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2012年度講演会・第13回総会・懇親会報告

平成24年6月30日(土)午後、京都ロイヤルホテル&スパにおいて2012年度立命館大学法学部同窓会総会が約130人の参加を得て開催されました。

赤木文生会長の挨拶の後、総会に先立ち株式会社 美濃吉 代表取締役社長の佐竹力総氏による「世界に誇る日本の食文化 ― 近くて遠きもの これ『食』なり −」と題する講演会が開催されました。

講演前の担当者との話の中で、佐竹氏の学生時代は、通産官僚で民法学者の我妻榮先生の指導を受けられた父上の教えに従い、末川博先生がいらっしゃった本学法学部に進まれましたが、学園紛争真っ只中の広小路に於いて、スポーツカーに乗り、当時の学生課長にゴルフ部の創設を申し入れるなど、当時では異色の存在だったと伺いました。

昭和45年に法学部を卒業された後、渡米し、サンフランシスコ市立大学ホテル・レストラン学部を卒業された佐竹氏は『美濃吉』十代目当主として三百年の永きに亘り引き継がれてきた京料理の伝統を時代に応じて展開され、旗艦店の『竹茂楼』を頂点に『美濃吉』を中核とし、デパ地下(デパート地下の食品売り場)にある『惣菜売店』に至るすそ野の広い「富士山型経営」を形成されました。

次いで、自国の文化を正しく語ることが真の「国際性」であり、「花鳥風月」や「雪月花」に表される四季の変化を愛でる心、自然と共生する繊細な四季の「食文化」が日本人の原点だと説かれました。更に遣隋使に遡る日本料理の歴史や、東西に分かれる「文化境界線」や「上方文化と江戸文化」の違い、東西の「だし」の違いなどを語られました。

そして、「和食」は日本人の伝統的な食文化であり、ユネスコ世界無形文化遺産への登録申請がされることで、国が食を文化として認め、食生活の欧米化で失われた日本の食文化を学校現場での次世代への「食育」で再生できる、と語られました。また、日本の食文化は年中行事や人生儀礼と結合し、国土や風土に根ざした新鮮な食材が発酵調味料の使用で米飯とバランスよく提供されているところに特色があると語られました。

最後に「京料理」とは季節を「見た目の美しさ・香り・美味しさ・肌合い・心」の五感で味わう料理であり、「出汁」を基本に素材を生かし、季節感を醸し出す料理であり、簡便性ばかりが優先される現代においては、大変手間のかかる「絶滅危惧種」のような存在であるとユーモアを交えて語られました。

講演会に続いて開始された総会では法学部同窓会ホームページの更新・充実のための事業計画・予算が承認され、講演を頂いた佐竹力総氏が同窓会副会長に新たに選任される人事案が承認されました。

その後に開催された懇親会では、竹修法学部長の挨拶、赤木会長による乾杯の後、佐竹氏のサイン入りご著書が当たる抽選会などが催されました。また、今回の同窓会へは、過去最多人数の先生方にご参加いただきました。立命館大学名誉教授では生田勝義先生、井戸田侃先生、中谷猛先生、久岡康成先生、法学部からは竹修法学部長をはじめ9名の先生方、法科大学院からも松宮孝明法務研究科長をはじめ7名の先生方が出席され、参加者一同恩師や同級生と旧交を温める楽しいひと時を過ごしました。

広報担当幹事 宮西徳明・古角博子・小森田繁樹






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