Interview 09

子どもたちの前ではオールマイティな「なんでもプロ」でいたい。

Interview 09

子どもたちの前ではオールマイティな
「なんでもプロ」でいたい。

幼稚園教諭 村田 有紀さん (2010年卒業) 2025.03.17

Introduction

立命館小学校1期生。立命館大学スポーツ健康科学部を卒業後、幼稚園教諭と保育士の免許を取得。2022年4月から吉田幼稚園に勤務し、現在は年長(5歳児)クラスを担任。趣味は読書と茶道、特技は料理と書道(師範免許)、ウクレレがマイブーム。座右の銘は「笑う門には福来る」。

Growth Trajectory

幼稚園教諭は私の天職
園児に寄り添い、成長を喜ぶ日々。

幼稚園教諭になって3年目を迎えました。初年度と昨年は年少(3歳児)クラス、現在は年長(5歳児)クラスを担当しています。3歳児は基本的生活習慣の自立に向けて、どこまで手伝えば次は自分でできるようになるかを考えて動くようにしていました。5歳児では、小学校入学を視野に入れた「時間」の感覚を伝えることや、幼稚園行事に向けて楽しみながら練習を重ね、達成感を味わえるようにすることを心掛けています。
今年度は、私が着任した初年度に受け持った園児と年長クラスで再会し、当時は小さくて何もできなかった子が、2年でこんなにいろんなことができるようになるのかと感無量でした。私がちょっとでも元気がないと子どもたちが敏感に感じ取り、「ちっちゃい先生」になってみんなを誘導してくれることも…。子どもたちの笑顔に囲まれ、成長を一緒に喜ぶことができた時にこの仕事のやりがいを感じます。
吉田幼稚園を職場に選んだのは、園の裏に山があり、いつでもそこで元気に遊び回ることができる環境に魅力を感じたからです。立命館大学スポーツ健康科学部に進学し、中学校・高等学校の体育教師の免許を取得していたこともあり、園児にはたくさん体を動かしてほしいという思いがありました。今はいつも園児と一緒に走り回って遊んでいます。
幼稚園教諭の道に進む際、大学の先生に「村田さんは子どもたちに寄り添うことができるから、保健室の先生が適任かも」とご意見をいただき、養護教諭との選択に悩んだ時期もありました。結果、幼稚園を選択し、今では天職だと思っています。友人からもそう言われることが多く、この道を選んでよかったと実感する毎日です。

チャレンジを続けることで
形成される個性と存在感。

私が立命館大学に入学したとき、スポーツ健康科学部はまだ7年目の新しい学部でした。あらゆることが進化し続ける世の中ですが、人間の体はいつの時代も変わらず大事にされるはず。「健康」を学ぶことで人の人生を豊かにできると考えたら、この学部に対して大きな魅力を感じました。また、料理や栄養にも興味を持っていたこともあり、進学を決めました。
ところが、中学・高校の教育実習で生徒たちの運動嫌いを感じ、戸惑いました。大学では「健康寿命を伸ばすためには運動が大事」と学んでいるのに、運動に対してマイナスイメージを持っている子たちがいる。そこに危機感を覚え、幼少期から体を動かすことが好きになるように、私にもできることがあるはずと考えました。もともと子どもが好きで、小学校の頃は「幼稚園の先生になりたい」と思っていたので、幼稚園教諭の免許を取る決心をしました。
子どもたちに日本の伝統文化を伝えたいという思いもあります。私自身が幼い頃から習い事として書道、茶道、華道、能楽、英会話などに通い、書道では師範免許を取得。華道も短大卒業時に免許を取っていたので、子どもたちにも伝える機会があればと考えました。昔からチャレンジ精神が旺盛なのか、中学・高校では吹奏楽部と演劇部、大学ではアカペラサークルで副部長を務めた経験があります。幼稚園教諭は子どもの前では「なんでもプロ」でいなければならないので、一つのことだけに絞り込まず、さまざまな分野で力を発揮してきたことが、今の仕事に活きていると実感しています。「今までで一番頑張ったことは?」と聞かれたら「チャレンジすること」と答えるのが私には合っているかもしれませんね。

児童主体の教育姿勢を実践
子どもたちの「好き」に寄り添う。

立命館小学校の最大の魅力は、児童主体の校風。先生の意見が押し付けられることなく「好きにやっていいよ」と言ってもらえることで、選択肢が広がりました。授業内で触れたものに対して興味を持ち「こういうことをやりたい」と相談すると、どうすればいいかを共に考え、環境を整えて実現できるように導いてくださったことが、「好き」を深めることにつながったと感じています。陶芸、茶道、楽器、スポーツなど、立命館小学校ではたくさんの本物に触れる学びを経験させていただきました。教育に関わる仕事に就いた今だからこそ、児童主体の学びの環境は素晴らしかったと感謝しています。
そして特徴的だったのがハウス活動。私は1期生として入学した3年生のときから「ずっと最高学年だよ」と先生方から言われてきました。6年生のときにはハウス代表を経験しましたが、幼いなりに低学年の子たちのためにできることを常に考えていました。そのおかげで、周囲への思いやりや協調性を身につけることができました。同級生とも仲が良くて、思ったことを何でも言い合える関係でしたが、まずは相手の意見を肯定するという姿勢は先生方から学び得たものだったと思います。今、私は幼稚園教諭として学びを活かし、子どもたち一人ひとりの良さを引き出し、伸ばす関わり方を実践しています。
今年卒園する園児の中には、立命館小学校に進学する子がいます。親御さんに「いい小学校ですよ」と自信を持って伝えていたので、素直に嬉しいですね。園児から「先生と同じ小学校に行くんだよ」という報告を聞いて、とても感慨深かったです。

Column

「日本の文化を子どもたちに伝えたい」

私が幼い頃からたくさんの習い事をしているのは、母と祖母の影響です。グローバル化が進み、海外に目を向ける親御さんが多いとは思いますが、自国のことにも目を向けてほしい。幼い頃から少しでも日本の文化に触れておく必要があると私は考えています。今の子どもたちは日本の伝統文化に触れる機会もなく、知らないことも多い。そんな中、母は近所の子どもを集めて、遊びながら日本の伝統文化を学ぶ教室のようなものを開いています。私もいつかは母と同じように、課外活動のようなかたちで「子ども伝統文化教室」を開きたいという思いを持っています。

Goal

「生涯チャレンジ」

将来的には幼稚園教諭を続けながら、「療育」にも携わりたいと考えています。進学の際に選択肢の一つとなっていた養護教諭にもつながるのですが、発達障害を持つお子さんなどのサポートをしたいと思っています。私のチャレンジはこれからもまだまだ続きそうです。

Message

入学希望者へのメッセージ

立命館小学校では自ら学び、考えるといった「生きる力」、そして成長するために必要な「根っこ」を育てることができます。お互いを尊重し、認め合うことのできる環境が整っているため、自信を持ってやりたいことに没頭できます。ぜひ、個性あふれる先生方、素敵な友人と共に自分の「好き」をみつけてください。

※プロフィールや内容は掲載当時のものです