」について、その専門分野の先生の話が聞け、講師の先生へ質問する時間も設けられています。

例えば、来年度の裁判員制度をうけて、2008年6月には「<特集>いま裁判を考える」をテーマに、当たり前のようでよく知られていない日本の裁判のしくみや特色をわかりやすく講義で紹介したり、2008年9月には、「改革開放政策30周年を迎えた中国社会の現状と課題」をテーマに、北京オリンピックや食料品の問題など様々なニュースが話題になった、今の中国の現状と問題点を読み解いていったりしました。

またその月には、北京五輪で福田前首相の通訳を勤められた、外務省アジア大洋州局 中国・モンゴル課課長補佐の岡田勝氏なども講師として来られ、「中国の改革開放と日中関係」というテーマで熱のこもった講義をしていただくなど、第1線で活躍している実務者の方に来ていただいています。また、立命館大学の先生だけではなく、学外からも様々な講師の方々が来られて講義をされるのも魅力の1つだと言えますね。

また先生と受講生の距離が近いことも人気の理由。敷居が高くないので聴講者の皆さんが主体的に関わってもらえている場だと思います。講義終了後には質疑応答の時間を30分設けていますが、熱心に質問される方が多く、時間をオーバーする事もしばしばあるんですよ。

「土曜講座」には様々な角度から皆さんの知的好奇心を刺激する機会があります。
自分の知識を深められる絶好の機会なので、是非1度、見にきて下さいね!』

場所:立命館大学 末川記念会館講義室
日時:毎週土曜日 午後14時~16時(月によっては休講の場合もありますので、事前に
ご確認下さい)
備考:駐車場はございませんので公共交通機関でお越し下さい。
聴講料無料・事前申込不要です

→ 立命館大学土曜講座ホームページ(講義スケジュールはこちら)

 

その他にも大学内で開催されている様々な公開講座について調べてみました。

朱雀キャンパスでも、現在「公開講座」が行われています!
これは立命館大学内の教授や学外からの講師によって選ばれた映画を元に、実際に映画を見ながら、その映画に込められた想いを講師の先生と一緒に「読み解いていく」というものです。今年11月8日(土)の第1回目をスタートに、1ヶ月に1回、現在は「シリーズ1 家族の現在」と称し家族を題材にした映画を上映中。そちらも是非お越し下さい!
場所:立命館朱雀キャンパス5F大講義室(ホール)
時間:13時会場 13:30開映(終了予定16:30)
金額:一般800円 立命館大学職員・学生 500円
※事前予約は受けつけておりません。チケットは当日会場にてお買い求め下さい。
→ 講義スケジュールはこちら

またBKCキャンパスでは、毎年「びわこ講座」が開催されています。
この講座は、草津市などの市民の方々に生涯学習の一環として、草津市と草津市教育委員会・立命館大学が連携して1994年から開催しているもので、これまでに延べ4,000人以上の市民が受講されています。2008年度は「ライフサイエンスの展望」というテーマで、2008年10月4日(土)~11月29日(土)の間、毎週土曜日に開催されました。
→ 今年の行われた「立命館びわこ講座」の記事はこちら
→「立命館びわこ講座」スケジュール(BKCキャンパス事務課ホームページ)

このような各講座は、事前の申込等が必要な場合があります。
必ずご確認の上、ご参加下さい!

 

学生広報スタッフが公開講座を聴講取材しました!

今回、学生広報スタッフが岡本直子准教授(文学部心理学専攻)の公開講座「イメージと表現-ドラマの観点から-」に潜入し、聴講取材をさせていただきました!
「投影ドラマ法」という方法から心理臨床の研究に取り組まれている岡本先生。
クライエントが抱える「自分自身」の問題は、「私」という役割を通して表現される側面と「私以外」の役割を通して表現される側面があります。今回の講座では、この様な治療的な体験へとつながる表現を「ドラマ」と称し、心理療法における表現の意味を演劇との類似性に焦点づけ、分かり易くお話しいただきました。今回この講座を聴講し、様々な世界や知識があるのだというのを感じることができました。

また、今回、講義を聴講されていた学生のみなさんにもお話を伺いました。

文学部3回生 前川恵里奈さん
もともと心理学を専攻しており、岡本先生のゼミ生なので聴講に来ました。ゼミの中で既に教えていただいた事でも、今日は内容をより深く知ることが出来たり、色々と新たな発見があり,参加できてよかったと思います。

文学部5回生 赤川いづみさん
同じく岡本先生のゼミ生なのですが、心理学専攻なので、過去にも何回か心理学系の土曜講座を聴講したことがあります。内容は興味深かったですね。また一般の方々も多く聴講されている為か、普段と違う先生の姿が見られて新鮮でした。機会があればまた来たいと思いますね。