2009 千葉科学大学薬学部 卒業 2011 千葉科学大学大学院薬科学研究科薬科学専攻修士課程 修了 2014 千葉科学大学大学院薬科学研究科薬科学専攻博士課程後期課程 修了
薬系大学への進学がひとつのきっかけとなっています。当初は、身近にあるのに知らない「薬の作用」に関する知識をつけるために選んだ進路でしたが、さまざまな難治性疾患における現状を知るなかで、一研究者として社会貢献することを考えるようになりました。 また、大学在籍時における指導教員との出会いや日本学術振興会特別研究員として採用されたことも、教育研究職に就くきっかけとなった出来事のひとつです。 学生時代にAlzheimer病と小胞体ストレスに関する研究課題として与えられて以来、神経薬理学の世界に身を置いています。
神経細胞動態抑制に対する分子薬理学的解析
発生過程において、神経細胞は脳内を移動しながら神経突起を適切に伸長し、高度な神経回路を形成します。神経細胞動態の異常は神経回路形成を障害し、重度の精神運動遅滞を呈することが知られています。 本研究では、難治性疾患の環境的要因の一つとして「小胞体ストレス」に着目し、神経細胞動態の抑制機構を解析するとともに、新規創薬ターゲットの探索に挑んでいます。
人工多能性幹細胞(iPS細胞)の開発やゲノム編集技術の発展に代表されるように、近年における分子生物学・生命医科学の進展は目覚しいものがあります。これに伴い、遺伝的要因に裏打ちされた稀少難治性疾患に対する研究開発も飛躍的に進展したが、環境的要因による疾患発症との関連については未だ不明な点が多く残されています。 本研究では、最新の科学技術を積極的に応用し、遺伝的要因と環境的要因の双方向から解析を行うことで、共通する根本的な原因の究明を目指しています。稀少難治性疾患に対する基礎研究を継続・推進し、創薬開発の一端を担えるように社会へと貢献していきたいです。
自ら考え判断し、行動できる力を身につける
教育面では「自主性・主体性を持った薬剤師の育成」を心掛けて学生と接しています。多様化する職能や医療の場において、自ら考え判断し、行動できる力は必要不可欠となります。また、社会人としてのスタートを切る際に、備えておきたい能力(必要な資格・免許や実績、語学力など)は学生個々人の進路によって異なってきます。早期から目的意識を持つことの大切さを伝え、日々の学生生活が有意義なものになるようにサポートしていきたいと考えています。