「深草校舎Archives」卒業生有志の制作ストーリー

懐かしい深草校舎を好きなように歩き
誰もが「あの頃」に戻ることのできる
デジタルアーカイブへ、ぜひお越しください

2025年10月24日、立命館中高120周年サイトの「Special Contents」として、「深草校舎Archives」が公開されました。1988年から2014年までの26年間、多くの卒業生が過ごした深草校舎。今はもう見ることがかなわないその風景や校舎の中までも、まるで自由に歩いているような感覚で「体験」できるものです。

制作を手がけたのは、卒業生有志の方々です。深草校舎移転の報を聞き、中高時代を過ごした校舎を未来に残したいとの一心で、自主的に、移転前の校舎をデジタル活用できる形で撮影していました。それから約10年、卒業後25年目を迎える年に、清和会担当学年のプロジェクトとして、このデジタルコンテンツ「深草校舎Archives」を制作・公開する運びとなったのです。

卒業生の母校愛から生まれた「深草校舎Archives」。発案者である卒業生3人を中心とした10年ごしの制作ストーリーをご紹介します。

01

自分の原点に帰れる深草校舎を、
何らかの形で残したい!

2001年に立命館高校を卒業した同級生のFさん、Iさん、Kさんは東京在住。社会人になってからも、頻繁に会って食事をする仲です。2013年のある日、いつものように3人で集まると、Iさんから衝撃的なニュースが伝えられました。

  • 学校が深草から移転するらしいよ!

中高時代という時期を過ごした母校は、卒業生それぞれの「原点」となる場所。Iさんは「卒業後もあの地に戻ると、一気に記憶が蘇って忘れてしまっていた当時の気持ちが思い出されるんです」と振り返ります。そんな母校にもう訪れることができなくなると聞いて「何らかの形で残せないかな」と話したのが、『深草校舎Archives』プロジェクトの最初の1歩となりました。

Fさん、Kさんも共に深草校舎で学んだ同級生です。Iさんの言葉に心を動かされないわけがなく、早速行動を開始。
当初は写真集制作の話も出ましたが・・・

  • Iさん

    せっかくなら深草校舎にいるみたいに『体験』できる形がいいと思う!どうすればいいかな?

  • Kさん

    最近始まった、お店の中の様子を360度パノラマで閲覧できるデジタルサービスが使えるのでは?

  • Fさん

    それなら、デジタルで使えるように撮影しておく必要があるね。一度学校にお願いしてみようか

こうして3人は、卒業後も連絡を取り合っていた清和会学年会代表幹事の大山牧子さん、立命館中高教諭福岡健司先生(いずれも2001年卒業)を通して学校から撮影に関する快諾を得、京都在住の同級生の協力も得て、深草校舎で最後となる2013年の夏休みに、約70枚のパノラマ画像を撮影することができました。

02

アーカイブ制作の日々は、
まるで
高校時代の続きのように感じられた

撮影はできたものの、どのような場所で、どのような形で公開するのかは未定でした。「撮影できたことで一旦満足してしまったのかもしれません」(Fさん)。3人とも忙しい社会人。今後について学校と協議する時機をうかがっているうちに月日が過ぎていったといいます。

休止状態にあった3人の取り組みが再び動き出したのは2024年。卒業25年目の卒業生が務める清和会担当学年を翌年に控えた年でした。「担当学年のプロジェクトとして深草校舎の姿を残そう」という学年委員長の発案で、撮影した画像を活用して深草校舎のアーカイブを制作・公開することになったのです。パノラマ画像をつなげて、まるでその場に立ち、歩いているような視点で360度見渡せる形のアーカイブ。懐かしい校舎や校庭の姿をリアルに感じることができ、教室の中にも入れます。

再びエンジンをかけ直した3人。システム開発の仕事をしているKさんが、しまいこんでいたパノラマ画像を使ってプロトタイプを制作し、IさんとFさんが見せ方の詳細を検討しました。「自分の足で歩いて、こっちへ曲がってみよう、ここに入ってみようという体験ができる動線を考え、Kくんに次々とリクエストしていきました」(Iさん)。

頻繁にオンラインで意見を交わすうち、それぞれの心に、高校時代に3人で文化祭のパンフレットを制作した思い出が蘇ってきたといいます。

深草校舎Archives 画面イメージ 外観
深草校舎Archives 画面イメージ 廊下
  • Fさん

    時間を忘れ、夢中になって取り組んだ経験を思い出しました。あの頃の続きみたいな、不思議な感覚でした

  • Kさん

    僕が初めて触ったパソコンは、Fくんの家のMac。彼の家で、3人で朝まで作業したことを思い出しました。あの楽しかった経験が、今の仕事にもつながっているような気がします

  • Iさん

    お互いの得意分野を活かしながら試行錯誤していたあの頃の関係性が今も変わらず続いていて、2人には本当に感謝しています

03

今も変わらぬ学校からの
あたたかい応援。
その校風が、
今の3人にも活かされている

2025年10月24日、立命館中高創立120周年記念特設サイトに「深草校舎Archives」が公開されました。翌日開催された2025年清和会総会・懇親会でも発表され、多くの卒業生が、オンライン上の懐かしい深草校舎を訪れています。

「深草校舎の姿を残したい」との思いから始まった取り組みが、清和会という卒業生全員をつなぐ組織のプロジェクトとして結実した今、それぞれの思いを聞きました。

  • Fさん

    担当学年をきっかけにこのような形で公開できて本当に良かったと思いました。同級生の中に、卒業後も学校と関わり続けてくれる人がいて、Iさんみたいに熱い母校愛を持つ人もいて、連絡を取り合ってきたからこそ、このプロジェクトが実現できたのだと思います。アーカイブを見ていると、大階段の記憶、秋の下校時のマジックアワーが思い出されて、この感じが好きだったなあと改めて思いました。

  • Iさん

    私が懐かしさを感じるのは、みんなで集まっていた教室の前とか、廊下の片隅とか、何気ない場所なんです。このアーカイブでは校舎内を自由に歩けるので、卒業生の皆さんそれぞれの思い入れある場所を見ていただけるのではないでしょうか。立命館の良さは、生徒の自主性を重んじて活動を応援してくれるところだと思っています。今回のプロジェクトに関しても、学校からあたたかく応援をいただき、変わることのない母校を感じられてとても嬉しかったです。

  • Kさん

    大階段を左に上って進むルートを、卒業生が当時の記憶を懐かしめるよう忠実に再現するなど、卒業生ならではの楽しみ方ができるよう工夫したつもりです。私を含め、いろいろな個性的な服装や髪型をしていた人もたくさんいましたが、先生方には自己表現として受け入れていただいていたように感じています。それがとてもありがたかったと今改めて思いますし、3人それぞれの現在にも活かされていると思います。

制作した卒業生からの
メッセージ

「深草校舎を未来に残したい」という思いから
深草校舎最後の夏休みに撮影した
校内約70カ所の画像。
この度、多くの方々のご協力をいただいて
デジタルアーカイブとして
公開することができました。
ふと母校に帰りたいと思ったとき、
夜中でも、仕事場からでも、
気軽に訪れることができ
誰もが「あの頃」に
戻れる場所になればいいなと思います。
ぜひ「深草校舎Archives」へお越しください。
懐かしい風景とともに、
あの頃の空気を感じてもらえると嬉しいです。

「深草校舎Archives」は
以下からご覧いただけます。

深草校舎Archivesを体験する
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