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▼EVENT(スポーツ/学芸)▼ 【1】[大分][有料][申込不要・当日券有] 立命館大学交響楽団 特別演奏会大分公演 本学交響楽団が8年ぶりの特別演奏会を大分で行います。交響楽団は、今後国内外の各地で公演することも視野に入れていて、今回はその第一歩となる企画です。 大分県をはじめ九州地区にお住まいのみなさま、ぜひ会場へお越しください。 [日 時]2月27日(水)開場18:00 開演19:00 [会 場]大分県大分市iichiko総合文化センターiichikoグランシアタ [指 揮]阪哲朗(客演)/高倉寛人(学生) [入場料]【一般】1,000円 【大学生以下】700円 ※当日券には数に限りがございます。前売券もご利用ください。 チラシPDFはコチラ≫http://ruso.s297.xrea.com/file/oitachirashi.pdf ────────────────────────── 【2】[大阪][有料][申込不要・当日券有] 第14回 和太鼓ドン自主公演 恒例の自主公演の季節が訪れました。和太鼓演奏のほか、民謡に合わせた舞も披露します。 [日 時]3月2日(土)開場14:30 開演15:00 [会 場]大阪府大阪市アゼリア大正ホール [入場料]1,000円※当日券には数に限りがございます。前売券もご利用ください。 詳細はコチラ≫http://wadaikodon.web.fc2.com/top.html ────────────────────────── その他のスポーツ・スケジュールはコチラ≫https://www.ritsumei.ac.jp/event-sports/sports/schedule.html/ その他のイベント・スケジュールはコチラ≫https://www.ritsumei.ac.jp/event-sports/event/schedule.html/ ────────────────────────── |
▼立命館LIFEのススメ▼ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 考古学者の直感で京都をひらく 木立雅朗 文学部教授 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回ご紹介するのは、立命館大学 文学部の木立雅朗教授です。 木立先生は考古学および京都学を研究されており、窯跡の発掘調査や友禅図案の収集などにも取り組んでおられます。先生の眼を通して見た京都のことや思いについてお話を伺ってきました。 Q:先生が取り組まれている研究テーマとこれまで歩んでこられた道のりをおきかせください。 【考古学について】 私の専門は考古学(古代焼き物・須恵器)です。1995年に立命館大学文学部へ来ました。 石川県出身の私は地元に関する研究をしたい気持ちがあったのですが、「京都に来たからには京都のことをやりなさい」と師匠に言われました。 また、自分としては「今やらなければならず、誰もやっていないこと」をしたいと考えていました。 例えば、土地開発で遺跡の破壊が進む現状の中、「遺跡を活かすための研究をする」といったことです。 そこで当時研究が遅れていた、京都府亀岡市にある篠窯跡群のことをやろうと1999年から歩きはじめました。そこは平安京の瓦や須恵器を供給していた窯です。まず分布調査・遺跡探しをしっかりやって、その中で大事な所を発掘しようと計画を立てました。この調査は現在も、学生たちと続けています。 【京都・鳴滝の乾山窯跡との出会い】 自分の人生をちょっと変える出来事があったのも1999年でした。 それは江戸時代中期の陶工、尾形乾山が築窯した鳴滝窯址(京都市右京区)との出会いです。立命館大学から近いということもあり、今は法蔵寺が建つその場所を何度か訪れて話を伺い、やがて調査団を作ることになりました。 これは京都にある京焼窯跡では初の正式な発掘調査でした。5年にわたって発掘を進め、報告書にまとめました。 乾山の窯は壊れていて見つかりませんでしたが、二条家の庭園跡が見つかりました。乾山が二条家の山屋敷を譲り受けて別荘を作り、その何年後かに窯を開いたのです。また、「乾山が作った焼き物の意匠は独自のものがあってオリジナルだが、技術はその当時すでに京都の町なかで用いられたものだった」ということが明らかになりました。一方、依然として分からないことがありました。 「乾山も用いた京都独自の技術は、いつからどのように始まったのか?」ということです。そのヒントを得ようと五条坂(京都市東山区)を歩くことにしました。 【五条坂での民俗調査】 立ち寄った藤平陶芸さんで興味深いものを見せていただきました。 第二次世界大戦で使う手榴弾用の陶器です。終戦直後に、割って捨てるように指示されていたようですが、約250個残っていました。一輪挿しのような丸い形の陶器です。このことは学生もがんばって調べてくれて、手榴弾のことを考古学的にはじめて明らかにしました。 また、道仙化学製陶所さんの町家の裏には1968年を最後に使われなくなった登り窯の廃墟がありました。まるでタイムトンネルのような歴史的空間、「現代の遺跡」です。そこに東屋を作る計画があり、登り窯が壊される前に発掘させてもらいました。そしたらかなり保存状態が良くて。「社長、これ残りいいですね。すごくおもしろいです」と言ったら、「そんなにおもしろいんやったら残そう」ということになり、登り窯は町おこしにも生かされることになりました。 