E.I さん

1日目:8月22日

朝8時に関西空港に集合し、上海浦東空港へ出発。上海につくとすぐ乗り換えのためバスで虹橋空港へ行き、上海から国内線で河南省の鄭州へ。一緒に行った友人はみんな乗り物酔いがひどく、移動中ずっと寝ていた。わたしは乗り物大好きなので寝ずに飛行機の中から空の写真を撮りまくった。
鄭州につくとバスで開封のホテルまで移動した。三人部屋で、ひとつは簡易ベッドだったので、誰が簡易ベッドで寝るかじゃんけんで決めた。(わたしが負けた。)簡易ベッドはちょっとかたかった。
ひたすら移動の一日だった。

 


2日目:8月23日

さあ今日から本格的に観光するぞ〜と意気込んで起床。でも少し寝坊した。腰が痛かったのはベッドがかたかったからか?
バスでまずついたのは清明上河園という、北宋の町並みが再現されたところ。中の従業員の人たちもみんな時代劇みたいな服を着ていた。日本の映画村のようなものだろうか。
残念だったのは、開場式(?)のときに騎馬隊のような人たちが馬で登場するパフォーマンスが全然見えなかったこと!日曜日で人が多かった上、わたしは背が小さいので(153㌢)、全く見えなかった。無念。

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風情があって素敵。こういう所はできれば北宋時代の服を着て練り歩きたい。

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次に、竜亭風景区へ。階段がつらい!

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上から見た風景。水に囲まれていてきれい。

この日一番きつかったのは、鉄塔登り。この塔は鉄ではなくて瓦でできていて、千年ほどの歴史を持っている。色が鉄のように見えるので“鉄塔”と呼ばれる。中の階段は狭く真っ暗で、登っていると何かの修行をしている気分になった。汗でどろどろになったが、登ったあとはやりとげたぞ!というすがすがしい気分に。ただしこの後旅行中ずっと足腕ともに筋肉痛で苦しんだ。恐るべし鉄塔。

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その後は大相国寺に行った。旗が派手。

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『水滸伝』の魯智深が木を引っこ抜いた場所らしい。水滸伝好きの友人が大興奮していた。

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四面になっている千手観音。なんと一本のいちょうの木から彫られたのだそう。黄金色に輝いていてまぶしかった。

その後、禹王台へ移動。ここは李白、杜甫、高適が訪れた場所で、古吹台には3人の像がある。 左から杜甫、李白、高適。なぜかついている黄色のマントがかっこいい。李白好きの友人が大興奮。李白とツーショットで写真を撮っていた。

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夕方、バスに乗って鄭州へ。鄭州の街は黒川紀章がデザインしたらしい。高いビルやマンションも多く、整備されていてきれいだった。夜は鄭州を散歩して、芒果冰沙(マンゴーのかき氷みたいなもの)を食べた。おいしかった。 暑い中歩き回って疲れたけど充実した一日だった。

 


3日目:8月24日

三日目、起きてすぐ足が痛いことに気づく。前日の鉄塔登りで筋肉痛になっていた。着替えたり朝食を運ぶのにも一苦労。地味に痛いのが、バスの乗り降りでの階段。太ももにかなりきていた。日頃の運動不足を実感。
この日はまずバスで鄭州の博物館へ行った。青銅器がたくさん所蔵されている。小さな酒器や食器もれば、大きな人型、動物の像、楽器まである。模様の繊細さにも、像の大きさにもおどろいた。青銅器は鋳型を使ってつくっていたのだそうだ。

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(フラッシュ禁止だが)博物館などで写真撮り放題なのはうれしい。

 

次に鄭州傲墟を見学。殷代の城壁が一部残っている。 こんな大昔のものが残っているなんて…と感動。横に階段がついているので上ることもできる。何千年も前の城壁に上ったり触ったりできるなんてなかなか無い。

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そのあとバスで安陽に移動。 そしてついたのが、岳飛廟。岳飛は忠義の英雄として崇められている。

