文学部 論理学概論I, 論理学概論II, 哲学英書講読LA, 哲学英書講読LB*
哲学特殊講義I(哲学専攻専門科目)
論理学I L, 論理学II L(基礎科目)
産業社会学部 論理学I S(前担当者病気のため、6月より担当)
経済学部・経営学部 哲学II*(教職科目)
夜間主コース 文学部 基礎講読*(哲学思想コース2回生小集団科目)
lun | mar | mer | jeu | ven | |
1 (9h00-10h30) | |||||
2 (10h45-12h15) | 哲学英書講読LA 諒831 | 論理学I S 諒387 | |||
3 (13h00-14h30) | 論理学概論I 清547 | 哲学特殊講義I 明82 | |||
4 (14h45-16h15) | 論理学I 啓331 | ||||
5 (16h25-17h55) | |||||
I (18h00-19h30) | 基礎講読 啓324 | ||||
II (19h45-21h15) |
後期時間割
lun | mar | mer | jeu | ven | |
1 (9h00-10h30) | 哲学II* | ||||
2 (10h45-12h15) | 哲学英書講読LB* | ||||
3 (13h00-14h30) | 論理学概論II 清547 | ||||
4 (14h45-16h15) | 論理学II 研631 | ||||
5 (16h25-17h55) | |||||
I (18h00-19h30) | 基礎講読* | ||||
II (19h45-21h15) |
講義内容・テーマ
「思考の理論としての論理」
記号論理学を武器として、有意味に思考可能なものの本性と限界を明らかにしようとした初期の分析哲学は、思考を言語的表象の操作(計算)とみなす心の理論を前提としていた。この授業では、心の理論との関係に注意しながら、前期ヴィトゲンシュタインとラッセルの理論を入口として、記号論理学のしくみを学ぶ。
授業の流れ(スケジュール・内容等の計画)
第1部(第1回〜7回) 命題の集まりとしての意味世界
--ヴィトゲンシュタン『論考』を手がかりに--
人間の思考の世界に内面的な反省の目を向けるとき、見いだされるのは、志向性を備えた表象である。こうした表象が命題形式を持つという、現代哲学に特徴的な考え方の明確な表現が、ヴィトゲンシュタインの『論理哲学論考』である。命題的な表象の有意味性はなんによって成り立ち、その限界はどこにあるのか。この問いに対するヴィトゲンシュタインの答えを理解するために、真理関数を中心に命題論理の基本的概念の習得を目指す。
第2部(第8回〜14回) 文法形式と論理形式
--ラッセルの理論を手がかりに--
人は、不特定のものや、存在するかどうかわからないものについても、考えることができる。そのとき、思考は何を表象するのか。ラッセルによる、「現在のフランス王」のように、現実に存在しないものを指し示す表現の分析を例に、不特定の対象を代表する記号(変項)を含む、述語論理のしくみ(限量)が持つ、言語と実在の関係という哲学的問題を解明する上での意義を考える。
評価方法・基準
授業の進行にあわせて、理解の程度を確かめる課題の提出を求め、その課題と授業への出席状況をもとにした平常点と、試験に代わるレポートとによって評価する。
テキスト
プリントを配布する。
参考書
L. ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』(法政大学出版局他)、B. ラッセル、清水義夫訳「指示について」、坂本百大編『現代哲学基本論文集I』(勁草書房)所収。
講義内容・テーマ
「分析哲学の発展と転回」
現代哲学の大きな潮流のひとつであり、記号論理学の成立を受けて出発した「分析哲学」の理論的発展と、現在迎えつつある転回の方向について考える。その中で、西洋の哲学的伝統、とくに近世の哲学を特徴づけるのと同じモチーフの展開に注意し、近現代の哲学を通じて流れる共通の主題を読みとることをめざす。
授業の流れ(スケジュール・内容等の計画)
第1部(第1回〜7回) 論理と知識の基礎づけ
--フレーゲから論理的経験主義まで--
基礎づけ主義の形而上学的前提と、道徳の問題の除外という特徴に注意しながら、以下のトピックを論ずる。
レポートと平常成績で評価する。
テキスト
プリントを配布する。
参考書
坂本百大編『現代哲学基本論文集I・II』(勁草書房)
クヮイン『論理的観点から』(勁草書房)
他、授業中に適宜指定する。
講義内容・テーマ
「現代アメリカ哲学の転回」
「分析哲学」が現代アメリカのアカデミックな哲学を支配している。この潮流の理論的発展と、現在迎えつつある転回の方向について、常にその先頭に身をおいてきた Hilary Putnam 自身の叙述を読む。哲学の現代的あり方の中に、哲学史を通じて流れる基本的主題を読みとることをめざす。
授業の流れ(スケジュール・内容等の計画)
第1回 イントロダクション
著者について。テキストの構成。授業の計画。
第2〜14回 テキストの叙述に沿って読解を進める。テキストの小見出しによってとりあげる題材を示せば以下のとおり。
授業への出席とテキスト訳読の担当による平常成績に、試験に代わるレポートを加味して評価する。
テキスト
Hilary Putnam, "A Half Century of Philosophy, Viewed From Within," 1997.(プリントを配布する)
参考書
授業中に適宜指示する。
テーマと授業目標
「哲学は人生の指針になるか」
古来哲学は、人間とそれをとりまく世界のあり方にかんする洞察をつうじて、よりよい人生を可能にするものと考えられてきたはずだ。しかし、ひとつの専門学科となった現代の哲学(とくに分析哲学)は、この役割を果たしえているだろうか。理性と情念の関係を軸に哲学の歴史を振り返り、哲学とよい人生の関係を再考する。