Q:先生は京都学プログラムにも取り組まれておられます。それについておきかせください。 【考古学から京都学へ】 私は自分の直感を信じています。また、考古学のことは多少は勉強してますから、それがどういう意味を持つかは現場へ行って実物を見ればすぐに感じることができます。時々冗談半分で人に話すのですが、土器が私に語りかけてくることがあるのです。それは、言葉にならない言葉です。日本語ではありません。明確な言葉にならなくて悔しいのですが、土器は大きな迫力をもって私に訴えかけてきます。 ただ、考古学では、遺物を見ることはできても作っているところを見ることはできません。しかし、京都の職人さんの工房では、受け継がれた伝統の技術を見ることができます。私は感動屋でミーハーなものですから(笑)、考古学的な関心から京都学に近づいていきました。 そして現場に行ってものを見たり、伝統工芸の職人さんの話を聞くと、「やっぱり京都のことをもっと知らなあかん、過去だけでなく、現状をちゃんと見ないといけない」と感じるようになりました。 「京都は良いところで日本文化の中心である」といわれると、人びとは簡単に納得しがちです。しかし、京都についてそんな「ふわふわした」印象を持つだけで本当に良いのか。 京都は「美しい」というだけのところではありません。時代の変わり目には戦争で焼かれてしまうことも多かったですし、アジア太平洋戦争でも原爆投下の候補地となりました。 終戦末期には、清水焼で陶器製手榴弾を作らざるを得ない状況にもありました。強い光と深い影が交錯する街なのですが、一般的にはよいイメージだけが消費されてきました。 ですが、それは本当に消費する一方の心細い人気にすぎないのです。その反面、光と影を経験して磨かれた、実に京都らしい部分は、ごく一部の人がすごくがんばって守り伝える努力を重ねているのです。 職人さんは「これ(伝統工芸)だけでは生活していけない」、みんなそう言っています。「別の仕事を9割して、家職を継ぐための仕事が1割だ」と、話を聞いていると大変な実情が分かってきました。 伝統工芸をなんとか残さないといけない。自分の思いのはじまりは遺跡保護とおんなじです。ただ、「なんで残さなあかんのか」、その説明がちゃんとできないものを残してくださいと言ってもだめです。そこで、何が大事かということを京都学で実際に研究しているんです。職人さんは、「伝統工芸なんて言うからあかん。自分たちは京都にある最先端の企業と同じ『もの作り』だ、そういう気概がないと生き残れない」と明確におっしゃる。そういう話も聞けるから、京都学をやっていく意義はあるのです。 【京都学プログラム】 学生にはぜひ「本物」を知ってほしいと願っています。そして、いいものを残したいという気持ちやそれらを評価できる目と心を養ってほしい。また、人々の生きている心や感じ方をしっかり知っておかないと、これからの時代は生きにくいのではないかと思います。 こういった想いから、学生達が実際に伝統工芸を体験したり、いろんな人から聞いて分かったことを文章にし、冊子にまとめるという実習講義をしています。授業の最後には、表紙に自ら摺った唐紙を用いて糸で綴じた、彼ら自身の手による「この世で唯一の和綴じ本」が完成します。そうすることで、その作業過程にも達成感が得られ、いつまでも大切に持つことができます。 Q:友禅の資料収集もされているとうかがいました。その取組みについておきかせください。 【収集をはじめたきっかけ ?考古学者の母性本能】 たまたま本屋へ行くと、原画が切り売りされていました。見ていたらおもしろいし、当初は自分用に何枚か買っていました。そんなある日、今度はどれにしようと選んでいたら、本屋のおじさんに声をかけられました。あとで社長と知りました(笑)。「お好きですか?」「ええ、なんだかおもしろいですね」「沢山ありますよ」「ほな見せてください」と。「これは何をするものですか?」と話を聞いたら、友禅の下絵図案だが、デジタル化や廃業などの理由で業者からどんどん捨てられている現状であると教えてもらいました。「美しい原画ということで外国の人には人気でよく買われるが、日本人はほとんど興味を持たない」とのことでした。「これはいかんだろう、なんとか残さなあかん」とその時私は直感で思いました。「考古学者の母性本能」って勝手に言ってます(笑)。 そこで大学の収蔵品として研究費で購入することにしました。国のプロジェクトにも採択され、明治・大正・昭和初期の資料約2万点が集まりました。デザインには古典柄だけではなく、当時の世相や時代の流行が描かれているものもありました。私たちは友禅の裾野のところを明らかにすることができたんです。 【資料群の修復と保存】 原画は、手に入った当初はほとんどがボロボロの状態です。1枚ずつ完璧に修復をしていたら、とても数がこなせません。だから、これ以上痛まないという程度の最低限の修復を施していきました。 そしてアート・リサーチセンター(※)のノウハウを生かしてデジタル化して保存し、「これは大事だ」ということを世に伝えようという戦略に出ました。 ※立命館大学アート・リサーチセンターの詳細はコチラ>>http://www.arc.ritsumei.ac.jp/ この作業には、学生が多く関わってくれています。自分たちが携わった資料が、展示などを通じて世間に認知されるのを間近に感じることができます。近現代の膨大な資料をこのような方法で守った例はあまりないそうです。 私はこの友禅資料群の収集・保存に関する作業を通じて、「自分たちが何をすべきであるのか」、「何を伝えていかねばならないか」ということに、あらためて気づかされました。