2014年 静岡県立大学薬学部薬科学科 卒業 2016年 静岡県立大学大学院薬食生命科学総合学府 博士前期課程薬科学専攻 修了 2019年 静岡県立大学大学院薬食生命科学総合学府 博士後期課程薬科学専攻 修了
人々の健康に携わることが夢 配属の研究室は「分析化学」を選びました。その研究室では、当時の先端技術であった液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS)を用いた『オミクス, Omics』が卒論テーマとなり、熱中して実験していた頃を思い出します。 Omics研究は、薬学部で学ぶ「有機化学」や「統計解析」が必要です。もちろん、「分析化学」の知識も求められますが、何よりも熱意をもって夜通し実験したり、データ解析したり、同期生と励ましあったり、そんな日々を送ってきました。その甲斐あって、大学院の研究成果が、「分析化学」のトップジャーナルにアクセプトされ、飛び跳ねるほど喜んだことが昨日の様に思い出せます。 このような学生時代に培ったスキルを用いて、博士学位を取得後、国内製薬企業の研究者として、薬の創生に関わる仕事をしてきました。次のステージは学生たちと喜びを分かち合える大学の研究者を目指します!
Omicsアプローチによる病態の解明・早期診断への展開
LC-MSとデータサイエンスを駆使し、in vitro/in vivo解析に加え、臨床現場への応用を目指す。
昨今の新薬開発市場は、命に関わる病気へアプローチし、病気と闘い寿命を延ばすという方向へ面舵が切られています。 しかし、私は「予防医学」を社会へ還元することで、人々の健康に携わることを目指したいと考えています。 「予防医学」とは、健康あるいは軽症のうちから、薬物治療などの介入を行い健康寿命を延ばすという考え方です。 軽い症状や僅かな体の変化を診断する、つまり超早期健康診断のようなものが実現できれば、既存の薬などを利用して、難病(例えば、認知症、がん、糖尿病、免疫疾患など)にアプローチできます。 Omics的アプローチの手法を深化させ、様々な病態に適用していくことで、病気の指標を余すことなく分析していくことで、人々のウェルビーイングに貢献していきます。
セレンディピティを大事にしてほしい
大学は様々なことを経験できる場所であり、それは必ずしも勉強や研究に限りません。 友人とかけがえのない思い出を作るのも良し、研究に没頭するのも良し、すべては「自分」を主体に道を決めていくことができます。 学生の皆さんには、そのかけがえのないときから醸成される、セレンディピティを大事にしてほしいです。 例えば私は、偶然好きになった大人気ゲームソフト「ポケットモンスター」の個体値厳選から統計を学び、それが今の研究に生きています。 偶然「好きになったこと」は何かに生かせる!これを日常的に考えることは研究力だけでなく、将来皆さんが仕事していくための源になる確信しています。