1981年 名城大学 薬学部 卒業
薬剤師になったきっかけは、両親や叔父伯母も薬局を開業しており身近に多くの薬剤師がいて、かかりつけ薬局として休みなく地域の健康に奉仕するために忙しく働いている姿を間近に見て育ったことが大きく影響したと思います。私の幼少期は病院の救急体制はまだしっかりと確立しておらず、また、現在のように深夜まで営業しているドラッグストアのない時代ですから、夜間でも病人やその家族に対応をしている両親の様子を見て育ってきたので、私も薬剤師として社会に貢献したいと考えていました。もともと小学校のころから理科は得意で、高校に入ってからは化学、生物は学ぶことが非常に楽しく科学的な考えや観察・実験には興味がありました。大学入学後は、さらに深く薬学的な観点からの物事の考え方を学び、研究を行い幅広い高度な薬学の専門知識を日々楽しく学んだ思い出があります。卒業後は、実家の薬局で働く道もありましたが、より多くの人々のために薬剤師として地域に貢献したいと思い、地元の公立病院に就職をして病院薬剤師の道を選択しました。
学生へのメッセージ
私は大学を卒業後、37年間、病院薬剤師として勤務しました。これから薬剤師を目指そうとしている皆さんは、病院薬剤師のことをどれくらいご存知でしょうか?病院在職中には、高校生の職場訪問や他職種の実習生の見学に対応しましたが、「病院薬剤師は何をしていると思いますか?」という質問をすると、残念ながら「調剤」以外の業務を知っている学生はほとんどいませんでした。しかし、平成24年頃から多くの病院で各病棟や外来に薬剤師が配置されるようになってから、徐々に入院患者さんや外来患者さんの「患者満足度調査」で薬剤師に対する高評価のコメントが多数見られるようになりました。以前は、高評価の職種は医師、看護師だけでしたが、現在では、薬剤師も薬の専門家として患者さんから信頼され医療人として活躍し、高評価を得ています。病棟や外来では、医師に処方を提案、副作用の発見など薬剤の適正使用に貢献して、他職種とチームで治療に臨んでいます。薬剤師が患者さんに寄り添い薬物治療に貢献することが、結果として薬剤師のやりがいにも繋がっています。 チームの中で働く病院薬剤師にとって必要な能力は知識と共にコミュニケーション能力は不可欠です。