電解液を用いない電気化学的微細表面構造創成
研究概要
電気分解を利用した加工や表面改質は様々な分野で活用されていますが、薬液を大量に使用することから、環境負荷が大きいことが課題です。本研究では、固体電解質とよばれる機能性材料が薬液を代替することにより、液体を使用しない新たな表面プロセスを開発します。様々な材料の表面に、マイクロ・ナノスケールのパターニングや表面改質を行うことで、電子・生体・機械材料の新たな機能の発現を目指します。
コメント
創発的研究支援事業では、長期にわたる支援が得られることが特徴で、失敗をおそれずに野心的な研究に挑戦することができます。創発研究者間の交流の場も定期的に設けられており、これまでには想像すらできなかった異分野の研究者との連携も開始しています。多くの優れた研究者とネットワークを形成することができ、情報交換の機会となることはもちろんのこと、自身の研究活動の大きな刺激になっています。研究室の学生とともに優れた成果を挙げられるよう研究に取り組んでいます。
提案加工技術による微細酸化膜パターンの形成の模式図。固体電解質をスタンプのように用いて、金属や半導体の表面にマイクロ・ナノスケールのパターンを形成する。
シリコンの表面に掲載した酸化膜のパターンのイメージ。息を吹きかけると酸化膜上に微小な液滴が形成され、瞬間的に虹色を呈する。パターンの形成部分を制御することで暗号化への応用が期待できる。