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795 -  「エッジコンペ2016」で賞を逃したことを機に、さらに結束、アイデア実現に挑戦し続ける

「エッジコンペ2016」で賞を逃したことを機に、さらに結束、アイデア実現に挑戦し続ける

(写真右から)
中村 錬さん(経済学部4回生)
佐々木貴央さん(理工学部4回生)
宮本 渉さん(理工学部4回生)

  • No.795
  • 2016年4月15日更新
イノベーション創出を担う人材育成を目的とした取り組みとして、文部科学省EDGEプログラム(※)が開催した「エッジコンペ2016」。科学技術と人間視点でイノベーションを起こす実践型アイデアコンペティションをコンセプトに、「技術の視点」「人の視点」のふたつを兼ね備えたアイデアが期待され、アイデアの出し方や実現に向けた活動計画も評価される新しいスタイルのコンペだ。今年は150名の応募があり、最終選考通過チームの中で学生だけで構成されたのは2チームだったという。その1つが学生らしさと文理混合を強みにした立命館大学の4名、チーム「リッツ・カルテット」だ。


左から2番目:もう一人のメンバー 鈴木裕明さん(経済学部3回生)

発表されたテーマは「これからの安心で豊かな都市生活」、与えられた時間は2週間。いろいろな解釈ができるテーマで意見はなかなかまとまらなかったという。チームは「妥協せずブレインストーミングに時間を費やしアイデアを出し切る」と決めたが、アイデアが停滞する時もあり「その時が一番辛かった」とも振り返る。2つのアイデアで最終どちらにするか迷った時、先生や職員の方にも意見を求めた。しかし、自分たちが貫きたいアイデアとは違うアイデアが面白いのではと別の意見を突き付けられ、再び議論を続けることになる。結果、自分たちを信じ、以前よりも良いアイデアを先生たちに再披露することができたという。議論を重ねるごとに親密になっていったこのチーム、お互いのことを理解していく過程が楽しかったと話してくれた。



チームは自分たちもそうであるように、学生の多くが1人暮らしをしていることに着目した。隣人のことを知らないことが多く、コミュニケーションもままならない時代。出したアイデアは、キッチン・ダイニング、風呂場などの共有スペースがある「情報の見える化」できるシェアマンション。今あるシェアマンションと違うのは、共有スペースに入室する際に、個人の趣味や出身地などの個人情報が記録されているICカードをかざす必要がある点だ。入室後は外のモニターにその情報が表記されるというもので、住居者の共通点が見つけやすく、初めて会った者同士でも安心してコミュニケーションができるというのが狙いだった。

プレセンテーション本番の2016年2月28日、東京の虎ノ門ヒルズで行われた会場の雰囲気に物怖じしてしまったという。細かいミスもあり思い通りに発表できず、残念ながら賞にはとどかなかった。他チームの発表や審査員へのアピールが並外れており、参考になったと感じたと同時に、別の学生チームが賞をとったことで悔しさが増し、自分たちの力不足が身に染みたと振り返る。



しかし、ここで終わらないのがこのチームのすごいところ。「せっかくこの4名が集まり、出したアイデアを実現にしたい」と奮い立ったのだ。職員の協力も得て、このアイデアを活用できる場を求めた結果、大手企業と実現に向けて話し合いを続けていくことになったという。

このような機会がなければ出会わないメンバーだったと自分たちでも断言しているように、このチームは集まるべくして集まったのだろう。これからも彼らの底力を楽しみにしていきたい。

※イノベーション創出の活性化のため、大学等の研究開発成果を基にしたベンチャーの創業や、既存企業による新事業の創出を促進する人材の育成と関係者・関係機関によるイノベーション・エコシステムの形成を目的としているプログラム。

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