立命館大学理工学部 建築都市デザイン学科
CAD/CG演習 「↓(ダウン)and ↑(アップ)ロードシティ」ページ

課題概要

①建築と都市

2回生として建築都市デザイン学科に通う皆さん、建築と都市について考えた事はありますか?
都市は建築の集合、建築は都市の部分、という事についてはどれくらい意識しているでしょうか?
都市計画・地域計画というと何か大それた事のように感じるかもしれませんが、住宅一つであってもそれは都市という全体の大切な一部です。
計画範囲の大きさが重要度とならない所は建築の良い所だと思います。住宅一つであってもその影響が都市・社会・業界に広がる事があります。(皆さんが取り組んだ住宅の課題で言えば森山邸)
広域の計画を行う・行わない、出来る・出来ないではなく、建築一つであっても全体との関係(あるのかないのかを含めて)を意識して貰いたいと思います。
(今皆さんがデザイン演習行っているCキューブ、学内の一部の敷地であってもBKC全体に関わります、よね?。提案するプログラムによっては地域にも広がるかもしれません。)
今回の課題では、仮想空間に皆さんの手でクラスの都市を作ってみましょう。
都市の形成に参加しながら都市が出来上がる様子を観察し、建築と都市の関係について考える機会として下さい。

② 部分と全体

情報化社会の発達により部分と全体の関係は急速に縮まったと言えます。
例えばGoogle、検索の画面の外側は無限に広がる全体です。
例えばSNSサイト、地理的な制限を超えて全体の中からつながりを形成し多くのコミュニティを生み出しています。
例えばblog、Twiiter、誰もが不特定多数の全体に自らの思考を発信する事が出来るようになりました。個人の思考がネットの世界を泳ぎ回り多くの人に伝播する事もしばしば見受けられます。

上記のよう、部分と全体の距離は急速に縮まり、部分の全体へのアクセスが容易になり、部分が全体に与える影響が大きくなり、、部分・個人の存在と重要性が認識され、部分と全体の関係に着目が集まっています。
(学術的にも要素還元主義からの転換という大きな節目がありました)
都市計画においてもマスタープランにより都市を作るのではなく、手の届く範囲、部分部分を良くし、その集積と連鎖の結果で都市を良くしようという考えが生まれています。
簡単に言うと、有識者が会議室で全体の何かを決めるのではなく、それぞれがお隣さんの肩を叩いてあ互いが重なり合う部分について話し合ってみよう、という事です。
個として独自に建築を作るのではなく、部分として建築を作る事で全体が形成されるのでは(作ろう?)、という考え方です。
(建築の中を見れば、窓一つ、サッシ・ドア、居室、と部分が複層的につながりながら建築全体までつながっていますよね?建築まで行き着いて閉じるのではなく、さらにその外側まで全体まで開いたらどうなるのでしょうか?)

しかし、果たしてこのような手法は可能なのでしょうか?
盛んに論じられながらもその可能性を検証する事が困難な部分→全体という手法。
この課題では実空間を離れ仮想空間を採用する事で、議論ではなく有形の結果として部分→全体のプロセスと結果を検証してみましょう。
思考の伝播の加速化により部分→全体の距離の縮まった仮想空間で自由に振る舞う個の集合である部分、部分を形成するのか、全体を形成するのか、形成するのならどのような全体を形成するのか、全体と言及出来るような様相になり得るのか、部分として参加しながら観察し、ネットを通じて発信しましょう。

③ WEB世代の共同クリエイティブワーク

皆さんはニコニコ動画というサイト、知っていますか?知らない場合はネットで検索してみて下さい(登録が必要ですが無料ですので、ライキング・殿堂入りを利用して代表的な作品を見てみて下さい)。
ニコニコ動画では、ニコニコしようという目的の下で、ある独立した個人による制作物が全く別の個人もしくは極めて緩やかなつながりの個人に連続的に伝播し、閲覧者も作り手の一部とした共同作品が数多く発信されています。
ネットが普及していない時代を経験し、ネットを積極的に利用しながらもネットに対して懐疑的な意識も持ちながら接して来た僕(世代)(1981年生まれ)から見ると、作品自体の内容もそうですが、出来上がるまでのその過程に驚きを感じています。最早、個人が行ったクリエイティブワークの複合体が個性を獲得しているように見えます。
これは、善意ある(ニコニコしたい人達?)者達(部分主義者?)の情報空間コミュニティの結果と言えるのではないでしょうか。
ネット若しくはネットコミュニティに対しての意識が大きく変化しているのだと感じています。

