2004 大阪大学薬学部総合薬学科 卒業 2006 大阪大学大学院薬学研究科博士前期課程 修了 2009 大阪大学大学院薬学研究科博士後期課程 修了
学生時代の授業を通じて新薬開発に携われる有機化学に興味を持ち、その知識を深め研究を行いたいと考え、有機化学を専攻しました。また、研究室での生活を通じて、大学での基礎研究の楽しさや新しい反応を見つけたときの喜びを感じたことが、研究者を志すきっかけとなりました。
新しい分子変換反応の開発と、生体関連分子の効率的合成法への応用
私の研究は、ヘテロ原子を含む化合物の新しい官能基化反応や糖誘導体に対する新規反応を開発し、医薬品や機能性材料の合成へ応用することを目的としています。これにより、環境調和型の合成プロセスや高効率な分子変換技術の確立を目指しています。
有機合成化学の醍醐味は、誰も知らない新しい反応を見つけ、分子の世界に新たなルールを生み出せることです。化学反応を自在に操ることで、創薬や機能性材料の開発だけでなく、環境に優しい持続可能な合成技術の構築にも貢献できます。私の研究では、含硫黄化合物の官能基化反応や糖鎖修飾反応の開発を通じて、従来の手法では実現できなかった選択的で効率的な分子変換を可能にすることを目指しています。特に、これらの新しい反応を用いることで、より簡便で高効率な医薬品合成プロセスの確立や、新しい生理活性分子の創製に貢献できると考えています。研究は常に試行錯誤の連続ですが、その先には新しい発見の喜びがあります。最終的には、教科書に載るような革新的な反応を開発し、次世代の有機合成技術として確立させることを目標にしています。
有機化学を学ぶことで、薬は合成出来ます
有機化学は、医薬品や機能性材料の開発に不可欠な学問であり、私たちの生活のあらゆる場面でその成果が活かされています。例えば、風邪薬や抗がん剤といった医薬品、食品添加物、プラスチックや合成繊維、さらにはディスプレイやバッテリーなどの高機能材料も、すべて有機化学の研究によって生み出されたものです。この学問を学ぶことで、身の回りの物質がどのように作られているのかを理解するだけでなく、自ら新しい分子を設計し、これまでにない機能を持つ物質を生み出すことができるようになります。 有機合成化学の研究では、実験を通じて未知の反応を発見し、それを体系化することで、新しい化学の世界を切り拓いていくことが求められます。ときには思い通りの結果が得られず苦労することもありますが、試行錯誤を重ねる中で新たな発見にたどり着く瞬間は、何にも代えがたい喜びがあります。 研究は決して簡単な道ではありませんが、挑戦し続けることで必ず新しい発見や成長が得られます。ぜひ、有機化学の魅力を体験しながら、自分だけの新しい反応を見つけてみてください。