立命館小学校

対面とオンラインと

毎週木曜日は、衣笠キャンパスで大学教員としての仕事をしています。緊急事態宣言が終了し、大学の授業もやっと今週から対面で行えるようになりました。キャンパスに学生がいる光景を見るだけで、なんだか心踊るものがありました。そして、これまでも児童が通学することができた小学校とのギャップを改めて感じています(小学校と大学では、規模も人の流れも全く異なりますから、判断が異なるのは当然のことです)。
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毎週木曜日の午後、「Cross-Cultural Encounters 2」と「Cross-Cultural Seminar」という授業を教えています。片方は日英両語、もう片方は英語を教授言語とする授業で、留学生を含め、いろいろな言語文化背景の異なる学生が履修しいます。授業では、たくさんのディスカッションとアクティビティを通して、「多文化・多言語環境でのコミュニケーションをより実り多いものにするためには?」「成長につながる異文化体験のあり方は?」といったことを探究していきます。教養科目なので、学部や学年も様々、立命館高校の生徒も特別枠で履修していて、私が過去10年間研究者としてこだわってきた「多文化間共修」の理論の実践の場となっています。

そして今日、この二つの授業を今学期初めて対面で行うことができました。これまで12週間にわたって、オンラインでたくさんのディスカッションをして、誰もが参加しやすい環境を作るためのルールを意識してきたので、オンラインの場ではお互いに心地よい学びあいの関係性ができた仲間です。が、いざ、対面で会うとなると、おかしな緊張感がありました(おそらく私も)。

しかし、一旦グループに分かれてプロジェクトの話し合いを始めたところ、自律的にリーダーを決め、アイデアを出し合い、進め方を話し合い、あっという間にチームのコミュニケーションが成立していきました。これまでの12週で学んだことがちゃんと生かされていて、感心しました。そうなると、私に残された役割は、TAたちとともに裏方で場を整えつつ、活動をおとなしく見守ることだけです。

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ところで、これらの授業、まだ日本に来ることができない留学生は中国や韓国やアメリカやシンガポールから参加してくれているので、対面とオンラインの混合でやっています。対面とオンラインの両方が混在するチームづくりには、ずいぶんコミュニケーション上の工夫が必要となりますが、そのやりにくさもまた、大きな学びの機会として受け止めてほしいところです。

この間コロナ禍でいろいろな対応を迫られる中、学生たちも私も、オンラインで学ぶ・教えるための手法がずいぶんと身について、効果を上げるコツもわかってきました。授業そのものは、対面でもオンラインでも、それほど遜色なくできるようになってきましたし、どちらが良いと一概に言えるものではないと私自身はとらえています(小学校の場合は断然対面ですが)。これからは、オンラインと対面を適切に組み合わせる「ブレンデッド・ラーニング」の手法を研究しつつ、各発達段階にあったポストコロナの学びを考えていきたいと思っています。

とはいえ、対面授業には、授業の始まる直前と直後の、なんとなく無目的に交流できる時間帯があって、それはやっぱり楽しいしうれしいですね。

校長 堀江未来