ボールの軌跡をプロットする課題．地面に置いたボールを蹴り上げたとき，ボールの水平方向位置 \(x\)，鉛直方向位置 \(y\) は以下の式(1)と式(2)で求められる．
\[ x =v_0 \cos \theta \cdot t \tag{1} \] \[ y =v_0 \sin \theta \cdot t - \frac{1}{2} g t^2 \tag{2} \]ここで，\(v_0\)：初速度，\(\theta\)：蹴り上げた時の水平からの角度， \(t\)：時間（\(\rm{s}\)），\(g\)：重力加速度（\(=9.8 \rm{m/s^2}\)とする）である．
次の条件の時のボールの軌跡をエクセルで表現しグラフ化したい．
では授業で使った function.xlsx の「レポート7」というシートをアクティブにして，四角で囲まれたセルに値や式を入力していこう．まず，B1セルに自分の学生証番号をハイフン付きで入力すると，自動的にハイフン前後の数字1桁がB2セルとB3セルに表示される．あとでこのセルを参照して初速度や角度を計算することになる．
次に，B5セルに初速度を表す式「=10+B2*2」を入力する．B6セルは蹴り上げる角度なので「=30+B3*5」になる．
この値の単位は「度」であるが， \(x\) や \(y\) の式で使われる sin や cos はラジアン単位の値が必要．そこでB7セルに，B6セルの値をラジアンに変更する式を入力する．「=radians(B6)」だが，「=r」と入力した段階で「RADIANS」という候補が1番上に表示されるので，「TAB」キーを押せば「=RADIANS(」まで自動的に入力される．ここで一つ上のB6セルをクリックし，「)」を入力してからEnterキーを押して確定．
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B8セルには，ボールが落ちてくるまでの時間 \(T\) を計算する．
\(\displaystyle y = v_0 \sin \theta \cdot t - \frac{1}{2} g t^2 = t\left(v_0 \sin \theta - \frac{1}{2} g t\right)\)より，\(y = 0\)になるのは，\(t = 0\)（初期状態）もしくは\(t = 2 v_0 \sin \theta / g\)（落ちた瞬間）であるから，後者の式をB8セルに入力する．
B9セルにはグラフ全体を何等分して表示するかという分割数を入力するのだが，50等分すればだいたいきれいなグラフになるので50と入力してある．
B10セルには「=B8/B9」として，ボールが落ちてくるまでの時間 \(T\) を50分割した時間刻み \(dt\) を計算しておく．
次にD列の時間軸を計算する．D2セルには初期値0が入力してある．隣の\(x\)と\(y\)も0である．時間を\(dt\)だけ進める式「=D2+$B$10」をD3セルに入力する．一つ上のセルの値に，時間間隔\(dt\)を加えるという意味である．B列の値は，コピー＆ペーストしても変化してほしくないので，F4キーを押して絶対参照の「$」マークを付け$B$10とする必要がある，D2セルの参照は，後で下のセルにコピー＆ペーストしたときに，貼りつけたセルの一つ上へと変化してほしいので，D2と相対参照のままにしておく．
いよいよ \(x\) と \(y\) の式である．上に書かれている(1)式と(2)式をE3セルとF3セルに入力する．注意点は以下の通り．
D3，E3，F3の3つのセルに入力できたら，その3つのセルを選択して，52行目までコピーする．ちょうど52行目でボールが地面に落ちるはずなので，F52セルが0（あるいは非常に小さな値）になっていなければ式を間違っているので見直そう．
完成したE列とF列の値をグラフ化する．E1～F52セルを選択し（D列はグラフにしないので注意），挿入メニューのグラフ欄から「散布図（X，Y）またはバブルチャートの挿入」を選び，表示された何種類かのグラフから「散布図（直線とマーカー）」あるいは「散布図（直線）」を選ぶ．どちらでも好きな方でよいが，「散布図（平滑線とマーカー）」や「散布図（平滑線）」は使わないこと．平滑線を使うと滑らかにデータを結んでくれるが，場合によっては不自然なグラフになることがある．工学分野では計算された点と点の間は直線で結ぶのが基本だということを覚えておいてほしい．
これまでと同じように，軸ラベルを追加し，グラフタイトルを消しておく．軸ラベルは，横軸がE1セル，縦軸がF1セルを指定すればよい．うまく指定できなかったら，ダブルクリックしてキーボードから入力しても構わない．これでボールの軌跡のグラフが完成．
完成したエクセルファイルのB12セルに氏名を記入し，manaba+Rのレポート欄からレポート7を選んで提出すること．