授業の流れ(スケジュール・内容等の計画)
第1回 イントロダクション
著者について。 -- テキストの著者、 John Cottingham はデカルト研究者として知られており、英訳版『デカルト哲学著作集』の共編訳者でもある。ともすれば見落とされがちな、デカルト哲学の持つ人間性と人生へのまなざしに注目のこと。
テキストの構成。授業の計画。
第2〜14回 テキストの読解を進める。テキストの構成に沿ってとりあげる題材を示せば以下のとおり。
授業への出席とテキスト訳読の担当による平常成績に、試験に代わるレポートを加味して評価する。
テキスト
John Cottingham, Philosophy and the good life, Cambridge University Press, 1998.(プリントを配布する)
参考書
授業中に適宜指示する。
講義内容・テーマ
「ヒュームにおける哲学的意識と常識的意識」
常識的世界を構成する概念の根拠のなさを暴露して、常識的世界をいったん解体しながら、そのあとただちに、その同じ概念が人間の自然本性から発生する過程を示し、常識的世界を再構成する。デイヴィッド・ヒューム(1711-1776)の哲学を特徴づけるこうした思考の道筋が、哲学的意識のあり方として持つ意義を考える。
授業の流れ(スケジュール・内容等の計画)
第1部(第1回〜第7回) 自然的世界の解体と構成
レポートと平常成績で評価する。
テキスト
なし(適宜プリントを配布する)
参考書
ヒューム『人間本性論』第1巻(木曾好能訳・法政大学出版局)/原書 A Treatise of Human Nature (Oxford University Press) 他、授業中に適宜指示する。
講義内容・テーマ
「人間の思考と論理--命題と推理」
現代論理学の初歩を題材に、人間の思考のすじみちを規則的・体系的に取り扱う方法について考える。より具体的には、論理と思考の関係・論理を表現する記号体系のしくみとはたらきについて一般的な理解をもつこと、命題論理を中心に、現代論理学の記号体系の基本的なしくみを理解することを目標とする。
授業の流れ(スケジュール・内容等の計画)
I. 論理とは何だろうか(第1回〜第3回)
人間の思考と行動のあらゆる場面で、命題形式をもった記号表現が大きな役割を果たす。仮説として、人間の思考は記号表現の操作であると考えると、論理とは、その記号操作のしくみにあたる。
・記号操作のもとになるもの--命題どうしの論理的関係。
・記号の体系のしくみを記述するための基本概念--統語論と意味論。
II. 命題論理のしくみとはたらき(第4回〜第11回)
人間の思考を構成する記号操作のしくみは、単純で基本的なレヴェルから、より複雑で派生的なレヴェルへと、いくつかの層をなす構造をもっている。一番基本的なレヴェルにあるのが、命題の内部構造には立ち入らず、ひとつひとつの命題をいわば単純な原子として取り扱う命題論理である。
・命題論理の統語論--命題変項と論理結合子(否定、条件、選言、連言)。
・命題論理の意味論--式と真理関数。対偶則、ド・モルガン則他。
・論理的な正しさの理論--妥当性と真理。妥当性の判定。
III. さらに広がる論理の世界(第12回〜第14回)
命題論理を土台に作られるひとつ上のレヴェルの体系が、述語論理である。こうして、さらに複雑な体系が作られてゆき、そうした体系について、驚くべき発見がなされてきた。
・述語論理のしくみの基本。
・メタ論理の世界--ゲーデルは何を示したか。
授業の方法
授業の進行にあわせて、理解の程度を確かめる課題を課し、提出を求める。
評価方法・基準
上記の課題と授業への出席状況をもとに平常点で評価するが、受講人数が多く、平常点による適切な評価が難しい場合には、他に筆記試験をおこなう場合がある。
テキスト
プリントを配布する。
参考書
内井惣七『いかにして推理するか いかにして証明するか』
同『真理・証明・計算--論理と機械』(いずれもミネルヴァ書房)
リチャード・ジェフリー、戸田山和久訳『形式論理学』(産業図書)
その他
頭の中だけで考えるのでなく、考えのすじみちをかたちに表す習慣をつけよう。
講義内容・テーマ
「人間の思考と論理--ことばともの」
論理学Iにひきつづき、現代論理学の初歩を題材に、人間の思考のすじみちを規則的・体系的に取り扱う方法について考える。論理学IIでは、第一階の述語論理を中心にとりあつかう。とくに、不特定のものを代表する記号を用いた、一般的な命題の表現のしくみをマスターし、述語論理のしくみと哲学的分析との関係についても考えてみる。
授業の流れ(スケジュール・内容等の計画)
I. 述語論理をはじめる前に(第1回〜第3回)
論理を表現する記号体系の一般的なしくみと、述語論理の土台になる命題論理について、基本を確認する。
・記号の体系のしくみとはたらき--統語論と意味論。
・命題論理のしくみの基本--論理結合子と真理関数。
II. 述語論理のしくみとはたらき(第4回〜第11回)
述語論理は、命題論理とちがって、命題の内部構造を表現するしくみをもっている。このような表現のしくみによって、述語論理は命題論理よりはるかに広い範囲の推理パターンをカヴァーする。
・変項と述語--ものを表わす記号と、性質や関係を表わす記号。
・変項と限量--不特定のものを代表する記号。「すべて」と「ある」。
・述語論理の意味論--モデルと論理的真理。推理の妥当性の判定。
III. ことばとものの哲学(第12回〜第14回)
不特定のものを代表する記号の働きは、ことばがものを名指すという素朴な図式では理解できない。ここから生じる哲学的問題について考えてみよう。
・「現在のフランス国王はハゲなのか、ハゲではないのか」--存在しないものの名指し?
