現在前期試験は夏期休暇前の主として7月に実施されていますが、1985(昭和60)年度までは夏期休暇が明けた9月中・下旬に実施していました。
1986(昭和61)年度に学年暦が変更になって現在のようになっているのです。
また、現在文・社系の定期試験時間は60分が原則で一部の科目は90分試験になっています。この90分試験は、1989(平成元)年度後期試験から法学部で始まったものです。もっとも、自由に90分試験ができるわけではなく、事前の申請にもとづいて教授会で科目の性格等を慎重に検討したのちに決定できるとしています。
さらにもっと古い話ですが、まだ卒業式が7月であった時代、1917(大正6)年の学年試験(後期試験にあたる)は6月に実施されました。
当時の大学部・専門部の試験問題が『立命館学誌』(大正6年7月号)に掲載されていますので、一部を紹介します。
第3学年 行政各論(織田) 「営造物使用ノ法律関係ヲ論セヨ」
親族及相続法(岡村)「継母ノ兄弟ハ継子ノ伯叔父ナリヤ」
貨幣論(河上) 「貨幣ノ価値ト一般物価トノ関係如何」(2、3年共通)
第2学年 債権総論(中島) 「過失相殺トハ何ソヤ」
行政総論(佐々木) 「公物ニ於ケル所有権ヲ論ス」
刑事訴訟法(宮本) 「証拠ノ意義ヲ問フ」
第1学年 憲法(市村) 「憲法第73条ノ手続ヲ践ミテ憲法中ニ憲法廃止ニ関スル規定ヲ設クル事ヲ得ルヤ」
刑法総論(宮本) 「正当防衛ノ要件ヲ明ニスベシ」
法学通論(織田) 「慣習法ハ如何ニシテ成立スルカ」
経済原論(田島) 「紙幣ノ正貨ト異ナル特徴ヲ問フ」
前期試験に臨む学生たち(1989年度)