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卒業生が語る、
グローバル・スタディーズ専攻の価値

Gilang Al Ghifari Lukman(ギラン・アル・ギファリ・ルクマン)

Gilang Al Ghifari Lukman(ギラン・アル・ギファリ・ルクマン)

政治・セキュリティリスクのコンサルティング会社勤務

卒業:2019年9月

立命館大学国際関係学部グローバル・スタディーズ専攻に進学後、2017~2018年にオランダのライデン大学に交換留学。2019年9月にグローバル・スタディーズ専攻卒業後、同年10月から英オックスフォード大学哲学科のマスターコースに進学。専門は現代中東研究で、主にイスラエルとパレスチナの紛争に関する研究やアラビア語とヘブライ語の学習に取り組む。2021年8月には、インドネシア最古のシンクタンクである「インドネシア戦略国際問題研究所(CSIS)」でインターンとして勤務。同年8月にはオックスフォード大学を優秀な成績で卒業した。現在は、ロンドンにある政治・セキュリティ専門のコンサルティング会社に勤務。

さまざまな経歴の教授との出会いが、
国際キャリアを広げた。

政治シミュレーションゲームで高まった、パレスチナ問題への関心

グローバル・スタディーズ専攻の中で、私の進路に直接的な影響を与えたのは、GSG(グローバル・シミュレーション・ゲーミング ※1)で、パレスチナのリーダー役を果たしたことです。 GSGの準備として、私はチームを率いてパレスチナの歴史、社会、政治に関して調査を実施したほか、パレスチナ人とイスラエル人の学者とも話す機会に恵まれました。そのうちの1人は、当時たまたま京都で学術セミナーを行っていた、オックスフォード出身の著名な歴史家、アヴィ・シュライム教授です。
これを機にイスラエル・パレスチナ問題に強い関心を持つようになった私は、このトピックに関する学士論文を書き、最終的には中東研究の修士号を取るため、オックスフォード大学でアヴィ教授から直接指導を受けることにしました。
さらに、私はこの経験を活かして、イスラエル・パレスチナ問題に関する学術・メディアプラットフォームである「ハイファ研究所」を出身地のインドネシアに設立。現在は、同研究所の研究部門を率いており、30を超えるセミナーでこのトピックに関する研究結果を発表しています。

※1 GSG(グローバル・シミュレーション・ゲーミング): グローバル・スタディーズ専攻と国際関係学専攻の学生たちが、実際の国際課題を解決するために模擬的に国際交渉を行う授業。

コンサルティング会社で政治・セキュリティ関連の調査

現在、私が勤務しているロンドンのコンサルティング会社での私の役割は、主に東南アジア、中東、英国拠点の会社や個人に対する、クライアントのデューデリジェンス(※2)を支援すること。メディアレポート、訴訟データベース、政府の記録、およびその他の一次資料のアーカイブを参照しながら、調査対象の評判、刑事上の問題、企業の構造、潜在的な政治的制裁措置などに関する調査を実施しています。
コンサルティング業界には多くの有名企業がありますが、現在の会社は私の関心分野である政治とセキュリティに焦点を当てているため、最も魅力的だと感じています。また、倫理的なビジネス行動をグローバルに推進する仕事は、個人的にやりがいのあることです。
将来的にはコンサルティング業務を続けるのか、国際機関やシンクタンクで働くのか、または大学で国際関係などのコースを教えるのか――いくつか選択肢がありますが、どんな職業に就いたとしても、私は専門的な知識や経験を一般にシェアできる「Public Intellectual(公的知識人)」でありたいと思っています。専門家のサークルの中だけではなく、より多くの人々に利益をもたらす仕事を生み出せるよう、自分自身に挑戦したいと思います。

※2 デューデリジェンス: 投資を行うために、投資対象となる企業や投資先の価値やリスクなどを調査すること。

言語、論文、人との出会い……大学時代のすべてが糧に

現在の仕事では、週に最多で5つの調査レポートを作成しなければなりませんが、これについては、グローバル・スタディーズ専攻で早い段階から多くの論文を書いていたことが大変役立っています。この経験がなければ、私は今の仕事に圧倒されていたことでしょう。
大学で日本語やヒンディー語を学び、これら語学に精通していることも、現在の仕事に役立っています。さまざまな国際制裁リストや犯罪歴に照らし合わせて企業や個人を審査する際、彼らの名前を元の言語で確認することで、プロセスを迅速化することができるのです。
このほか、交換留学先のライデン大学で取った「国際法」のコースで、国際弁護士の役割を演じて口頭弁論セッションをしたことも有意義でした。このセッションのために、さまざまな判例法と法的文書を勉強したため、多くの専門用語に慣れたし、調査対象の訴訟記録を要約する仕事の基礎にもなりました。
さらに、グローバル・スタディーズ専攻で受講した廣野美和准教授(※3)の「現代中国」の中で、ハーバード大学の著名な中国学者による中国国営企業の講義を聞いたことも印象的でした。権威主義国家における政府と企業の関係は、廣野先生の授業で繰り返されるテーマです。そこで学んだ知識は、現在、私が政府と関連する企業のリスク評価を定期的に実施する中で、大変役立っています。
グローバル・スタディーズ専攻の一番の魅力は「人」です。そこではさまざまな経験を持つ教授陣に出会えるほか、奨学金制度などで質の高い学生が集まって刺激し合っています。私はこの環境の恩恵を受けられたことに感謝しています。

※3 現在は、立命館大学グローバル教養学部准教授

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