★てこちゃんについて★

てこちゃんは、『山海経』に記載された帝江をモデルにした中国文学専攻ホームページのイメージキャラクターです。

 愛称:てこちゃん
 特徴:六本の足と四つの翼がある。目鼻口などは無いが、気によって意思伝達ができる。いろんな色のてこちゃんがいる。
 性格:
寡黙で穏やか。
 好きなこと:中国古典文学・思想について学ぶことと歌舞鑑賞。
 住処:立命館大学衣笠キャンパス。
     某教員の個人研究室にひっそりと住んでいるが、小さな分身が清心館の中国文学専攻共同研究室などにいる。
     見るといいことがあると言われている。


※Twitterはじめました!(2014/10/31) →てこちゃん

★『山海経』とは★

漢代頃までに成立したとみられる地理書。上古から周にいたる歴史・民族・宗教・医薬・神話伝承などを収録し、多くの山・川・植物・鉱物・動物・周辺諸国などについての記載があります。もともと図があってそれに解説をつけたもののようですが、原図は失われて伝わっていません。現在附けられた図は明・清以後補われたものです。記述にしたがって描かれた人物・動物などの姿はときに奇妙で、まるで妖怪図鑑を見ているかのようですが、どこかユーモラスな印象を受けます。

テキストとしては『四部叢刊』本・『叢書集成』本などがあり、図は明の胡文煥『山海経図』や『古今図書集成』博物匯篇に収められたものなどがあります。
(写真は胡文煥格致叢書刻本『山海経図』、中国古代版画叢刊二編第一輯所収)

★帝江について★

帝江は『山海経』巻二西山経に出てくる神で、『山海経』本文には、

……曰天山、……有神焉、其状如黄嚢、赤如丹火(郭璞伝:体色黄而、精光赤也)、六足四翼。渾敦無面目、是識歌舞、実惟帝江也。(伝:……荘生所云中央之帝混沌為儵忽所鑿七竅而死者蓋假此以寓言也。)

…天山といい、……(そこには)神がいて、その形状は黄色の皮袋のようで、丹火のように赤く(伝:体の色が黄色で、精光(オーラ?)が赤色である)、六本の足があり四つの翼がある。ぼんやりもやもやとして顔や目は無く、歌舞に精通しており、実はこれが帝江なのである。(伝:……荘生の云うところの中央の帝混沌、儵・忽に七つの穴をあけられて死んでしまったというのは、思うにこれに仮託して寓言したものである。)

とあり、目鼻は無いのですが意外にも歌舞に精通しているとか。ちなみに清代の学者、郝懿行は「有神焉」の「焉」を『初学記』『文選』の文に従って「鳥」とし「神鳥」の誤りであろうとしています。
伝にある荘生云々というのは、『荘子』応帝王篇にある話で、

南海之帝為儵、北海之帝為忽、中央之帝為渾沌。儵與忽時相與遇於渾沌之地、渾沌待之甚善。儵與忽謀報渾沌之德、曰、人皆有七竅、以視聽食息、此獨無有。嘗試鑿之。日鑿一竅、七日而渾沌死。

南海の帝を儵(しゅく)といい、北海の帝を忽(こつ)といい、中央の帝を渾沌(こんとん)といった。儵と忽とはときどき渾沌の土地で会ったが、渾沌はとても手厚く彼らをもてなした。儵と忽とはその渾沌の恩に報いようと相談し言った、「人は誰にでも(目・耳・鼻・口の)七つの穴があって、それで見たり聞いたり食べたり息をしたりしているが、渾沌だけにはそれが無い。ためしに穴をあけてあげよう。」そこで一日に一つずつ穴をあけていったが、七日目に渾沌は死んでしまった。

というものです。良かれと思って自分たちの常識・規範を相手にあてはめようとした結果、生命を奪ってしまったという寓話になっています。そんなわけで、目や口が無いのはやや違和感があるかもしれませんが、描き加えてはいけません。