この課題では、ニコニコ動画において情報空間でのコミュニティから作品が生まれるように都市の個性が生まれる事を期待しています。
何かと色々言われるWEB世代の皆さんですが、皆さん(僕も含まれているつもりですが・・・)なら、個人として住宅を作りながらも、部分を意識しながら設計を進め、その連鎖として都市の個性を作り上げるのではないかと期待しています。
様々な制約のない仮想空間で、WEB世代が行う部分→全体の手法の結果を発信してみましょう。
この課題の別名はニコニコシティです。



※授業外参加者歓迎!※

この課題では授業外参加者を歓迎します。部分としての参加、形成プロセス・全体の言及者としての参加、どちらでも歓迎します。
参加・言及は自由に行って下さい。(一報頂ければ受講生の励みにもなりますし、大変嬉しく思います。)
mail:(山田 悟史のイニシャル)@fc.ritumei.ac.jp
言及・投稿された作品は記録ブログ等で掲載する場合はありますので、予めご了承の上参加頂けるようお願い致します。

 

敷地

敷地はこちら、敷地ファイル(kmz)
kmzをダウンロードした際に拡張子がzipになる場合はkmzに変更して下さい。拡張子が表示されない場合は、表示の仕方をネットで調べてみましょう。簡単に見つかるはずです。】

滋賀県内としていますが、まずは、場所性に依存する事なく建築(住宅)を考えてみて下さい。(個人主義者としてスタートしてみて下さい。)
少し上の内容から外れますが、この課題は、[場所性が無くても建築を考えれるのか?」(精神と時の部屋(ドラゴンボールZを参照)に建築を作れるか?)という問い掛けも含んでいます。
ぜひ外部・制約からコンセプトを作るのではなく、建築は(住宅は)どうあるべきか、内側から設計を始めて下さい。建築自体を考えるきっかけになるはずです。
住宅に特定の要素を加える事は自由設定とします。↓and ↑ロードシティに必要であれば、自由に機能を付加して下さい。
手が動かない場合、「○○のある家」の○○を考えてみましょう。その方がやり易いかもしれません。
(例:デザイン演習の課題「アトリエのある家」を外部の要因頼らず突き詰めてみる等)
個人主義から始まった物が、部分とどのように応答をとりながら全体を作りあげるのか?といった課題です。
(本当は南極あたりで気候は温暖で雨も無い設定にし、自然から人を守るという建築の原始的な役割を取り外したかったけど…難しすぎる…)

 

課題の進め方

・モデリング
個人に15mのセルが割り当てられています。住宅を基本としセル内に空間を制作して下さい。それらを共有する事でGoogleEarth上に↓and ↑ロードシティを制作します。
コミュニケーションをとる事も勿論認めますが、打ち合わせに基づいて作るという直列的な過程は推奨しません。
自分の周辺のセルに出来上がる物体を建築ノンバーバルコミュニケーションとしてとらえ、自分のセルの制作を進めて下さい。
住宅を基本としますが、↓and ↑ロードシティに必要な物なら何でも構いません。
ただし、意思(善意)ある者の集合体、全体を意識する者の集合体(旧来の2chの暗部ではなく善意の集合体としてクリエイティブを行うニコニコ動画)を前提としていますので、自分は↓and ↑ロードシティというクリエイティブ全体の部分である事は忘れないようにして下さい。その度合いは個人に任せます。