地域に根ざした研究を目指してきたつもりですが、まだまだ充分ではありません。学びの入り口に立ったばかりです。 Q:読者へのメッセージをお願いします。 京都は今、良い意味でも悪い意味でも変わろうとしています。皆さんもぜひ町を実際に歩き、その様子を見て感じてください。特に五条坂の町おこしの一環として公開予定の登り窯は必見です。楽しみにしていてください。 ────────────────────────── いかがでしたでしょうか。 亀岡市・篠窯跡群の調査、鳴滝・乾山窯跡の発掘調査、五条坂・登り窯保存と町おこし、友禅資料群の収集。直感をきっかけに動き出した数々のプロジェクトのお話を、興味深く伺いました。木立先生の熱意は、京の人びとの意識と町なかに確かな変化のうねり起こしはじめていると感じました。 「遺跡を守りたい。京都の伝統を守りたい。それを願う以上は、なぜ守らねばならないのかという説明ができないといけない」と語られた木立先生。そのために、まず自分で土をこねて茶碗を作ったり、唐紙作りの技術を体得しようとされるお姿も印象的でした。 ────────────────────────── |
▼編集後記▼ 2月16日(土)東京で本学の講演会が行われました。京都市が主催する「京あるきin東京2013?恋する京都ウィーク?」というイベント内における、京都の11大学が京都ならではの“知”を深める多彩な公開講座を行うという企画でした。 本学は、「清水寺かいわいを守るみやこびとの心意気?未来へのこす京都の魅力?」と題し、清水寺録事の森氏と理工学部の大窪先生のお二人を講師にお招きしました。 講演では、観光客が連日訪れ、賑わいを見せる清水地域の魅力あるまちづくり、清水寺と地域住民・研究者・行政が協働して整備・運営している先進的な防災システムを構築したお話などが紹介されました。清水地域を訪れた経験のある受講生が多く、活発な質疑応答が行われ、予定時刻を過ぎた後も、講師の周囲には人が集り、熱心にお話をされていました。 東京近郊には、卒業生や父母のみなさまもたくさんお住まいでいらっしゃいます。今回のように「立命館の学びを体験できる機会」を増やすとともに、タイムリーな告知が早めにできるように努めてまいります。大きなイベントの開催時には、臨時号として該当エリアの方にご紹介するサービスも検討中です。お楽しみに。 (立命館CLUB事務局 森山) |
▼読者プレゼント▼ 今回は、立命館LIFEのススメに登場しました木立先生から頂戴した唐紙グリーティングカード(2枚セット)を2名様にプレゼントします。 この唐紙を製作している株式会社丸二さんは、木立先生の京都学プログラムにも協力してくださっています。授業では、唐紙の製作過程を見学し、学生も実際に製作を行うそうです。 プレゼントをご希望の方は、下記必要事項を明記のうえ、立命館CLUB事務局までメールにてご連絡ください。なお、プレゼントの抽選結果は次号でお知らせします。 <応募締切:3/4(月)> 応募先:立命館CLUB事務局(rclub ![]() ![]() 応募必要事項 (1)名前: (2)プレゼント送付先住所: (3)電話:(4)今回のメルマガ内容に関する感想(簡単で構いません): (5)プレゼント発表時の氏名公開:可 否(否の場合はイニシャルで表記いたします。)ご希望のペンネームがございましたらご連絡ください。) ────────────────────────── ▼第20号読プレ当選発表▼ 第20号の読者プレゼント当選者の発表です。 プレゼント到着まで今しばらくお待ちください。 ★★★★★★★★★★★★★★★ ★・林 幹雄さん(愛知県) ★ ★・福田 豊さん(富山県) ★ ★・ミント さん(広島県) ★ ★★★★★★★★★★★★★★★ 今回も多数のご応募ありがとうございました。 過去最高記録を二号連続で更新しました。 次回のご応募もお待ちしています。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 次回配信予定は3月8日(金)です。お楽しみに。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆バックナンバーはこちら https://www.ritsumei.ac.jp/rclub/mobile/magazine/archive.html/ ◆配信先の変更・解除はコチラ https://reg34.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=mbsd-meljr-a849c83c0a4b477a2a6d631dde627b21 [注 意] ※リンク先は、時間の経過と共に変更・消去される事があります。ご了承ください。 ※メールマガジンを転載、その他の利用によって生じる事象について、立命館大学では一切の責任を持ちません。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■ 発行:立命館大学 立命館CLUB事務局 ■■ 〒604?8520京都市中京区西ノ京朱雀町1番地 ■■ TEL:075?813?8118 ■■ FAX:075?813?8167 ■■ ご意見、お問合せ等は、下記までお願いいたします。 ■■ メール rclub ![]() ![]() ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ |
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