留学の醍醐味を味わってほしい!
小坂朋也さん(文学部5回生)2011年11月に行われた日中青少年交流事業に、立命館大学の代表の一人として参加
2007年の夏から1ヶ月間、エリアスタディプログラムの一環で、初めて中国を訪れました。大学で中国語を勉強していましたが、いざ現地で話をしてみるとまったく通じず、それがとても悔しくて、半年間の交換留学に挑戦しました。どうせなら日本人が話す「外国語」というレベルではなく、現地の人のように流暢な中国語を話したいと思い、休学し、1年間の留学へ行くことにしました。中国では、様々な衝撃をうけました。2005年に上海でとても大きな反日デモが起こり、それが中国全土に広がりました。当時、私は高校生でしたが、日本メディアも毎日のようにその様子を伝えていたのを覚えています。その時に漠然と中国人が日本人に抱くマイナスイメージを私自身も作りあげていました。
しかし、現地では日本語や日本人が好きな人が多く、将来、絶対に日本へ行きたいと思っている人たちにもたくさん出会いました。抱いていたイメージとのギャップと衝撃は今でも忘れられません。自分の目でみることがすごく大事だと実感しました。留学中は最低限の宿題をするだけで、教科書などはほとんど読みませんでした。それは日本でもできると思ったからです。逆に中国人の人たちと朝、昼、晩、ご飯を食べる時もずっと一緒にいるようにしました。現地の人と交流する、それが留学中の僕のモットーでした。
3回目の中国への留学では寮へは住まずに、自分で不動産を探し、一人暮らしや中国人とルームシェアをしました。その時は現地の不動産屋とのトラブルもありました。法外な値段を提示され、「なんでこんなに高いねん」と交渉したこともあります。今、思えば、その時の経験が交渉力や語学力のアップに繋がっていったのだと感じています。
また、昨年の11月には、日中青少年交流事業にも参加。大学生、社会人、高校生で組織された団体の中で、立命館大学の代表の1人として活動を行いました。この交流事業では、主に中国に一度も行ったことがない人が派遣されます。一緒に参加したみんなの新鮮さを感じている様子がとても印象的でしたね。「現地の学生と交流し、自分も中国語を勉強して中国語で交流したい」と思って現地を訪れた以前の私の姿と被り、初心を忘れてはいけないと改めて感じました。
また現地の大学ではディスカッションなども行いました。テーマは結婚や就職観などさまざま。距離は近くても両国の価値観はまったく違います。現地の人と交流することは本当に楽しいと思いましたね。
留学や旅行の醍醐味は「現地の人と交流する」ことだと私は思います。
そうして、初めて日本の良さもわかるのではないかと思いますし、これからも現地で吸収したことを様々な人にシェアできたらいいなと思います。
私は留学アドバイザーとして後輩達に留学の話をする機会も多いので、現地で物事をinputし、日本で様々な人にoutputする。それは今後も続けて行きたいと思います。
★小坂さんからのメッセージ
留学に少しでも興味があれば、ぜひ挑戦してほしいです。日本でも語学は勉強できますが、留学は語学を勉強するだけではありません。自ら足を運んでこそ、現地の気候や文化、そこにいる人達を肌で感じることができます。私は留学のため、みんなよりも2年間卒業が遅れていますが、後悔はありません。それ以上に得たもののほうが大きいと感じているからです。
- 取材・文
- 荒木友里香(政策科学部3回生)