1987年 摂南大学 薬学部 衛生薬学科 卒業 2013年 奈良県立医科大学院 医学研究科 医科学専攻修士課程 修了 2019年 博士(医学)号 取得 (奈良県立医科大学)
学童期、特段強い興味やエピソードもなく、ただ漠然とした憧れで薬学部への進学を希望しました。当時の学生時代は薬学教育といえば基礎系重視の偏重であったように感じましたし、臨床系への取り組みはかなり希薄だったように思います。薬剤師国家試験合格を主目的にした勉学に時間を費やしてきたのも事実で、患者、他職種、病態生理、薬効等に着目した臨床薬学関連教育がもっと充実すべきだったと思っています。臨床に則した業務が展開できる病院薬剤師への好奇心が、その頃から育まれてきたように思います。
実務実習においては机上の学習だけでは得られない貴重な経験を通して、人間的に大きく成長してもらいたいと思います。
かつて病院薬剤師は”顔の見えない職種”と言われ続けてきた時代があります。 薬学教育が6年制へ移行し、より質の高い薬剤師が臨床現場等に必要とされる時代が到来しました。特に臨床現場では、患者の体の中で何が起こり、どのような効果や副作用が発現しているのか、薬学的に推理・検証する能力を身につける必要があります。実務実習においては机上の学習だけでは得られない貴重な経験を通して、人間的に大きく成長してもらいたいと思います。新興感染症禍を乗り越え新たな時代を迎えつつありますが、社会は複雑性や不確実性が増し、近未来でさえ予測することが益々困難となりつつあります。様々な制限がある中小病院の病院薬剤師が経験してきたことを、僅かでも学生の皆様に伝えていきたいと考えています。6年制薬学教育を修了した薬剤師が逆境に負けず、力強く様々な困難を乗り越え、それぞれの現場で大いに活躍してもらえることを願っています。