31文字に込める“想い”
安田 茜さん(文学部2回生)
立命館大学短歌会会長
「京の七夕 SUMMER VALENTINE
Arashiyama Summer love 2014 時雨殿」の
プログラム「『恋うた・百人一首』詠おう、選ぼう、恋の歌会」の企画・運営に携わる。
安田さんは、入学後、新入生歓迎祭典でさまざまなクラブやサークル団体から加入の勧誘を受けるなか、イラスト付の短歌が書かれた立命館大学短歌会(以下:短歌会)の看板に釘付けになった。すでに短歌会に入部していた友人からもらった短歌会の短歌集『立命短歌』を読んでみると、そこには五・七・五・七・七の五句三十一音のリズムではない、現代の話し言葉を使った自由なリズムの短歌があった。「短歌って難しくないんだな。」と感じた安田さんは、その後、衝撃を受ける短歌に出会う。歌人、枡野浩一氏の
「好きだった雨、
雨だったあのころの日々、
あのころの日々だった君」
という作品だ。たった31文字のなかに、さまざまな感情や想いが秘められていることの素晴らしさに胸が熱くなり、たちまち短歌に惹かれていった。31文字であれば、言葉もリズムも表現も自由な短歌を自分もつくってみたいと思い、短歌会に入部を決めた。
現在、安田さんが代表を務める短歌会のメンバーは7人。月に2、3回で短歌会が行われ、メンバー同士で短歌を発表し、感想や意見を交換している。「今まで、自分で何かをつくり出すという経験がなかったので、最初は苦戦していました。でも、他の人の作品を読んで学んでいく中で、自分の思い通りの作品が作れるようになったら楽しくなってきました。」と話してくれた。
短歌会は「京都・嵐山 小倉百人一首殿堂 時雨殿」が主催するイベントに企画・運営側として携わっている。イベント「京の七夕 SUMMER VALENTINE Arashiyama Summer love 2014 時雨殿」のプログラムである「『恋うた・百人一首』詠おう、選ぼう、恋の歌会」は大学生の歌人らによってつくられた“恋”にまつわる短歌を披露し、審査員や来場者が鑑賞・批評するという現代版の“歌会”だ。また、このイベントには、ツイッターで短歌を集める企画もある。これは安田さんら短歌会の学生の提案が採用されたのだ。イベント当日まで100首を募り、「現代版の百人一首」を作成する。このアイデアは、字数制限140字というツイッターの特徴がヒントになっており、「短歌は31文字で恋人や好きな人に想いを伝えるツールとして使われていた。限られた文字数で自分の感情表現や思いを伝えることは、今も昔も変わらないなぁ。と感じたことがきっかけだったんです。」と安田さん。31文字が表現しようとする大きな想いを読み取り、その魅力をこのイベントをきっかけに知ってほしいそうだ。
安田さんは短歌を作るようになってからの自身の変化を語ってくれた。「今までは気に留めていなかった生活の中の嬉しいという感情や悲しいという感情を丁寧に考えるようになりました。物を見ても同じで、今までは『きれいだなぁ。』と思うだけだったのが、“どういうところがきれいなのか?なぜそう感じたのか?”など細部まで考えるようになりましたね。また、自分の生活の中で好きなものが増えました。人だけに留まらなくて、植物や自然、町の様子、バスからの景色の隅々まで目に入り、愛着が湧きいてきます。普段、人が気に留めないようなものに自分だけが気づいたり、発見したりできることが嬉しいです。」そして、その発見が自分の周りの環境や人々への“感謝”に繋がっているという。家族や友人、サークル仲間が自分のために見えないところで行動してくれていることに気付くことが増えたそうだ。
今後の展望として、短歌づくりをこれからも続けたいと語ってくれた。短歌づくりというのは一人でつくりあげるイメージがあるが、そこに至るまでには周りの物や人との関わりが不可欠であることがわかる。これからも繊細な感性で31文字の中に“想い”を綴っていってほしい。
京の七夕 SUMMER VALENTINE
Arashiyama Summer love 2014 時雨殿
開催日 7月5日(土)~7月13日(金)
WEBサイト:http://www.shigureden.or.jp/sv2014/
安田さんら学生歌人が参加するイベント
【「恋うた・百人一首」詠おう、選ぼう、恋の歌会】
(日時) 7月6日(日)13:30~16:00 ※参加無料
(場所) 小倉百人一首殿堂「時雨殿」大広間
「好きだった雨、
雨だったあのころの日々、
あのころの日々だった君」
という作品だ。たった31文字のなかに、さまざまな感情や想いが秘められていることの素晴らしさに胸が熱くなり、たちまち短歌に惹かれていった。31文字であれば、言葉もリズムも表現も自由な短歌を自分もつくってみたいと思い、短歌会に入部を決めた。
現在、安田さんが代表を務める短歌会のメンバーは7人。月に2、3回で短歌会が行われ、メンバー同士で短歌を発表し、感想や意見を交換している。「今まで、自分で何かをつくり出すという経験がなかったので、最初は苦戦していました。でも、他の人の作品を読んで学んでいく中で、自分の思い通りの作品が作れるようになったら楽しくなってきました。」と話してくれた。
短歌会は「京都・嵐山 小倉百人一首殿堂 時雨殿」が主催するイベントに企画・運営側として携わっている。イベント「京の七夕 SUMMER VALENTINE Arashiyama Summer love 2014 時雨殿」のプログラムである「『恋うた・百人一首』詠おう、選ぼう、恋の歌会」は大学生の歌人らによってつくられた“恋”にまつわる短歌を披露し、審査員や来場者が鑑賞・批評するという現代版の“歌会”だ。また、このイベントには、ツイッターで短歌を集める企画もある。これは安田さんら短歌会の学生の提案が採用されたのだ。イベント当日まで100首を募り、「現代版の百人一首」を作成する。このアイデアは、字数制限140字というツイッターの特徴がヒントになっており、「短歌は31文字で恋人や好きな人に想いを伝えるツールとして使われていた。限られた文字数で自分の感情表現や思いを伝えることは、今も昔も変わらないなぁ。と感じたことがきっかけだったんです。」と安田さん。31文字が表現しようとする大きな想いを読み取り、その魅力をこのイベントをきっかけに知ってほしいそうだ。
安田さんは短歌を作るようになってからの自身の変化を語ってくれた。「今までは気に留めていなかった生活の中の嬉しいという感情や悲しいという感情を丁寧に考えるようになりました。物を見ても同じで、今までは『きれいだなぁ。』と思うだけだったのが、“どういうところがきれいなのか?なぜそう感じたのか?”など細部まで考えるようになりましたね。また、自分の生活の中で好きなものが増えました。人だけに留まらなくて、植物や自然、町の様子、バスからの景色の隅々まで目に入り、愛着が湧きいてきます。普段、人が気に留めないようなものに自分だけが気づいたり、発見したりできることが嬉しいです。」そして、その発見が自分の周りの環境や人々への“感謝”に繋がっているという。家族や友人、サークル仲間が自分のために見えないところで行動してくれていることに気付くことが増えたそうだ。
【お知らせ】
京の七夕 SUMMER VALENTINE
Arashiyama Summer love 2014 時雨殿
開催日 7月5日(土)~7月13日(金)
WEBサイト:http://www.shigureden.or.jp/sv2014/
安田さんら学生歌人が参加するイベント
【「恋うた・百人一首」詠おう、選ぼう、恋の歌会】
(日時) 7月6日(日)13:30~16:00 ※参加無料
(場所) 小倉百人一首殿堂「時雨殿」大広間
- 取材・文
- 文のみ/豊田真子(法学部3回生)