政策分析技法入門 第11講 (2000年6月22日)



第11講 回帰分析1

講義の目的
1.回帰分析の基礎概念の理解
2.回帰分析は政策分析技法科目を学習するうえで有用なツールであることを理解する。
3.最小二乗法の基礎概念を理解する。

1.回帰分析(重回帰分析)
  2つ以上の変量を独立変数と従属変数に分け、独立変数の一定値と、
 それに対する従属変数の関係を分析する方法。

y = a + bx

:被説明変数、従属変数(結果)
  経営学の分野では「目的変数」と呼ぶこともある。
:説明変数、独立変数(原因)
a,b:パラメータ
a,bの具体的な値を求めることを「パラメータの値を求める」という。

 因果関係を数量的に把握すること。
 具体的には、a,bの具体的な値を求め、回帰式を求めることを「回帰分析」という。
(x1,y1)と直線上の点(x1,a+bx1)の差 1
1 = y1 ー (a+bx1


2.回帰分析の事例
 事例1:大気汚染と、喘息患者発生数の関係

  結果:喘息患者が発生する
  原因:大気汚染が原因ではないか?

  プロットされている点の傾向をもっとも的確に表している直線の式を求める。

 事例2:商品の販売予想
  ある店舗での6月の各日のジュースの売上

   気温 土曜 日曜 休日 とジュースの売上の関係
   これらが要因として成立するか。

  成立すれば・・・

要因分析ができる
短期的な予測に使える
 複数の説明変数がある場合を「重回帰分析」、説明変数が1つしかない場合を「単回帰分析」という。

 事例3:消費関数(Excelによる回帰分析のデモ)

    c = α + α

:可処分所得  α,αを求める。


3.最小二乗法
 回帰式(単回帰式)を求める方法として最小二乗法がある。
 最小二乗法は、「残差平方和」を最小になるようにパラメータa,bの値を決定する方法である。

  実際の点(xi,yi)と直線上の点(xi,a+bxi)の差を求める。

  ・(x1,y1)と直線上の点(x1,a+bx1)の差 1

1 = y1 ー (a+bx1)  (>0)
  ・(x2,y2)と直線上の点(x2,a+bx2)の差 2
2 = y2 ー (a+bx2)  (<0)
  正の値と負の値を加えると、差が相殺されてしまう。
・・・絶対値を用いるのは面倒なので、2乗して正の値にして考える。

1 = {y1 ー (a+bx1)}
2 = {y2 ー (a+bx2)}


  15 の和は、

  とあらわすことができる。
  この式を展開して整理すると以下のようになる。
 



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