・制作絵日記
制作と共に重要なのは制作プロセスの記録です。毎週レポートとして提出して貰いますので、↓and ↑ロードシティ制作絵日記を作成して下さい。
絵日記には、何故それを↓and ↑ロードシティに配置し何故その形なのか、自分のセルの周りで起った事、影響を受けそうなセルの事、興味を持ったセルの事、以上を基本にスクリーンショットと文章で制作過程を記録して下さい。
これらには、周辺の人とのコミュニケーションの記録(会話の記録・メールの記録・ピンによるメッセージの記録)、周辺に出来た物から受けた影響、↓and ↑ロードシティに対す考え方等も記述されるはずです。
絵日記はその都度pdfで公開します。周辺の人が何を考えているのか確認するように。
全体を意識して貰うための手段+周辺への意思伝達手段ですので、形式は単純な物で良い。
(PDFファイルの作成は教材フォルダを確認)

【追記】

絵日記は、周辺のセルへのメッセージとなる事を強く意識する事。公開される物で私的な落書き帳ではない。
6月16日の確認した段階ではあまりに稚拙で無意味です。絵日記を効果的に設計のプロセス記録ツールとして使うため、6月17日以降の絵日記には以下に従う事。

① 最低限間取りがわかる平面図を載せること。 (最終紙面の提出では図面を提出する事になる。)

② 画像は、授業日の状態、次の火曜日の18時以降の状態、火曜日から修正を加えた状態の3種を掲載すること。どの画像がどの時点に当たるか判断出来るようにする事。

③ 文章は最低限以下を記述する事
1、自分の住宅の説明及びこれからの方針
2、周囲から受けた影響、周囲とのコミュニケーションの内容。
3、周囲へのメッセージ
制作プロセスの記録としてあまりに稚拙な記述(各文章が150字以下・説明になっていない・メッセージなっていない)は提出物として認めない。

以上を厳守すること。

課題が進めば、絵日記にはダイアグラム・図面・レンダリングされたパース等が載ってくるはずです。最終提出のプレゼンテーションシートの要素を作る役割もあるのと自覚して下さい。
後半の絵日記はプレゼンテーションシートに近似の状態であり、最後は絵日記の要素をまとめるとプレゼンテーションシートになるという状態が望ましい。(制作過程自体が一つのダイヤグラムにもなる。)


教員による記録ブログ

授業外参加者の方の絵日記を歓迎します。(ブログ等へのリンクでも歓迎です。)

・スケジュール
(火曜日に全員がkmzを投稿。各自ダウンロードして絵日記を作成の上、木曜日までにモデルに変更を加え再投稿)
※dxfは投稿しなくても良い
※kmz及びpdfのファイル名は、学生番号_日付とする。(下記日程以外に投稿する場合は投稿日とする。)
※GoogleEarth上にモデルを配置したら、kmz保存の前に自分のセル・周辺のセル・その他興味を持ったセルにピンを置いてコメントを書く。メッセージ等も認める。
※kmzの保存の際は、フォルダを作成しモデルとピンを入れて保存する。
※kmz及びpdfのアップ、ダウンロードはこまめに行う事(回数とファイルを保存しているのでプロセス自体を評価します。)

6月15日(火)の18時までにkmzをアップする。(6月16日の全体kmzファイル)
6月17日(木)授業の開始時までにkmzを再度アップする。pdfファイルも同様にアップ
6月22日(火)の18時までにkmzをアップする。(6月23日の全体kmzファイル)
6月24日(木)授業の開始時までにkmzを再度アップする。pdfファイルも同様にアップ
6月29日(火)の18時までにkmzをアップする。(7月1日の全体kmzファイル Aクラス Bクラス
7月 1日(木)授業の開始時までにkmzを再度アップする。pdfファイルも同様にアップ
7月 6日(火)の18時までにkmzをアップする。
7月 8日(木)授業の開始時までにkmzを再度アップする。pdfファイルも同様にアップ
(以降は住宅としての設計とプレゼンテーション(特にプレゼンテーション)を主に取り組む。)

7月15日(木)授業の開始時までにkmzをアップする。pdfファイルも同様にアップ。アップロード用ページから紙面jpegを仮提出。(授業中にプレゼンテーションのエスキースを行う)
(jpegのアップローダーは13日に実装)

