西日本における学生自転車競技大会の運営にあたる、西日本学生自転車競技連盟（ 以下、西日本学連）。運営には学生代表委員が携わるが、２０１１年度、西日本学連の歴史において初となる女性学生代表委員長を務めたのが、自転車競技部の松橋未来さんだ。

学生代表委員の役割は、会場手配、プログラム作成、当日の進行など多岐にわたる。その大変さ故に立候補者は少なく、委員を統括する委員長も同様であることは想像に難くないが、「部の仲間の推薦で委員になり、そのなかで一番年長者だったので委員長も引き受けました（笑）。最初は何をすればよいのか分からず大変でしたが、もともとサポート役って嫌いじゃないんです」と屈託ない笑顔で語る。

自転車競技に出会ったのは高校のとき。ロードレーサーに乗る自転車競技部の先輩の姿を見て、「カッコイイ!」と思ったのが入部のきっかけだった。選手として全日本選手権などを経験し、スポーツ選抜入試で本学へ。地元・青森から単身、関西の土を踏んだ。2回生の夏に手術のため選手としての活動を断念。ショックを受けたが、「競技から離れようとは一度も思わなかった」という。

「仲間とつながっていたいという強い思いがあったからです。ここで得た多くの出会いは、私の財産。温かい空気に満ちていて、入学当初も不安を感じることはなかったですし、多種多様な学生に刺激され、思い立ったら行動する姿勢も身についたと思います」。マネージャーとして復帰した直後に委員長を引き受けたのも、そんな姿勢のあらわれなのだろう。

　　　

自転車競技に関わり続けたことで、松橋さんは二つの大きな目標を見出した。一つは、サポート役として今後も自転車競技に携わること。すでに3級審判員資格を取得し、2級取得をめざしているところだ。そしてもう一つは、自転車競技振興の一助となること。「まだまだマイナーで、特に女子の競技人口が少ないのですが、委員長として全体を見るようになってから、もっと多くの人に楽しんでほしいと思うようになりました。就職先の第一志望はスポーツビジネス業界。自転車競技のアピールにつながる提案ができればと考えています」。そう語る生き生きとした笑顔が、新たな自転車競技人生を切り拓く原動力となるに違いない。

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