「薬の作用を理解する」、「薬を正しく使う」、「薬を創る」の3つのカテゴリーを学べるように、専門科目を配置しています。
医療人としての心構えを学ぶことにはじまり、物理・化学・生物の基礎をしっかりと身につけた上で、化学系・生物系・医療系薬学の専門科目を履修していきます。
教養科目で幅広い知識を身につけるとともに、薬学導入科目で薬学の基礎に触れ、年次ごとに化学系、生物系、医療系薬学を基礎から高度なものまで系統的に学びます。また、卒業研究では特定のテーマに基づき研究を行い、論文として発表を行います。
薬学科学びのフロー図
早期体験学習
1・2回生から薬剤師や薬品に関わる仕事を体験して、将来のビジョン形成につなげる
入学後、事前学習を経て、全員が企業・病院・薬局の3施設を訪問して、現場で働く人の声を聞きます。最終講義日に実施する報告会では、グループごとにプレゼンテーションを行い、活発な意見交換を通じて理解を深めます。自分たちが卒業後薬剤師として活躍するさまざまな職場を見学・体験することで、薬学部生としての意識と大学6年間の学習意欲を高めます。また、医療現場において、思いやりの心とコミュニケーションの重要性を認識し、医療における薬剤師の役割の重要性を確認します。
小集団での実践型教育
小集団の中で医療人としての基本を学ぶ
本学では、1回生から2回生まで切れ目のない小集団教育を行うため、「薬学基礎演習A・B・C」、「コミュニケーション演習」、「薬学概論」、「薬学応用演習」という科目を配置しています。これらの科目では、福祉施設の訪問やハンディキャップ体験のほか、人体解剖見学実習(滋賀医科大学で実施)などの実践型教育を行います。小集団でのグループ討論や実際の体験などをつうじて、内省的な思考や自発的な気づきを促すことで、医療人としての基本を学ぶことができます。
アドバンスト科目
薬剤師としての力量を高め高度な専門知識と技能を備える
病院・薬局実務実習の前後にあたる4回生および6回生では実践的で多様な内容を含むアドバンスト科目を履修します。アドバンスト科目は、卒業後に希望する進路に応じて科目選択を行い、職業人として活用できるより高度な知識を修得します。科目選定の参考として以下4つの履修モデルを設定しています。
実習プログラム
約5カ月間の病院・薬局での実務実習を通じて薬剤師の仕事や責任を学ぶ
4回生後期からは学内の模擬薬局内で「実務前実習」を受講します。実務家教員および医師免許を有する教員の指導のもと、薬剤師としての行動や倫理観について実践を通してしっかりと学びます。また、4回生後期にある「薬学共用試験」に合格した学生は、5回生から病院で2.5カ月、薬局で2.5カ月、計5カ月にわたり「病院・薬局実務実習」を体験します。医療現場の第一線で、薬剤師に求められるスキルや役割についてより具体的に学び、薬剤師として相応しい技能や態度についても実践を通じてしっかりと学びます。
薬学総合演習と卒業研究
6年間の学びの集大成。
勉学と研究の両面を実践的に理解する
6回生時には、3回生後期より3年間実施する「卒業研究」の成果を卒業論文にまとめ発表します。また、6年間の学びについて総合的に理解を深めるため、演習「薬学総合演習」を開講しています。薬学部全専任教員による講義と演習が実施され、入学時から学習した内容について総合的に復習することができます。医療現場で必要となる知識・技能を確実に修得して卒業します。
創薬科学科学びのフロー図
創薬に関する基礎知識の獲得
数学や物理学、化学などを学び、科学的な思考力を育成
英語科目や総合大学ならではの幅広い分野にわたる教養科目の履修に加え、数学・理科の基礎科目により、土台を築きます。また、並行して化学系薬学を中心とした専門科目も開始されます。「創薬科学基礎演習」では、Small Group Discussion (SGD)を通して製薬企業や研究機関でどのような仕事、研究、あるいはその他の業務が行われているかを調査・議論した後、企業や研究機関を訪問して実際の創薬のプロセスや研究機関の役割について学び、結果をまとめてプレゼンテーションを行います。
化学系薬学科目・生物系薬学科目
専門領域を学ぶ科目が本格的にスタート
化学系薬学、生物系薬学、医療系薬学の専門領域を系統的に学習するとともに、有機化学実習や物理化学実習といった実習を受講します。これらの科目や実習の履修を通じて、3回生で配属される卒業研究室で研究を行うための基礎を習得します。
履修モデルに沿った系統的履修
専門科目の系統的履修
専門科目に医療系薬学科目が加わり、各専門科目をバランスよく学習します。科目選択の参考として化学系創薬研究者、生物系創薬研究者、臨床開発・公務員の3つの履修モデルを設定しています。モデルに沿って履修することで、将来の進路を見据えた確かな知識・技能を修得します。また、秋学期からは配属された研究室で、自らの関心あるテーマに沿って卒業研究に取り組みます。
卒業研究
4年間の学びの集大成
これまでに修得した知識や技術を活かし、卒業論文の完成を目指します。また、「食品化学」や「次世代創薬」といった、より専門性の高い科目も受講可能です。卒業後は多くの学生が大学院に進学し、「薬を創る」分野・領域をより深く学び、高度な専門知識と研究能力を身につけ、企業や研究機関で活躍することが期待されます。