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上に掛けられた「我が山河を返せ」は岳飛が書いた文字だそう。

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若かりし日の岳飛の絵。弓を構えて得意気。 中国の人は本当に岳飛を愛しているなぁ、と実感。

 

 

次に行った羑里城は、中国最古の監獄で、周の文王が軟禁された場所。易経を完成させた場所でもある。周の文王は82歳だったそうで、その長生きっぷりにも驚く。

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ここもまた立派で広い。中には周の文王の像や絵がたくさん飾られていた。

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占っております。

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諸葛公明の罠(の再現)。この迷路、わたしは人の後をついて歩いていただけだったのに本当に大変だった…出口に着かず、何十分か歩き続けた。公明の罠は怖い。

この日も汗まみれになりつつ中国の広さと歴史を感じた一日だった。安陽泊。

 


4日目:8月25日

この日もまだ筋肉痛で足が痛い。しかし毎日たくさん歩くので鍛えられてきた気もする。 この日最初に行った鄴都(魏の最初期の都)では、曹操がお出迎えしてくれた。

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どどーん。

中には建安七子の像も。
その後、兵馬俑と並ぶ二十世紀最大の発見、殷王朝の都・殷墟へ向かった。 殷墟はさすが世界遺産なだけあって、周囲も中もきれいに整備されていた。真っ赤な門がなかなか派手。 殷墟で最初に見たのは婦好墓。婦好は殷の王様武丁の妻で、女性将軍だった人だ。 中では王族の墓に納められた青銅器の食器や酒器、玉でできたかんざしなどの装飾品、甲骨文字などを見学。犠牲として墓に入れられた動物や人間の骨はレプリカもあれば本物が展示されている所もあった。3000年以上昔のものを今わたしたちが見ているんだと思うと、なんだか不思議な気分になった。それにしても殷墟は広い。都としての規模の大きさを実感。

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りりしい婦好様。

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殷代の墓に納められた戦車(実物)

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殷墟の再現図。

殷墟の後は、安陽のシンボル文峰塔で、再び塔登りをした。この塔は赤、緑など色がきれいで、上にいくにつれ太くなる珍しい形をしている。1000年ほどの歴史があるそうだ。この塔の内部は二日目の鉄塔よりも階段の幅が広くて登りやすかったが、せっかく治まりかけていた筋肉痛が再びひどくなったので、そのことについては登った後少し後悔した。でも上まで登ると涼しくてさわやかな風が吹いていて心地よかった。

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文峰塔

夕方から鄭州に戻り、2日目と同じホテルに泊まった。夜、再び鄭州を探検し、静かなカフェでコーヒーのシャーベット?のようなものを食べた。店員さんがにこやかで素敵な店だった。 四日目は中国の歴史の原点を堪能した一日となった。

 


 5日目:8月26日

この日はじめに行ったのは、北宋皇陵。ここは北宋の7人の皇帝、21人の皇后、300の皇族と大臣が埋葬されている、最大規模の陵墓である。門に着くまでがすでに広い。

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ところが残念ながらこの日は門が閉まっていて、中に入ることができなかった。右は門の下の隙間にカメラを入れて撮った写真。閉まっていたので先生方もみんな貪欲に隙間から写真を撮っていた。
その後別の宋陵へ行った。奥にある小さな丘に登った。とげのある植物がたくさん生えていてかなり痛かった上、滑り落ちそうで怖かった。実際下りる時に滑って、前を進んでいた友達の手を踏んでしまった。ごめんなさい。あと助けてくれた先生、ありがとうございました。
その後移動の途中で書家として有名な顔真卿の墓に立ち寄った。墓は村の中の草むらにあって、あまり整備されていないことが意外だった。
その後商城博物館を見学し、中国における仏教発祥の地、白馬寺へ向かった。白馬寺は中国最古の仏教寺院で、インドから来た僧が乗っていたのが白馬だったことが名前の由来だという説がある。中には十八羅漢像がある。写真は涅槃仏像。お花に囲まれていてファンシー。