なお帝江のこの形象については、やや異なるものもありますが諸本およそ同じような姿で描かれており、馬昌儀氏『全像山海経図比較』(学苑出版社、2003年)では、おそらくもとになる図があったのだろうと推測しています。
(画像は清代の呉任臣注本(左)・明代の蒋応鎬図(右)
 帝江図帝江図
 帝江と歌舞については矢島明希子氏の「五蔵山経における舞―帝江と鳥の舞」(伊藤清司著 慶応義塾大学 古代中国研究会編『中国の神獣・悪鬼たち―山海経の世界 増補改訂版』所収、東方選書44、2013)で考証されており、「歌舞を識る」というのは歌舞をもって祀るという意味であろうとされています。 

★仲間紹介★

刑天(形天) 同じく『山海経』に記載された神。帝江とともに『山海経』の二大スターと言っても過言ではないでしょう(過言か)。
『山海経』海外西経には、

形天(刑天、また刑夭・形夭とする本もあり)與帝至此爭神、帝斷其首、葬之常羊之山。乃以乳為目、以臍為口、操干戚以舞。

形天は帝(黄帝か)と神位を争い、帝はその首をはね、常羊の山に葬った。すると乳が目になり、へそが口になって(復活し)、盾と斧をあやつり舞った。

とあります。袁珂氏の注によれば名前の刑天とは断首の意味で、無名の神が処刑されたのち「刑天」と名付けられたとのこと。
この刑天は本によって形象がやや異なりますが、清代の呉任臣『山海経広注』のものを参考にしました。(左図)
製作時のミスで上半身が反転してしまい左ききになっているとか、口がでかすぎるとか、盾が野球のホームベースのようになっているとか、目が眠そうとかいろいろ問題はありますが大目に見てください…。毛皮をつけていますが冬仕様です(着替え可)。
 刑天図刑天

★新しい仲間が増えました★

なんとてこちゃんが三体増えました。
これで五行の色が揃いました。
 
     
てこちゃん(黒)
穏やかなてこちゃん(白)のストレスが具現化して分裂した姿(うそです)。
見た目は暗いが実は寂しがり屋。 
他のてこちゃんと一緒に撮影すると真っ黒になってしまうのが悩みの種。
てこちゃん(青)
夏見ても暑苦しく無いように涼しげな姿。
いつもクールな性格。
綿の加減でちょっとむちむちした感じに見えてしまうのが悩みの種。 
 てこちゃん(ピンク)
赤にしようと思ったが諸事情(布地の在庫)によりピンクに。
社交的で明るい性格。
前足の綿がいつのまにか減ってしまったのが悩みの種。
 てこちゃん(緑)が仲間に加わりました!

五行とは関係ないけれど…
緑の毛と羽で見る人を癒してくれます。
ちびてこちゃんは、京都らしく苔をイメージした羽の色でわびさびを表現してみました。

ただし強く撫でると細かい毛が抜けるので注意。
 また新たな仲間が加わりました!(2016.9)
 想子さん(左)
さっぱりした性格。思ったことをすぐに口にする。
刑天と割と話が合うらしい。
 師匠(仮称)(右から二人目)
姓名は謎。てこちゃんたちとともに神出鬼没する。服装は戦国~漢代っぽいものを着ている。鍼治療が得意。
 文也くん(右)
おっとりした性格。中国文学・思想に興味がある。
実は師匠の弟子のつもりで結髪で作っていたのを気が変わって切ったので髪型がこんな風になっている。
またまた新たな仲間が加わりました!(2017.4)
  
 とおるくん(左)
即位したので、これからとりあえず漢文文法から勉強しようと思っている。年齢は中学生くらい。
 杜ぽさん(右)
詩人。難しい顔をしているが気難しい性格ではない。「簪に勝へざらんと欲す」という杜甫に比べてじゃんじゃん簪がさせそうな髪がひそかな自慢。
 
 

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ちびてこちゃん旅行記

2013年冬、ちびてこちゃんが浙江省を旅してきました。その時の旅行記です。

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2014年春、ちびてこちゃんが芸文研の仲間とまたまた浙江省を旅してきました。その時の旅行記です。

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2015年夏、ちびてこちゃんが芸文研の仲間と再び浙江省を旅してきました。その時の旅行記です。

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