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第6回 スポーツを伝える。

 

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第6回 「土曜スポーツタイム」を筆頭に、テレビやラジオで数々のスポーツ選手の魅力を伝えてきた一橋アナウンサー。講義では、スポーツ報道はもちろん、人に何かを伝えるときに大切なことについてお話しされた。

 

<講義概要>
 まず、ラジオとテレビでのスポーツ実況の違いを説明された。ラジオはその場で起こっていることを話せば実況になる。しかし、テレビは映像があるので何が起こっているかはみんなわかる。そんな中で、キャスターは見えていないものを伝えることが求められる。「何を言うか」が重要視されると話す。


 次に、スポーツ報道の公平性について話された。スポーツは勝負事だから勝ち負けがあり、ニュースではたいてい勝ったほうがメインになる。しかし「勝ちばっかりじゃない」。バンクーバーオリンピックで、フィギュアスケートの浅田真央選手がライバルのキム・ヨナ選手に敗れ、銀メダルになったことを例に出し、負けてもそこまでの過程をどう伝えるかも大事な仕事だと言う。

 スポーツはビジネスとして確立され、大金が動くようになった。オリンピックで結果を残せば選手の人生が大きく変わることもある。それゆえ起こるドーピングの問題についても言及された。


 最後に、ニュース報道の現場について話された。現在、NHK京都放送局の従業員は100人ほど。番組で流れる一本のニュースに10人以上が関わる。テレビにはその瞬間の映像や言葉があるということが、新聞とは大きく異なっている。そのため、視聴者が飽きないようなトピックや、ニュースバリューのあるものを届けることを重視している。「速く、正確に、おもしろく、わかりやすく」伝えることが仕事だと話し、一橋アナウンサー自身もできる限りニュースの内容を分かろうとする努力をしている。ニュースの内容が分からないよりは分かったほうがいい。実際に会って、見て、聴いて、感じたことを自分の言葉で伝えるということが一番大事だと力説された。

 

<感想>
 「実際に会って、見て、聴いて、感じたことを自分の言葉で伝える」。私には非常に耳が痛くなる言葉だった。私は現在、立命大のアメフト部「パンサーズ」の広報を通して、メディアについて考えるゼミに所属している。試合やインタビュー映像を撮ってYouTubeにアップするのだが、私は試合日に予定を入れてしまい、取材に参加できないことが多かった。そのため、試合の臨場感や選手たちの思いを知らずにゼミ活動に参加していた。このままではいけないと思っている矢先に、冒頭の言葉。講義でそのときの自分に最適な言葉を聴けたのは初めてだった。


 後日、試合の取材に参加し、その場の雰囲気や応援している人の声、監督の思い、何よりも選手たちの闘志を間近で感じた。そこで一橋アナウンサーの言っていた意味が本当に分かり、パンサーズの魅力をほかの人にもわかってほしいと思うようになった。それにともない、広報体制の課題や自分のやるべきことなど、改善すべき点が浮かび上がってきた。今ではより効果的な広報の仕方をみんなで考える時間もでき、とても充実したゼミ活動を送っている。

 

 この講義は、自分の言葉で人に何かを伝えることの大切さを知るきっかけになり、この時期に受講できて本当に良かったと思う。「自分で感じたことを、自分の言葉で伝える」という言葉を胸に、様々な活動に積極的に取り組んでいこうと思える講義だった。

 

記者 立命館大学産業社会学部 中美咲

 
 
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