2010 近畿大学農学部 卒業 2016 近畿大学院農学研究科応用生命化学専攻博士課程後期課程 終了
学生時代所属した研究室で除虫菊(殺虫剤原料)の生合成酵素遺伝子に関するテーマに取り組みました。 非モデル植物であり、一度は表舞台から姿を消した研究材料であったため、生合成を支配する遺伝子情報は未知の領域が多く、遺伝子組み換えを目的とした組織培養系は立ち上げから始めることになりました。実験条件を一つずつ決めていくのは大変でしたが、反面ある程度自由に研究を進めていけた環境がきっかけの1つだと感じています。
薬用植物の二次代謝産物探求と生合成経路の解明
遺伝子解析から薬用植物が生産する有用二次代謝産物を見つけ出し、生合成経路を解明することで効率的な生産系の確立を目指します。
人類は植物の恵みを受け、発展を遂げてきました。農作物、衣料や家屋の材料、工業原料、さらには薬として利用されてきました。近年の遺伝子解析技術・分析技術の向上にともない、これまで知られていなかった二次代謝産物が報告され、様々な生態系の現象が少しずつ明らかになっています。 薬用植物から一つでも多くの、面白い現象につながる化合物を発見し、日々の暮らしの中で有効利用を考え研究しています。
幅広い知識の獲得や情報収集能力を高め、論理的に問題解決
薬用植物の新規酵素探求プロジェクトに関わった折、それまで想像もしていなかった膨大な遺伝子情報に触れました。RNA-Seqで得られたデータは量もさることながら、その質の高さに日々驚かされています。今後さらにオーミクス(Omics)的手法を取り入れた研究が進展、加速していくことが予想され、専門分野を持ちつつ、全体の事象を理解できる幅広い知識を有することが必要不可欠です。学生が講義や実習、研究室での活動を通して、幅広い知識の獲得や情報収集能力を高め、論理的に問題点を解決できるようになるためのサポートを心掛けています。