2007年度研究会報告
第1回(2007.6.7)「途上国研究会」共催
テーマ | 『Searching For Justice, Human Rights and Dignity in East Timor』 |
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報告者 | Jeff Kingston (Professor of Temple University Japan,Director of Asian Studies) |
報告の要旨
Jeff Kingston教授(Temple University Japan副学長)を招いての研究会では、東ティモールにおける独立後のガバナンス問題についての報告と、その報告を受けてのディスカッションが行われた。 Kingston氏は、大統領、首相、政党指導者、民兵指導者、国連関係者たちとのインタビューに基づき、現在の東ティモールが混乱している状況を、複雑な権力闘争の視点から説明した。また国連の政策に、ボタンの掛け違いが多く見られることも、政情不安定に貢献してきた重要なファクターであることを指摘した。 当国におけるガバナンスの欠如は、これまで、未熟な政治制度設計に起因するとの理解が一般的であったなか、Kingston氏の議論は、むしろ多様なアクターの政治利害衝突と国際社会のあり方が問題であるという視座を提示するものであり、その意義を研究会で共有できた。
フロアからも積極的な議論があり、国連PKOについての質問や、オーストラリアの役割についての是非、さらにはインドネシア国軍の影響などについて活発な意見交換がなされた。
本名純