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教員紹介

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谷浦 秀夫 谷浦 秀夫
谷浦 秀夫
教授
Hideo Taniura
所属学科
薬学科
研究室
神経化学研究室
専門分野
生物系
学位
博士(医学)

経歴概要

出身大学院・出身大学他

1983 防衛医科大学校卒

研究者になったきっかけ

研究者になったきっかけ

 もともと英語が好きで、ちょっとでもいいから海外で研究生活をして、周囲が完全な英語環境で暮らしてみたいというのが望みでした。その後のことは全く考えませんでした。それはそのときになったら考えようと思っていました。希望は叶えられ、苦労もしましたがそれなりに楽しみました。たまたま、海外生活の終わり頃に今でいう助教のポストの誘いがあったのでそのままズルズルと続けているのが現状です。

研究について

研究分野・テーマ

神経発達障害疾患関連遺伝子の機能解析

 神経発達障害疾患であるPrader-Willi症候群の原因候補であるNecdinとその関連遺伝子の機能解析を行なっています。  Prader-Willi症候群では脳の特に視床下部の発達障害が認められるのですが、そのなかでも摂食行動についてNecdin遺伝子ノックアウトマウスを用いて解析しています。また、Necdinがマウスの毛色にも関係している可能性についても調べています。そのほかに、Necdin遺伝子の進化的な祖先遺伝子であるNse3とその関連遺伝子についてもモデル生物である細胞性粘菌を用いて調べています。タンパク質の機能はリン酸化など様々な修飾で調節されていますが、そのなかでアセチル化について調べています。Necdinが脱アセチル化酵素である」Sirt1と結合することから細胞性粘菌に発現するSir2遺伝子について機能解析を行い、どのようなシグナル機構に関与しているか調べています。

研究テーマへの想い

 とくに思いというようなものはありません。ただ、研究をやっていると、ときどきあっと思うような発見があります。これは第三者から見ると実に些細なことで、取るに足らないでしょうが、本人にはささやかな喜びがあります。  残念ながら、多くの場合はこの後の検証でダメだったりして落胆へと変わっていきます。それでも、稀に残ることがあります。この残るものが、些細なことではなく世界中の人もあっというようなことであればどんなに素晴らしいことでしょうか。これまでやってきたことで世の中の役に立ったことはありませんし、多分これからもないでしょうが、ささやかな喜びを論理的に検証していくことを地道にやっていくことが重要だと思っています。  研究の世界では個性が大事だと思っています。たとえ同じテーマで研究をしていても、真似をせずに個性を発揮すれば同じものにはなりません。だから、競争があるかもしれない分野でもあまり気にはしていません。必ず個人で視点が違ってきます。生物系の研究は、そういう要素がまだまだたくさんある宝庫だと思っています。

学生へのメッセージ

谷浦 秀夫 学生へのメッセージ 谷浦 秀夫 学生へのメッセージ

卒業してからできないようなことがこの時期にはできる

 学生の時に英語を勉強したくて、近くの教会に通ったことがあります。そこでは、Good Newsという聖書の英語版を読んでいました。  そこの牧師さんが英語を上達させるには英語の専門書を読むのが一番いいと勧められました。専門書だと小説などとは違って省略やスラングがなく、文法もカチッとした文章なので読みやすい訳です。単語も最初は苦労しますが慣れると限られたものしか出てきません。これに夢中になりました。最初は片っ端から辞書で単語を調べていましたが、だんだんと慣れてくるとどうでもいい修飾語など飛ばして早くなってきました。最終学年の頃には30-40ページを2-3時間で読めるようになりました。1週間で500ページ読んだこともあります。研究をやりだすと、論文のような短い文章しか読まなくなり随分と寂しい思いをしたものでした。ただ、歳をとって教育を始めるのに再び役に立ってきました。残念ながら未だに小説やNewsなどは読めません。こういうことができたのもその時期だけです。  歳をとってくると時間の立つのが早くなってぼやっとしているとすぐに夕方になってしまいます。大学生の時は不思議と時間がゆっくりと流れて随分いろんなことができました。催眠術もやりました、ビリヤードも結構やりました。  皆さんもこの時間がたっぷりあるときに何かやって見るのはどうでしょうか。卒業してからはできないようなことがこの時期にはできると思います。

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