立命館小学校

レジリエンス

始業式や終業式、全校集会など「校長先生の話」のある場面は、私にとっては直接児童に語りかけることのできる貴重な機会です。過去に自分が話たことをふまえつつ、何を話すか考えるところからはじめ、伝えたいことを絞り、1年生から6年生までの子どもたちにできるだけわかりやすく話せるよう、5分以内で終われるよう、言葉を整える準備をします。あまり時間をかけると内容が新鮮でなくなるので、たいていは前日に準備をします。

今日は今年度二学期の終業式でした。同じように前日に準備をしながら、「ところで、二学期の始業式では何を話したんだっけ?」と思い、考えてみたのですが、なぜか全く思い出せませんでした。そこで記録を振り返ってみたところ、二学期開始時は急遽オンライン学習に切り替えたため、始業式のお話も動画配信で行ったことを思い出しました。その中で、新型コロナの対応に関わって、「子どもたちに安全で健康な毎日を過ごしてほしい」という気持ちと、「子どもたちに楽しくて学びの多い毎日を過ごしてほしい」という気持ちの板挟みになりながら、いろいろなことを決めているという話をしていました。

そんなに大変な時期だったにもかかわらず、そのことを全く忘れているとは。自分でもびっくりしました。しかしそれは、その後の毎日の中で、新型コロナの社会状況が改善するにしたがって、教職員みんなで「できることをできるだけやっていこう」と、前を向いて行動してきたことの表れかもしれません。

今日の終業式では、子どもたちに「レジリエンスの強い人になろう」ということを伝えました。レジリエンスの強い人というのは、例えば、嫌なことがあって落ち込んだ時、しっかり落ち込んでから、どうしたらいいかを考えて、立ち直って、行動できる人。逆に、レジリエンスが弱い人は、嫌なことがあったり困ったことがあったりした時に、落ち込んでそのまま諦めてしまったり、困難を避けたりします。

私は、レジリエンスを高めておくことは、子どもたちがこれからの変化の激しい将来を生き抜いていく上で大きな助けになると考えています。レジリエンスの強い人になって、いろいろな問題があっても、どのようにしたら乗り越えられるかをよく考えて、行動して、状況を変えていけるようになってほしい。そういう意味では、この二学期に子どもたちが経験した、新型コロナへの対策をしながら、その不便さに負けずに、工夫しながら過ごした毎日ということは、レジリエンスを強くすることに繋がったのではないかと思っています。

冬休みが始まります。しっかり心と頭と体を休めて、またみんなで元気に三学期を始めたいです。子どもたちにとって、安全で実りある冬休みとなりますように。

校長 堀江未来


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