・2013 摂南大学 薬学部 卒業 ・2017 大阪大学薬学研究科 医療薬学専攻 博士課程 修了
我々を構成する細胞は200種類以上存在し、細胞内で発現する遺伝子やタンパク質の違いによって区別されています。「どうして細胞ごとで遺伝子発現が違うのか」、「どのように遺伝子発現が規定されているのだろうか」と疑問に思ったのがきっかけです。そこから苦労しながらも自ら行なった実験で新しいことが明らかになっていく達成感や、想像した仮説が正しいのかを実験して検証する行程がどこかパズルをしているような感覚が面白く、研究を行なう上でのモチベーションになっています。
組織線維化に対する治療法の開発とその機序の解明
組織線維化が生じた疾患モデルマウスに遺伝子発現を制御することで組織線維化を治療出来るのかを、組織学解析や分子生物学的手法を用いて明らかにしていくことを目指しています。
線維化は、各臓器に存在する実質細胞の欠落、過剰な細胞外マトリックス蓄積や線維芽細胞の増加によって組織構造が大きく変化することで、臓器固有の機能が障害されます。肝臓、腎臓や心臓など様々な臓器で生じた慢性炎症の末に不可逆的な機能不全状態であるため、治療は困難であると考えられてきました。一方で、線維化が可逆的である事例も報告され、治療の可能性が示されていますが、現時点では線維化に対する治療方法は存在しません。また、がん細胞の増殖においても線維芽細胞が関与していることが知られています。線維化やそれ関わる線維芽細胞に注目して新規治療法を研究することで、薬学研究者として医療の発展に貢献したいと考えています。
充実した大学生活に向けて
大学学生の間は、勉学を始め部活動やバイトなどでいろんな人と出会い、楽しいこと、面白いこと、辛いことや困難なことを経験をすると思います。是非、今のうちに多くのことを経験して欲しいと思います。この経験は就職や人生選択において役立つはずです。 薬学部を卒業するためにも、科学の基礎から薬物治療まで多くのことを学び、学生実習や実務実習では自らの手を動かして体験し、レポートや定期試験といった課題を乗り越えなければなりません。さらに、卒業研究では答えのない問題に取り組む必要があります。しかし、友達や研究室のメンバーと濃厚な時間をともにしたり、したいことに没頭することができるのはこのときしかありません。 学生の皆さんが様々な経験を通して成長することをサポート出来ればと思っています。