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2006年度研究会報告

第14回(2006.5.12)第6回講演会

テーマ 『9・11テロ事件後の建築:イメージ・エコノミーと同時代』
報告者 Terry Smith(ピッツバーグ大学教授)
報告の要旨

テリー・スミス氏の講演は、グローバリゼーションの時代におけるイメージの氾濫をアイコノミーと名づけ、その暴力性を指摘しつつ、9・11以降の建築において権力の象徴であるような建築様式が問題視され、従来のモダニズム、ポストモダニズムではなく、それらに対するオルタナティヴな運動が現れつつあることを指摘するものであった。スミス氏は、それをコンテンポラネイティーと呼び、グローバリゼーションと帝国の崩壊の後、アイコノミーの暴力に拮抗する感性の誕生として、未来への希望を語った。スミス氏によると、コンテンポラネイティーとは、この時代に起こっていることを理解するために、複数の時間性(時代性)を容認し、多様性や他者性に開かれた空間性を準備する点で、全体支配的なグローバリゼーション下の建築様式と異なるものなのである。

講演終了後、参加者から熱心な質問が寄せられ、質疑応答が行われた。盛況の内に講演会は終了した。

加國尚志

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