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04.21

PEOPLE

2017

税理士として、ひとりひとりのお客様を継続的にサポートしたい

浅井 佐紀子さん

学科・回生経済学研究科 博士課程前期課程修了2015年度修了(税理財務コース)

大学院に進学した理由を教えてください。

「ひとりひとりのお客様を継続的にサポートしたい」と思い、税理士事務所で働いています。大学院に進学したのは、それぞれ違った状況の会社を抱えるお客様にとって、一般論ではなく本当に役立つ情報を提供するために、まずは自分が租税法を基礎からしっかり学びたいと思ったからです。修士論文作成を通して研究として通用する正しいリサーチ力を身につけ、今後の長いキャリアの土台を固めたいと思いました。

立命館大学の経済学研究科を選んだ理由を教えてください。

「立命館大学経済学研究科のHPを見て、税理財務コースの修了生の修士論文が継続的に受賞していると知ったからです。しっかりした指導体制のもと、高いリサーチ力を養えるのではと思いました。研究環境面(蔵書・オンラインデータベースが豊富で、学内の図書館で大半の研究活動を行える)・制度面(成績上位者に対する給付型の奨学金)も魅力的でした。

経済学研究科では、どのようなテーマを研究されましたか。

「医療機関の控除対象外消費税」について研究しました。消費税額は売上税額から仕入税額を控除して求めます。保険診療を主に行う医療機関の場合、売上(保険診療)が非課税取引かつ公定価格なので、仕入(高額医療機器の購入等)で発生する消費税額を控除することができず事業者が自己負担するという問題があります。この問題について、3カ国(イギリス・オーストラリア・カナダ)の消費税制・医療制度を比較検討し、日本への示唆を模索しました。

研究を進めていく上で苦労したことはありましたか。また、それをどのように乗り越えていかれましたか。

「医療機関の控除対象外消費税」のテーマは比較的新しい分野のため、先行研究の数は多くはありませんでした。自由に研究できる分、結論には苦労しました。毎週のゼミで指導教授と率直な議論を続ける中で、有り得る選択肢はすべて提示する必要があること、選択肢ひとつひとつに丁寧な検討を加えることで説得力・論理性のある結論を導けることを学びました。同級生・先輩と話す中で教授の指導の意味を理解できたことも多々あり感謝しています。

立命館大学経済学研究科に進学してよかったこと、身についたことは何ですか。

一つは、期待通りのしっかりとした租税法の指導を受けられたことです。早期履修制度を利用して初めて大学院の授業を受けたとき、私は裁判の判決を出力して読むことができることすら知りませんでしたが、税務・財務をメインとしたカリキュラムのおかげでリサーチ力を基礎から養え、今回、租税資料館奨励賞を受賞することができました。二つ目は、同業の友人が多くできたことです。卒業後も時々集まって同業ならではのアドバイスや刺激をもらっています。

院生時代の研究が、今のお仕事にどのように活かされていますか。

現時点で最も役立っているのは、研究を通して培ったリサーチ力です。税務の仕事をしていると、「ふるさと納税のデメリットを教えてほしい」等、税制の仕組みを教えてほしいと言われることは多いです。即答できないときは茨木キャンパスの図書館に行ってリサーチし、次回お会いするときまでに自分なりの結論を準備します。大学院での毎週の報告により、比較的リラックスしてプレゼンをできるようになったのも良い点だと思います。

経済学研究科への進学を目指す方へのメッセージをお願いします。

税理財務コースは、丁寧な研究と、海外税制との制度比較を行う傾向がある点が一つの特徴だと思いますが、税務を中心としたカリキュラムで基礎からでもしっかりとレベルアップしていけます。経済学研究科で学ぶことで専門知識や自身の実力を高め、修了後に希望する進路に進む人が多いと感じているので、学部生の方も社会人の方も、ぜひ思い切って経済学研究科の扉をたたいてほしいと思います。

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