1971 富山大学薬学部 卒業
薬剤師になったきっかけは、父親から「女性も仕事を持つべきで、それには資格が必要となる職業が長く続けられる条件である」と言われたからです。深くは考えていませんでした。卒業時には資格を必要としない企業に就職しましたが、その後、再就職のときに「薬剤師」という資格の重さを実感しました。先生と呼ばれるおもはゆさを背中に感じながら、だんだんとそれにふさわしい人間になろうという自覚が芽生えていったように思います。 薬剤師という職業について、世間の評価が低いのか高いのか、薬局薬剤師をしているとさまざまなケースに出会います。その都度自信を失ったり、薬剤師の冥利を味わったりしていますが、それらの評価に惑わされず、生涯が自己研鑽で、人々の健康を願うことこそが使命なのだという思いに至っています。
6年間の苦労はいずれ高く評価される
薬剤師養成の課程が6年制になってからの学生の勉強量は半端でなく、4年次の実務前実習だけでも大変な量になります。それらに取り組んでいる学生たちには頭が下がる思いです。社会に出てから、いずれそのことが高く評価されるときが来ると思いますので、自信を持って生きていってほしいです。もちろんそれは常に学ぶ姿勢に裏付けられたものであり、単なる自信過剰であってはなりません。5年次に実務実習で多くのことを学ぶことになりますが、それらをすべて糧として、医療人としての生き方を模索していってほしいです。薬剤師の業務は、今大きく変わろうとしている過渡期ですので、それぞれがさまざまな生き方を選ぶよい機会になると思います。