1970(昭和45)年8月10日は、立命館で学園初の水泳プールが北大路学舎の中学校・高等学校(現在は立命館小学校)で竣工した日でした。
中学校・高等学校では、戦前からの狭隘な敷地のなかで、以下のように一連の施設整備計画が進められていました。
1959(昭和34)年 図書館棟(教員室、事務室)の新築
1964(昭和39)年 南校舎(新館)と小体育館(東校舎屋上)竣工
1966(昭和41)年 講堂兼体育館改修工事ではクラブBOX、放送室や食堂も整備
1969(昭和44)年 図書館を約2倍に増改築
この中学校・高等学校には、学校施設としてのプールがなく、体育としての水泳授業もありませんでしたが、カリキュラム上、体育行事としての水泳大会が南禅寺プールや西京極市営プールなどへ出かけて開催されていました。
(1953年の中学校水泳大会 いろいろな水着姿)
そのため、プールを望む声は、生徒はもちろんのこと体育科や教職員からも年々強まっていました。
学校敷地からしてプールは不可能と考えられていましたが、設置委員会の懸命の努力によって、当時の自転車置場とゴミ焼却炉の設置場所(正門を入ってすぐの左側)に、長さ25m・幅10.8m(6コース)・最深1.8mのプールが完成しました。プールサイドは狭かったものの、洗眼所・滅菌水槽などの設備をもった立派なプールでした。
(南校舎と北大路通りに挟まれて完成したプール)
プールの使用規定としては、授業、クラブ活動、学校行事に加え、夏期休暇中の一般生徒利用の四区分とされていました。大学にもプールはなく、練習場所を転々と移動して活動していた大学体育会水泳部(「体育会の歩み 第一集」によれば創部1920年と大学体育会で四番目に古い)も練習に来ることになりました。
余談になりますが、プールのすぐ隣には中華料理店があり、営業時間が近づくと、調理の香りが風に流されてきて、食欲も旺盛であった男子校生たちにとって、プール授業中はその誘惑とも戦わねばなりませんでした。これも当時の懐かしい思い出です。