・本当の名前はどこにある?
授業の方法
授業の進行にあわせて、理解の程度を確かめる課題を課し、提出を求める。
評価方法・基準
上記の課題と授業への出席状況をもとに平常点で評価するが、受講人数が多く、平常点による適切な評価が難しい場合には、他に筆記試験をおこなう場合がある。
テキスト
プリントを配布する。
参考書
内井惣七『真理・証明・計算--論理と機械』(ミネルヴァ書房)
リチャード・ジェフリー、戸田山和久訳『形式論理学』(産業図書)
その他
頭の中だけで考えるのでなく、考えのすじみちをかたちに表す習慣をつけよう。
講義内容・テーマ
「哲学と人間の自己意識」
これまで多くの人々がさまざまな哲学的学説を生み出してきた。それらを学ぶことの意味を納得するためにも、まず、哲学の問題を、自分自身の中に見つけることが大切である。自己のあり方に向けられた反省的意識の発展を手がかりに、哲学の問題が発生する根源に迫りたい。
授業の流れ(スケジュール・内容等の計画)
「近世哲学の父」とよばれるデカルトは、『方法序説』において、学問の方法論を、自己の精神史を語ることを通じて語った。このことにも見られるように、哲学の問題は、典型的に、人間の意識の中で、自己の存在、また、自己と他の人々を含む人間存在のもっている特別の位置をめぐって生ずる。自己の特別さ、人間の特別さという視点を導きの糸として、以下のようなテーマを、それぞれ2〜3回で取り扱う。
平常成績および試験に代わるレポートで評価する。
テキスト
トマス・ネーゲル『哲学ってどんなこと?』(昭和堂)
参考書
授業中に適宜指示する。
講義内容・テーマ
「自分自身のうちに学問を見いだす La science qui se trouve en moi-meme」
これまで、哲学の歴史的流れや過去の学説を学び、また、自己の生活や現代の世界で起こる出来事に触れて、それぞれの人がもっている問題意識があることだろう。この授業では、個人個人の問題意識を明確にし、それを普遍的な学問のテーマとして展開させていく土台を作ることを目標とする。各人の問題意識を位置づける座標軸を設定するために、近代の哲学の原点であるデカルトの著作を、考察と討議の主な題材として、とりあげていく。
授業の流れ(スケジュール・内容等の計画)
前期の最初の数回の授業では、大学での最初の一年を終えて、各人が哲学とかかわって考えていることを、学生の側から話してもらう。
こうして問題意識を交流し、共有できる部分は共有しあったのちに、各人のなかで、それに学問的な意味づけを行なっていくようにする。
授業では、デカルトが、自らの精神の歩みを語ることを通じて、自分の学問・哲学のあり方を明らかにした『方法序説』を読み進める活動を中心に、個人の自己反省と普遍的な学問の関係について考えていく。ただし、デカルトのみにとらわれるのではなく、他の哲学者やテーマにも言及しながら、近代の哲学、西洋の哲学の性格全般に考察を及ぼすようにしたい。
前期に各人が到達した地点を、夏休みのレポートとしてまとめてもらう。
後期は、夏休みのレポートでまとめた内容をもとにした、学生による発表と討論を中心とする。関連するテクストやテーマについての教員によるレクチャーは、随時行なっていく。
こうして、各人が設定したテーマをより掘り下げてゆき、最終のレポートとしてまとめあげていく。
授業の方法
期末のレポートに加えて、授業期間中にも、小エッセイ等の課題を課し、書いてまとめる力を鍛えていく。
評価方法・基準
前期の出席・エッセイなど平常点25%、夏休みの宿題レポート25%、後期の口頭発表および平常点25%、後期末レポート25%の比重で評価する。
テキスト
『世界の名著27 デカルト』(中央公論社、中公バックス)
参考書
野田又夫『デカルト』(岩波新書)他、授業中に適宜指示する。
その他
自分の考えを心のなかにしまってしまわず、言葉にするようおたがいにつとめ、遠慮なくものの言える雰囲気を作っていこう。