7月22日(木)18時までにアップロード用ページから最終提出
提出物:kmz、pdf、jpg
ファイル名学生番号_08
kmz最終版モデルと名前・説明文付きのピンを提出
pdf:制作絵日記を提出。最後のページに①最終課題の感想、②授業全体の感想・今後の目標を記述して下さい。
jpg:プレゼンテーションシートとして提出。プレゼンテーションシートの大きさはA2、画質8、解像度150、RGBカラーモードとする
外観・内観のレンダリング画像それぞれ一点以上平立断面図を2面以上ダイアグラムタイトル・説明文学生番号・名前を載せる。左記以外は自由とする。
レンダリング画像:視点を十分に推敲の上、完成度の高い魅せるための画像を作成する。添景・画像加工を施した物(photoshopを使用した物)とする。レイアウトに合わせてレンダリングサイズを調整する事。
平立断面図を2面以上:プレゼンテーション用にショードロー・説明が付加された物とする。
ダイアグラム:一点以上作成する。周辺環境との関係性、住宅としてのコンセプト、等
タイトル・説明文:プレゼンテーションシート用に推敲された物とする。私的記録に用いるような表現は用いない。
学生番号・名前:下部に記載する。

課題の評価は引き続き、CGの特性を生かしたモデリングと表現の完成度にて行うが、毎週の進み具合と絵日記の制作状況も多分に評価する。
投稿をしない・直前まで進めない事は周りの人に迷惑が係るため、大きく減点する。

 

↓and ↑ロードシティルール

1:予め設定されたクラス全体のコンセプト・都市計画は存在しない。誰かが生み出そうと働き掛ける事は認める。
2:任意で周辺の人と相談を行いながら課題を進めるが、相談は強制ではない。
3:任意でパスワードを教え合っても良い。
4:15mのセルに外部を意識しながら住宅を作る事を基本とするが、住宅以外の場合はピンで用途を説明する。
5:GoogleEarthに配置の際は必ず自分のセルにピンを置いてコメントを書き込む。 そしてフォルダを作成し一緒にkmz保存する。
5:周辺を完全に無視するのは推奨しない。(絵日記も作成出来なくなる…)
6:仮想空間での共同作業になるので、基本的なマナーはしっかりと守る。
7:教員が不適切と判断したオブジェクト(他人のセルにオブジェクトを配置している等)を削除する場合がある。
8:投稿者は記録用ブログ等での掲載を了承の上投稿を行う。

 

モデルの作成・投稿方法

Google SketchUp にインポート出来ればモデルの作成ソフトは問いません。 SketchUp にインポート後にGoogleEarthに配置し共有する手順は下記のpdfを参照して下さい。

授業内アナウンスのpdfファイル

ファイルアップ用ページ (Co_updaterと書かれているセルが授業外参加者用です。)

Aクラス:http://bon-lad.net/cadcg/2010a/uploader.php

Bクラス:http://bon-lad.net/cadcg/2010b/uploader.php

更新の練習として行った9mキューブの展示(まとめたkmzファイルのダウンロード) Aクラス Bクラス

投稿作品の権利は投稿者に帰属するが、投稿者は投稿をもって記録ブログ等での作品・言及の掲載について了承したものとする。

【追記】
今ダウンロード出来る SketchUpはdxfのインポート機能がついていません。下記をインストールして下さい。
http://sketchup.google.com/support/bin/answer.py?answer=161784&&hl=en


課題の制作にあたり意識したもの。部分と全体、個と集合、フラクタル、セミラチス、地域社会圏、超並列、超線形、カオス、自己組織化、アルゴリズム、ダイナミズム、
並行してコミュニケーション演習Ⅱにて、「BKCプロダクトデザインプラザ」も実施する予定です。。
CAD/CG演習「9mキューブ展示」のkmzファイル、プレゼンテーションシートの紹介作品も掲載する予定です。

授業担当:立命館大学理工学部 建築都市デザイン学科 建築情報・認知研究室 助教 山田 悟史 mail:sy@(@は半角に直して下さい)fc.ritumei.ac.jp
協力者:水谷裕也