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2015年度講演会・第16回総会・懇親会報告

2015年6月21日(日)午後、京都ロイヤルホテル&スパにおいて2015年度立命館大学法学部同窓会総会が約120人の参加を得て開催されました。

会場では学園紹介の広報映像が流され、赤木文生会長の挨拶の後、総会に先立ち本学文学部1975年卒業の大阪校友会会長、追手門学院成熟社会研究所所長を始め各種公職を務められる佐藤友美子氏による「世代間ギャップを越えて − 成熟社会を共に生きる −」と題する講演会が開催されました。
佐藤氏は大学卒業後、サントリー株式会社に入社され、1989年「生活の中の楽しみを研究し、社会のダイナミズムを探る」サントリー不易流行研究所、2005年「次世代が夢をもてる社会を研究する」サントリー次世代研究所、2008年サントリー文化財団に所属し「地域文化や働き方」を研究されてきました。これらの組織はいずれも「人間の生命の輝きをめざす」サントリーの社是を実現するために開設されたものでした。2013年には追手門学院に着任され、これまでの研究成果を基に、地域文化、次世代の自立と自立のための環境づくりについて研究されています。
日本が「成長」をめざした社会から、多様な選択肢のある成熟社会に向かうには、かつて経済成長を目標として頑張ってきた世代と、生まれた時から豊かで便利な社会を生きる若者との間の「世代間ギャップ」を互いに理解し、その上で各世代が関わりあい、価値のあるものを創り出すことが求められます。成熟社会とは物質文明と共存しながら、それに依存しない社会であり、すべての人がかけがえのない個人として社会と関わって生きることができる社会だと言えます。
世代によって多くの違いはありますが、どの世代にも共通なのは「人に認められたい・人の役に立ちたい・成長実感が欲しい」ということです。また、大人だけが成熟可能なのではなく、子供には子供、若者には若者の成熟があり、その時々を充実して生きることが自立につながると言えます。
「世代間ギャップ」を解決するひとつのヒントとして、人のつながりを重視した地域の取り組みが挙げられ、それぞれが出来ることを持ち寄る「つながりのコミュニティ」が日本の各地において見られます。地域の人たちが地元に根ざし、知恵を持ち寄り、緩やかな結びつきを通じて、持続性のあるビジネスモデルを展開されています。過疎化が進む離島であった島根県の海士町(あまちょう)の例では、島のブランド化のために、若者を受け入れ、就業支援することで商品開発を進め、また魅力的な教育により島外より学生を集めるなど、島全体で独自の離島振興計画を進めており、このような日本各地の実践例に多くのヒントがあります。
佐藤氏は「成熟社会」のキーワードは「信頼」であり、若者の可能性を認めて、成長と自立を促し、若者以外の世代も若者から刺激を受けて変化することで、穏やかで明るく面白い社会を創り、共に生きていくことが理想であるとお話しされました。

講演会に続いて開始された総会では各種報告、承認議案の後、校友会設立100周年記念事業特別委員会の荒木幸彦委員長より来る2019年の校友会設立100周年記念事業計画についての報告がありました。

その後開催された懇親会では、吉田美喜夫新総長の来賓挨拶、宮井雅明法学部長による衣笠キャンパスの現状報告を踏まえた開会の挨拶、赤木会長による乾杯の後、抽選会などが催され、進路・就職リーダーの「プレスメント・リーダー」の学生達も参加し、立命館大学邦楽部による筝の演奏などが披露され、参加者一同恩師や同級生と旧交を温める楽しいひと時を過ごしました。

広報担当幹事 宮西徳明・古角博子・小森田繁樹








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