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白馬寺にあるインド様式の寺院。最近できたもの。中国で思わず出会ったインドに興奮。
その後、バスで洛陽へ移動。

 


6日目:8月27日

6日目はとうとう世界遺産、龍門石窟に行った。龍門は伊水(黄河の支流)の西と東にある山を切り開いて造った石窟寺院で、北魏時代から400年あまり彫られ続けた。賓陽洞の如来座像と奉先寺洞の盧舎那仏が特に有名。実際にその場に立つと、スケール、雄大さに圧倒される。しかし大きいからといって威圧感があるわけではなく、やさしいまなざしを感じた。ただ、非常に熱いので、見て回るのは少々つらかった。 東山には詩人白居易が晩年を過ごした香山寺があり、そこには白居易の墓もある。

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白居易の墓。

龍門を見学してぐったり疲れた後の昼食はおいしかった。友人は特に白菜がお気に入りだった。

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午後からは有名な三国志の関羽の廟(関林)へ行った。ここで自分の名前を彫った印鑑をつくってもらった。前に中国に行ったときにつくれなかったので今回つくることができて満足。

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光り輝く関羽様。

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寝ている関羽様。

 


7日目:8月28日
7日目は少林寺拳法で有名な嵩山・少林寺へ。歴代の最高僧の墓である塔林や、演武のパフォーマンスを見学。僧が指を鍛えるために木を突き続けて、虫の巣穴のような窪みができているものもあった。少林寺拳法はすごい。まさに修行の賜物。

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少林寺の後は嵩陽書院、中嶽廟などを見学。

この日は河南省を離れて上海へ行った。次の日にはもう日本に帰るのかと思うとすこし名残惜しかった。この時まだおみやげをあまり買えていなかったので次の日豫園と上海書城でがんばろうと決意。夜は中国の子供向けアニメを見て盛り上がった。ただ、内容は何となくしか理解できない。同じ部屋の友達が“雰囲気同時通訳”をしてくれた。

 



8日目:8月29日

とうとう最終日。この日は自由行動だったので、友達と三人で豫園と上海書城へ行った。豫園へ来るのは2回目だったが、店の入れ替わりが激しいのか、前に来た時にはなかった店もあった。上海万博グッズの中に去年の北京オリンピックのグッズを混ぜている店があるのには笑ってしまった。
昼食は豫園で小龍包を食べようと決めていたのに、あまりの人の多さに断念し、マクドナルドへ入った。味は日本のものと変わらなかった。少し残念だったが集合時間があるので仕方がない。茶器や食器を買ったせいで重いし箱がかさばって大変だった。荷物が多すぎて、Tシャツ屋さんのおじさんが大きい袋をくれた。謝謝。
豫園の後はタクシーで上海書城に行った。ここも2回目。相変わらず人が多い。あと床に座りこんで本を読んでいる人も多い。西遊記の本とクリムトの画集を買った。クリムトの画集は日本で買うより絶対安いと思って買った。中国はタクシーも安い。
午後3時にホテルに集合し、リニアモーターカーで空港へ行った。リニアモーターカーはドイツ製らしい。
空港の免税店でもいくつか買い物をして、お茶などを購入。その後、飛行機が少し遅れたが、無事日本に到着。関西空港のバス乗り場で少し迷った。
あっという間に過ぎた一週間だった。途中、ホテルで簡易ベッドが壊れたり、オレンジジュースが熱くて湯気が出ていたりと驚くことがたくさん起こったし、暑くて疲れて体力的につらいときも多々あったけど、周りの人のサポートで快適に楽しく過ごせた。ガイドさんもとても優しくておもしろい方だった。ありがとうございました。
この旅行では、自分ではなかなか思いつかないような珍しい所に行けたのがよかった。中国に来る度に(と言ってもたったの2回だが)、中国おもしろいな、また行きたいなと思う。また行くと思う、多分。

 


 

 


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