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Cu2SnS3薄膜太陽電池の開発
このグループでは、InやGaなどの希少元素や毒性元素を含まない、新しい3元系化合物Cu2SnS3(CTS)を用いた新型薄膜太陽電池の開発に取り組んでいます。また、CTS薄膜太陽電池は、多複数の異なる太陽電池を積層することにより、太陽光を効率よく吸収できる多接合太陽電池の最下層膜にも適しており、様々な形での応用が期待されています。私達はこのCTS薄膜太陽電池の電気的・光学的特性の解明及び変換効率を向上させ、新しい太陽電池材料の可能性を研究しています。
私達は主な実験内容として、CTS薄膜吸収層の作製と評価を行っています。CuならびにSn単体ターゲットを用いてRFスパッタリング法、または、EB蒸着法を用いてCT合金膜を成膜した後、硫黄粉末(雰囲気：Ar)や硫化水素雰囲気中(H2S+Ar)で熱処理を行い、CTSを成膜しています。CTS薄膜の評価方法として、走査型電子顕微鏡により膜の形状観察、エネルギー分散X線分光法による組成分析を、X線回折装置による結晶性解析、ホール効果測定、PLライフタイム測定を行っています。
加えて、作成したCTS膜を用いた薄膜太陽電池の作製もしています。CTS太陽電池の構造は、ガラス基板と逆側から光を入射するサブストレート型を採用し、各層には、ソーダライムガラス（SLG)基板上にMo裏面電極、CTS光吸収層、溶液成長法によりCdSバッファ層、RFスパッタリング法によりZnO窓層、およびAZO(ZnO,Al)透明導電膜、蒸着法によりAl/NiCr表面取り出し電極の順に堆積しています。このようにして作成したCTS薄膜太陽電池は電流電圧測定、分光感度測定によって評価しています。
