拡散方程式の数値解

■ 拡散方程式の計算 ■

ここでは、拡散方程式の数値解としてFTCS法(Forward Time, Central Space法)を紹介したいと思います。下記の問題に対して、問題設定をします。

◆問題設定◆

水位h0 の河があるときに、この河の上流部で水のせき止めがあり、河の水位が 低下したとします。この河の水位低下による、周辺地下水位への影響を調べてみましょう。

  

 周辺地下水位の挙動を表現する支配方程式は、左上の拡散方程式で与えられます。この拡散方程式の解析解と数値解について考えてみましょう。
注) 図中の河川は画面手前から奥(もしくは奥から手前)に流れ、流入する地下水は図中左から右に流れている。また、縦軸は拡大されている。

 

■ 解析解について ■

 上記の問題の解析解は次のように示すことができます。

 

■ FTCS法の数値解について ■

 数値解を求める手順については、移流方程式で勉強しましたね。ここでは、詳しい説明はしません。

1.まず、拡散方程式を差分式に書き直します。

時間微分については、前進差分(Forword Time)で評価すると次のように近似されます。

続いて、空間微分については中央差分(Central Space)で評価すると次のようになります。

以上より拡散方程式を差分式に直すと次のようになります。

2.格子図を作成する。

3.初期条件、境界条件を考慮する。

4.Excelで図表を作成する。

移流式と異なり、上流端・下流端(左右両側)に境界条件が必要になります。

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