実用ドイツ語教室(第15回)

ダンケ (Danke)

 こちらの人はちょっとしたときでも、よく言います。すっと、軽く。でも感謝がうすいというふうではありません。それで「ビッテ(bitte)」と返す。それでおわり。図書館で読んだ本によると、日本人はこれでおわらないので言いにくいらしい。日本では恩を受けたことになって、相手に借りをつくることになるのだそうだ。なーのだ。それで、恩をうけても何もお返しができなくて「すみません。」となるそうです。「すみません」が先にでるのは、そおいうことなんです。へえー、なんか難しいなあ。そんな理屈つけなくても、もっと素直に「ありがとう」っていいましょうよ。「ありがとうが言えなくて」なんて歌はドイツでははやらない、たぶん。(こんな歌あったっけ?)
 オランダ駐在の友人は数ヶ国語使いますが、ドイツ語はくわしくありません。(オランダ語わかるので、そんなに難しくないはずなのだが。)しばらくの間、「ビッテシェーン(Bitte schoen)」=「ありがとう」だと信じていて、ドイツで使いまくっていたそうでうす。コミュニケーションはうまくとれてたみたいです。ほんとうにそういう意味があるのかも。もっとドイツ語勉強してみよう。
 よく電車の席のはなしがあります。日本人は、譲られたら申し訳なさそうにすわります。なので譲ったほうもなんか申し訳ない。譲られたら「やっほー、たすっかったー!」なんて座りましょう。そして言うんです。
「ダンケ(ありがとう、でもそれ以上なにもでないよ。)」
注)そして「ビッテ(どういたしまして、別に何もいらないよ。)」

ゼンメル (Semmel)

 小さくて、ふちが固くて、まるくて、中は割合やわらかくて、そして安い。そんな「パン」の名前です。が、北では通じないらしいです。「ブゲェートヒェン(Broetchen)」だそうです。(これでも通じない?おかしいなあ)チーズがぶっかかってたり、ごまや、なんかのたねがかかってたり、まあおいしいです。えー、○○ヒェンは、かわいらしいもの、ちいさいもの、につける愛称のようなものらしいですが、「ちょっと飲みに行こう」のビアーヒェン(Bierchen)は、決して「少しのもの」ではすみません。私のまわりでは。
 きょう、トラム(Tram)(前出)から見てたら、どこかのおじちゃんが、大量に買い込んだモノを自転車の荷台からおっことしたらしく、歩道から車道まで「うわー、たいへん。」状態。道行く人が集まって、みんなで拾っているんですね。車も「ブーブー(いそいどるんじゃ、どかんかい)」なんて決してやりません。ドイツの国民性でしょうか、それとも困っている人見たら、そうするのは世界共通か。そう、ミュラー(Mueller)(有名なパン屋さん)の袋もやぶれて、中から...。
「ゼンメル(そんなとき、道のまんなかまでころがっていってしまうけど、拾って払えば、なんか食べられそうなそんなパン?)」
注)帰りに通ったときには、ゼンメルも回収されたのか、なくなってました。

ドイッチェポスト (Deutsche Post)

 ポストは女なので、「ドイッチェポスト」です。博物館はモノなので「ドイッチェスムゼウム(Deutsches Museum)」です。銀行は女なので...。テレコムも女。ドイツ国鉄も女。このへんのもの女が多いなあ。男、男...。(えー、男をあさっているわけではない。念のため。)冠詞がつくと変わるのもあります。冠詞って?そおですねえ。日本語に冠詞ないし、複数形もないし。
 1年くらい前になるかなあ、居酒屋で郵便配達のおじちゃんと仲良くなって。職を求め、東ドイツからきたのだと。そおだよなあ。日本もそうだけど、郵便配達って過酷労働だよなあ。雪の日も素手で自転車のって、重い郵便袋持って。ありがとう、うっ、うっ。郵便代って安いよね。特にはがきとか。「届ける=そこまで行く」だから結構、手間かかるはず。...しかーし!!荷物によっては委託業者が配達する。ドイツではこれが評判悪い悪い。質も悪い悪い。
 まあこれはさておき、郵便は「えーこんなに住所まちがってんのに、よく来たなあ」とか、ブラジルまで行って宛先不明で、きちんとドイツまで帰ってくるし、土曜の朝の配達の兄ちゃんさわやかだし。あのおじちゃん、あれっきりだけど、東ドイツに残した家族のために、毎日郵便、配達してくれてるんだろうか。いまも。2杯目をためらっていたおじちゃんに、調子にのって「おごるからもう1杯」と。ほんとうにありがたそうに飲んでくれていたなあ。
「ドイッチェポスト(ほんとうにありがとう。でも窓口はもう少し愛想よくしたほうがいいと思うよ...。)」

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