本講演会では、昭和から令和元年までの時代を生きた性的マイノリティでもある“ひろ子ママ”を描いたドキュメンタリー作品『わたしの居場所~新世界物語~』の上映と、その内容を通じて、「不可視化されてきたマイノリティの経験を継承する」ことの困難さと重要性について考えます。
映画上映
『わたしの居場所~新世界物語~』
講演1
〈男性同性愛〉口述史の経験と課題─地域、経済、メディア
石田 仁(成蹊大学非常勤講師)
論考に「戦後釜ヶ崎の周縁的セクシュアリティ」『狂気な倫理』晃洋書房(2022年)、編著に『躍動するゲイ・ムーブメント──歴史を語るトリックスターたち』明石書店(2023年、近刊)など。
講演2
「レズビアン・デジタル・アーカイブス」の試みと課題─〈女性〉の活動を記録し公開することの困難に注目して
杉浦郁子(和光大学)
近著に『「地方」と性的マイノリティ:東北6県のインタビューから』青弓社(2022年)など。

日時
2023年3月17日(金)
15:30 ~ 18:30(15:00開場)
場所
(新型コロナ対策の上「対面」で実施)
定員
58名(事前申し込み制)

主催
立命館大学国際言語文化研究所ジェンダー研究会
カルチュラル・スタディーズ学会
映画上映
『わたしの居場所~新世界物語~』(2018年)
監督:武田倫和

あらすじ

大阪新世界、通天閣のお膝元にあるお好み焼き屋「千両」。毎日老若男女問わず多くの人で賑わっている。お客のお目当は鉄板カウンターで作るおいしいお好み焼きと店を切り盛りするオカマのひろ子ママ。ママと話がしたくてみんなが集まってくる。15歳で鹿児島から集団就職で大阪に出てきたママは新世界でオカマバーにスカウトされ、40歳の時に化粧を落とし「千両」の舞台にたち続けてきた。しかし30年目を目前に癌が見つかる。それを機に今までの人生を振り返り、52年間帰れなかった故郷、鹿児島を訪れる決意をする。新世界と鹿児島、ひろ子ママの生きてきた居場所を巡る物語。

プログラム内容
15:00
開場
15:30
開始
司会:岡田 桂(立命館大学産業社会学部)
ご挨拶:金 友子(立命館大学国際言語文化研究所ジェンダー研究会)
映画上映
『わたしの居場所~新世界物語~』上映(77分)
休憩(5分)
講演1
石田 仁(成蹊大学非常勤講師)(30分)
「〈男性同性愛〉口述史の経験と課題─地域、経済、メディア」
講演2
杉浦郁子(和光大学)(20分)
「「レズビアン・デジタル・アーカイブス」の試みと課題 ─〈女性〉の活動を記録し公開することの困難に注目して」
休憩(10分) 会場からご質問の受け付け
会場からの質疑応答とディスカッション(20分)
18:30
閉会