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Cu2SnS3薄膜太陽電池
単接合型太陽電池の理想とされている禁制帯幅は約1.4 eVであり、その際の理論上の最高変換効率は約30%以上とされています。 単接合型太陽電池の理論変換効率を超える手段の1つとして、複数の太陽電池を組み合わせた多接合型太陽電池を構成する方法があります。 多接合型太陽電池は、異なる禁制帯幅も持つ太陽電池を積層させた構造であり、 この構造によってより多くの太陽光エネルギーを電力として取り出すことが可能です。
多接合型太陽電池のボトムセルとしては、禁制帯幅の小さい材料が必要とされ、 禁制帯幅が約1.0 eVを有するCu2SnS3(CTS)がその候補として挙げられます。 本研究室では、CTS光吸収層を用いた太陽電池の高効率化を目指し、研究を行っています。
本研究室で作製するCTS太陽電池の構造は、 受光面側から、取り出し電極 / 透明導電膜 / 窓層 / バッファ層 / CTS光吸収層 / 裏面電極 / ソーダライムガラス となっています。 構造図を図1に示します。
現在、本研究室では裏面電極上にCu/SnS2をRFマグネトロンスパッタリング法で成膜した後、 積層プリカーサを硫化することでCTS光吸収層を作製しています。 作製したCTS光吸収層を用いた太陽電池セルの電流密度-電圧特性を図2に示します。
2016年度からは、CTS光吸収層自体だけでなくバッファ層の研究にも注力し、 太陽電池セルの高効率化を目指しています。