たたら製鉄とは

たたら製鉄の様子

たたら製鉄とは日本古来の製鉄法です.現在の高炉法では鉄鉱石とコークスを用いてまず銑鉄をつくり,その後転炉により脱炭することで間接的に鋼を生産しています.一方,たたら製鉄法では鉄鉱石の代わりに砂鉄,コークスの代わりに木炭を利用し,高炉・転炉法と比べて低温度・高い酸素ポテンシャルの条件で直接鋼を作る手法です.

たたら製鉄で作られた鋼(鉧(ケラと読む))は高品質で,この方法で作られた鋼でないと日本刀は作れないと言われています.一方,たたら製鉄は生産効率が悪く,昭和初期には現代製鉄法に取って代わられましたが,粉末製錬法であることや低温度・高酸素ポテンシャルをうまく利用している点は,新製鉄法の鍵となる可能性があります.また,モノづくりを学ぶ教材としても非常に有効で,当研究室ではこの方法を積極的にモノづくり教育に活用しています.