経済学部名誉教授小野 進

専門分野理論経済学・経済発展論(日本,中国,欧米)

研究テーマSystemとしての儒教経済学の構築

経済学部名誉教授 小野 進 プロフィール写真

経済学の発展という眼で見れば、おめでたいかどうかわかりませんが、とにかく70周年おめでとうございます。

立命館大学の経済学部は、旧ソ連タイプの共産主義圏の崩壊(1989-91)の前と後では、教員構成の比重もマル経から近経へ、そして学問的雰囲気も質的にガラリと変わりました。
日本の経済学は、明治以来150年になるも、欧米のように、科学哲学者クーンのいうパラダイムを経済学の次元で創造した経験を持ちません。本質的に、翻訳経済学の域を出ません。

ここ20年間ほどで、これが原因でどん詰まりになり、経済学という学問自体が日本では、近経、マル経を問わず、ますます生命力を喪失し、このままだと、形骸化し死滅するか、仮死状態がだらだらとつづくに違いない。これからの10-20年間は、世界史は大転換期に入ります。 経済学もその影響は免れない。立命の経済学部というより、日本の大学の経済学部はその展望と用意と覚悟があるのかどうかきわめて疑わしい。 

それでは、お前はどうしているのかと問われるに違いない。私個人は、至難で複雑な研究ではありますが、国内外の歴史的経験を踏まえて、近代経済学でもない、マルクス(主義)経済学でもない、東洋の世界観をベースにした非アングロ・サクソン経済学・社会科学を構築しなければならないと考え、孤立無援でこの研究を進めてきました。その試行錯誤の経過の正と負の例は1985年以降2017年までの『立命館経済学』掲載の拙論考をご覧ください。

ゼミ生(卒業生)のみなさんへ