2014 京都薬科大学 薬学部 卒業 2018 京都薬科大学大学院 薬学研究科薬学専攻 博士課程 修了
私は大学院時代、新しい化合物の探索研究を行っていたのですが、ある化合物を発見したことがきっかけとなり研究者を志しました。 私が予測した化合物の構造は不安定で、存在しているとは考えにくいものでした。 「信じるならその証拠となるデータをもっと集めてごらん。」 と、恩師は否定せず、そう助言をくださいました。その言葉を支えに、何度も検討をして化合物の構造を証明できたときの喜びと興奮は今でも忘れられません。新しいことを見つけだし世の中に発表する喜びを知った瞬間でした。 新たなことを見つけ出す気概と楽しみを持って薬学研究の一端を担っていきたいと思います。
データの収集・解析により構造活性相関について検討を行い、医薬品等候補物質の有効性・安全性を予測する
論文・データベースから情報を収集・解析し、医薬品等の構造と有効性など各種機能性における構造活性相関を検討する。また得られたデータについて機械学習を用い、医薬品候補物質の有効性・安全性の予測や構造の最適化について提案する。
創薬研究の世界では日々、膨大・多種多様なデータが報告されています。これらのデータを第三者の立場から収集し、包括的に解析を行うことで、これまで単一では見えてこなかった現象を明らかにしていきたいと望みます。 現在、候補物質が最終的に医薬品となる確率は25000分の1と言われています。候補化合物が医薬品に辿り着く可能性を上昇させ、また承認された医薬品が永く安全に使われるよう、レギュラトリーサイエンスの観点から創薬研究に貢献したいと思います。
楽しみながら、いろいろなことに挑戦し、いろいろな人と話し、いろいろなことを考え、"日常を科学する心"を養ってください
研究の最大の魅力は、"この世界で初めて"を発見できることにあると思います。誰かにとっての失敗や突拍子もない考えは、誰かにとっての新しい知見や画期的な発想かもしれません。そういった考え方の違いから、新しい発見は産まれるのではないかと考えています。 ですので、学生のみなさんは不思議に思うことに出会ったら、自分なりに少し考えてみたり、その考えを他の人に話してみたりしてください。すぐに答えが見つからなくても、その過程で考える力が養われると思います。これは研究、学業に限ったことではなく、日常生活においても同様で、「考える力」は皆さんの人生を豊かにするのだと信じています。 楽しみながら、いろいろなことに挑戦し、いろいろな人と話し、いろいろなことを考え、"日常を科学する心"を養ってください。