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504 -  私たちのコンテンツで東北を旅してほしい

私たちのコンテンツで東北を旅してほしい

小笠原 夢樹さん(映像学部4回生)写真:左
渡部 峻さん(映像学部2回生)    写真:右
被災地の情報コンテンツを開発

  • No.504
  • 2013年3月15日更新
私たちは、株式会社supernovaのみなさんとともにGPSメディア「re:vibe × TOHOKU Seize the day」を開発しました。GPSメディアとは、現在地を特定することのできるGPS(Global Positioning System=全地球測位システム)を用いて、一定の場所と写真や映像などを連動させることで、指定された特定の場所で、スマートフォンなどで画像・映像を受け取ることができるシステムです。私たちは、配信する情報のコンテンツ開発に携わりました。

これは、観光客やボランティアの方々が被災地を訪れた際に、被災された方のインタビュー映像や被災地の写真を見てもうことで、現場にいながら被災地の情報を知ってもらい、その状況を伝えることを目的としています。今回、このサービスで紹介する地域は、宮城県石巻市JR石巻駅や住吉公園、日和山などです。「ウォークコース」と「ドライブコース」の2種類のコースを完成させました。

 

「ウォークコース」の場合。主に石巻市内の地域を紹介しています。スタート地点であるJR石巻駅でスマートフォンから「re:vibe × TOHOKU Seize the day」ホームページにアクセスし、GPSボタンをクリックします。そうすると石巻の歴史や観光情報の他、震災の被害状況がわかる映像や写真などが映し出されます。さらに次に巡るチェックポイントが表示され、ガイドに従ってルートをたどっていきます。どちらのルートにも5つのチェックポイントを用意しています。スタート地点と同様に、各チェックポイントごとにそれぞれの地域に関連した情報が配信されます。ユーザーの現在地が連動しているので、各チェックポイントに到着すると、その観光案内や震災情報を取得することができるという特徴があります。また、海外から訪れた人たちも使用していただきたいという思いから、留学生の協力を得て英語版も制作しました。

 

小笠原さんに伺いました。
私は、立命館大学映像学部の中村彰憲先生の研究室に所属しています。今回のプロジェクトは、株式会社supernovaのインターンシップを経験したことがきっかけとなり、中村研究室との共同開発が始まりました。株式会社supernovaは、GPSメディアシステムを使って京都案内などの情報を制作している会社です。
「被災地に何かしたい」と考えていた東北出身の渡部くんと私は、このプロジェクトへの参加を決意し、被災地の情報コンテンツ制作に取り組みました。私たちは、2012年5月から9月までの間、配信する地域の選定や情報収集のため、宮城県石巻市から気仙沼市を訪れ地域の調査を行いました。その地域にある小学校の校長先生へのインタビュー取材や、ボランティアのみなさんや復興工事で被災地を訪れている建設業者の方々が使用している被災家屋を利用した宿泊施設でのボランティアにも取り組みました。

現地のみなさんと触れ合ううちに、みなさんが自分たちの力で復興に取り組んでいる姿に“活力”を感じました。また、石巻での生活を通じて、石巻に深い歴史があることに気づくことができました。そのことから、私たちは石巻を「被災地」と表現することに違和感を抱くようになったのです。「地震による影響のありのままを伝えたい」というプロデューサー(株式会社supernova代表の殿岡さんと研究室の中村先生)の思いとは異なり、私たちは、石巻の歴史の魅力を伝え“観光地”としても街をアピールしていきたいと考えるようになりました。プロデューサーと何度も衝突することがありましたが、話し合いを重ねた結果、被災状況を伝えるコンテンツに加えて、観光情報も組み込むことになりました。現地での生活を経験したからこそ「ユーザーに街を楽しんでもらいたい」という気持ちが芽生え、その思いが詰まったコンテンツをつくり上げることができたと思っています。
 
 

渡部さんに伺いました。
小笠原さんは岩手県軽米町、私は福島県郡山市の出身ではありますが、京都からやってきた実際に震災を経験していない私たちが被災地とどう関わっていくかということについて悩みました。被災地に対して“何かしたい”という思いを持ち続けながら取り組んできましたが、今でもこのサービスが「本当に被災地や被災地で暮らす人々にとって役にたつのか」「私たちにできることは何なのか」ということを考え続けています。しかし、GPSメディアサービスを多くの人が利用し、石巻(宮城県)を訪れて街を楽しんでくれることができれば、このサービスをつくり出した意味が生まれるのではないかと考えています。多くの人に利用され、僕たちの思いが伝わることを願っています。

 

2013年2月15日(金)より、「re:vibe × TOHOKU Seize the day」の配信がスタートしました。ぜひ、みなさんも宮城県を訪れた際は、私たちがつくったサービスを用いて被災地を体感してほしいと思います。
re:vibe × TOHOKU Seize the day ウェブサイト
http://www.tohokuseizetheday.com/


  • 取材・文
  • 國田華奈(産業社会学部3回生)

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