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第1回ワークショップ 開催報告

「JDPのさらなる多面的展開~国際連携プログラムの教学・学生支援課題への対応~」

2023年2月26日に、本プロジェクトの第1回ワークショップとして、
「JDPのさらなる多面的展開~国際連携プログラムの教学・学生支援課題への対応~」を開催しました。
初めての開催となった本ワークショップには9大学19名の教職員が参加。各校の取り組み状況やベストプラクティスの共有を行い、
今後のJDPの展開について様々な議論が展開されました。

開催日時

日時:
2023年2月26日(日)13時30分~16時20分
会場:
立命館大学 大阪いばらきキャンパス
司会:
山下 範久(学校法人立命館 常務理事/グローバル教養学部(GLA)教授)
講演者:
植松 美彦(教授 国立大学法人東海国立大学機構 岐阜大学 グローカル推進機構長)
安高 啓朗(立命館大学 国際関係学部 教授)
参加大学:
東洋大学4名/東北大学2名/岐阜大学2名/名城大学2名/筑波大学1名/大阪大学1名/関西大学1名/九州大学1名/立命館大学5名

講演「JDP設立のねらいと現時点の到達点」

はじめに、本学安高啓朗教授よりプロジェクトの概要と本日のねらいを参加者に説明しました。ワークショップの目的は、「知見の共有」と「JDPの質の向上」、そして「ネットワークの形成」。安高教授は「本日議論した内容を持ち帰ってもらい、今後の国際化促進の検討材料にしてほしい。また大学の枠を超えて、同じ国際化を推進する部局同士のつながりを作り、ぜひ活用してほしい」と述べ、講演へと進行しました。

一人目の講演者は岐阜大学 植松美彦グローカル推進機構長。JDP導入のメリットや、岐阜大学におけるJDP導入の経緯、そしてプログラム創設までの道のりを共有しました。植松機構長は「ジョイントディグリーは協定校とのカリキュラムの調整や単位の認定に多大な労力がかかり、導入が容易なデュアルディグリーに教職員は流れがちだ。しかし、ジョイントディグリーは学生にとって4年で学位が取得できることや学費の面でメリットがあり、大学にとっても2大学間の国際共同研究の促進に大いに貢献する」と述べました。

二人目の講演者、本学安高教授からは立命館大学国際関係学部のカリキュラム構成や国際連携について共有しました。「立命館大学ではアメリカン大学との共同学位プログラム(DUDP)があり、国際化のさらなる深化をめざしてJDPを設立した」と安高教授。「JDPでは一貫したカリキュラムで効率よく学ぶことができ、教学上の大きなメリットである。しかし、履修指導を行うアカデミックアドバイジングを担う専門人材が不足しており、ノウハウの蓄積や運営体制を整える必要がある」と提言しました。

ワークショップ

参加者は4グループに分かれ、①カリキュラム運営②アカデミックアドバイジング③キャリア支援④学生支援の各テーマについてディスカッションを行いました。「まだ大学内にJDPが設置されておらず、今日は勉強のために参加した」と語る教職員も多数。立命館大学の教職員がファシリテータとして進行し、参加者は各大学の国際化に関する課題の共有から始まり、テーマについて各テーブルで議論が交わされました。

各グループのディスカッション報告

カリキュラム運営

大学院レベルのダブルディグリープログラムからJDPへの派生や、学部レベルのJDP創設を目指す大学など各大学の状況は様々です。共通する課題は、参加する学生数に対してJDPの創設は非常に労力がかかる点。コストパフォーマンスが悪いという捉え方もあるかもしれません。しかし、JDPに取り組むことは社会に大きなインパクトを与え、大学のガバナンスに変化をもたらすものであり、我々教職員が苦労して取り組む価値は十分にあります。
 

アカデミックアドバイジング

各大学の履修支援についての状況を共有し、アカデミックアドバイジングを実践する上でヒト・モノ・制度の観点から議論がなされました。ヒトの観点では、研修の実施やアカデミックアドバイザーを専任化するなど、学内外での認知を得る必要があります。モノの面では、アドバイジングが学生に与えた影響をデータとして蓄積し、横展開につなげることが考えられます。制度面では、アドバイジングに対してキャリアアップなどのインセンティブを付与し、取り組みやすい環境を整える必要があるでしょう。

キャリア支援

各大学での海外大学院の進学支援や英語基準留学生の日本就職、日本でのインターンシップ支援について情報共有がされました。また、卒業生組織については、卒業生の進路把握は大きな課題であり、現在のシステムでは、卒業時の進路しか把握できていないことが多いです。また海外からの留学生は、卒業時には進路が決まっていない学生も多く、把握が困難。時代に合わせた進路把握のシステムを整えることが急務と考えています。

学生支援

各大学での奨学金等を含めた経済的支援の状況、語学面でのサポートなど多岐に渡り意見交換がなされました。JDPへの参加者を増やすためには、学部生時代に短期交流プログラムを経験させ、大学院でのJDPにつなげていくという動線の整備が必要であるという意見もあがりました。またJDPに対する支援は各大学で用意しているのが現状であり、JDPの発展を目指すのであれば、国レベルで奨学金を設ける必要があるのではないでしょうか。

講演資料

講演動画

参加者アンケート(抜粋)

・今回のイベントに参加された理由

アンケート

・今回のイベント全体に対する満足度

アンケート

・今回のイベントに参加する前と比べて、「ジョイント・ディグリー・プログラム(JD)」の理解

アンケート